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Snap(スナップ)は米国時間10月21日の収支報告で、第3四半期の収益予想を達成できなかったと述べた。第3四半期の売上高は10億7000万ドル(約1214億円)で、ウォール街が予想していた11億ドル(約1248億円)には届かなかった。

同社のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は3億600万人で、第2四半期の2億9300万人から増加した。この成長は急激ではないが、少し前までは完全に存在価値が失われる危険性があったプラットフォームとしては、十分に健全なものといえる。

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Snapchat(スナップチャット)は、Apple(アップル)がiOSのプライバシーに関する大きな変更を行ったことで、ユーザーの行動を自社の枠を超えて追跡しようとするアプリに新たな制限が設けられたことが、収益の減少につながったと考えている。SnapのEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)CEOは、通話の中で、広告主ツールへの影響がいかに破壊的であるかということに気づかなかったと述べている。多くの広告主は、これまで慣れ親しんできた広い視野を失ったことで、ユーザーの行動を計測するための新しい、より抑制された方法に適応しなければならなかった。「それらのツールからは、基本的に何も見えなくなってしまいました」とシュピーゲル氏は語った。

シュピーゲル氏は、Snapのビジネスの落ち込みは一時的なものであるとし、新しい標準に適応するには「時間を要する」と述べ、Appleの広告変更による長期的な影響はまだわからないとしている。また、Snapの業績不振には、より広範なパンデミックの市場トレンドも影響していると述べている。

ユーザープライバシーに大きな恩恵をもたらすiOSの変更に適応しようとしている広告ビジネスは、Snapだけではない。Facebook(フェイスブック)も、Appleの新しいポリシーにより広告をターゲティングする能力が低下したため、第3四半期に大きな影響が出ることが予想されると警告している。

意外なことではないが、SnapやFacebookなどの広告事業者が依存しているクロスプラットフォームのトラッキングについては、選択肢を提示された場合、ほとんどのユーザーがオプトアウトする。Facebookのリーダーとは異なり、シュピーゲル氏は、モバイルOSにより多くのプライバシー機能を追加するというアップルの決定を、その変更がSnapの収益にどのように影響するかにかかわらず、一貫して支持してきた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)