脱税の罪で起訴された日本大学前理事長の田中英寿(75)被告について、東京地裁は、21日夕方、保釈を認める決定をした。田中被告は、保釈保証金6000万円を現金で納付し、保釈された。
田中被告は、午後7時すぎ、勾留されていた東京拘置所から外に出てきた。黒い帽子に、黒いマスク姿で、無言のまま、迎えの車に乗り込んだ。
日本大学の理事長だった田中被告は、2020年と2018年に、「誕生日のお祝い」や「理事長の再任祝い」などの名目で、出入り業者から受け取った得たリベートなど、合わせておよそ1億2000万円を隠し、およそ5200万円を脱税した罪で起訴された。
田中被告は、11月29日、東京地検特捜部に逮捕された。当初は、容疑を否認し、「税務申告は妻に任せていた」と供述。その後、一転して容疑を認め、「大金が入るたびに妻から報告を受けていた。申告しなければいけない金だった」と供述し、修正申告する意向も示している。特捜部は、脱税事件への妻の関与も捜査していたが、立件を見送った。