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3Dプリントによるロケット開発企業のRelativity Space(レラティビティ・スペース)は、同社の軽量ロケット「Terran 1(テラン1)」の実証打ち上げの日程を、2021年冬から2022年初頭に延期した。同社はTwitter(ツイッター)でスケジュールの変更を発表するとともに、打ち上げがフロリダ州のケープカナベラルから行われることを明らかにした。

#Terran1の最新情報をお伝えします。

ステージ2が、構造試験台で極低温圧力証明+油圧機械式座屈性能試験に合格したとお伝えできることを大変うれしく思います。次は S1の構造テストです。

Terran 1のデモンストレーション打ち上げは、2022年初頭にケープカナベラルLC-16から行われることになりました。

Relativity Space

また、Relativityによれば、ステージ2は極低温圧力と油圧機械式座屈性能の試験に合格したという。今後、ステージ1の構造試験が行われる予定だ。

今回の延期のニュースは、RelativityがTerran 1を2021年の冬に打ち上げると(同じくツイッターで)言ってから、わずか2カ月後のことだった。軌道飛行実証を行うこのロケットにはペイロードは搭載されないが、同社はすでに2022年6月に2回目の打ち上げを予定しているという。そちらのロケットは、NASAとのVenture Class Launch Services Demonstration 2(VCLS Demo 2)契約の一環として、CubeSat(キューブサット)を地球低軌道に運ぶことになる。

同社の広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、打ち上げ日が延期された理由は「1つではない」とのこと。「新型コロナウイルスの影響でいくつかのプロセスを遅らせている間に、Relativityはこの1年間で、Terran 1のアーキテクチャを改良し、まったく新しいエンジンを開発し、素材をアップグレードしました」と、広報担当者は語り「パートナーとの連携を円滑に進めるため、実証打ち上げの日程を2022年初頭に変更しました」と続けた。

今回の打ち上げでは、3Dプリンターで全体が作られたロケットが、世界で初めて宇宙へ飛び立つことになる。Relativityの技術は投資家の関心を集めており、2021年の夏に行われた6億5000万ドル(約714億円)の資金調達で、評価額は42億ドル(約4600億円)にも達したほどだ。同社はTerran 1に加えて、2機目の「Terran R(テランR)」と呼ばれる重量物運搬用の完全再利用可能なロケットの開発も進めており、早ければ2024年の打ち上げを目指している。

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画像クレジット:Relativity Space

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)