牛のげっぷなどに含まれる「メタン」は、二酸化炭素と比べて20倍以上の温室効果があるとされていて、世界中の家畜の胃腸から排出されるメタンの量は年間20億トンに上り、温室効果ガス全体の4%を占めていると言われています。
この「メタン」について、アメリカとEUが新たに、2030年までに世界全体の排出量を2020年と比べて30%削減することを目標とする、国際的な枠組みを設ける方向で調整し、日本にも参加を求めていることが、日本の政府関係者への取材で分かりました。
関係者によりますと、アメリカとEUは「世界的にメタンを減らすためには高度な政治的関与が必要だ」としていて、各国の同意を得たうえで、ことし11月にイギリスで開かれる予定の国連の会議、COP26で、この国際的な枠組みについて正式に発表する方向で調整を進めているということです。
日本国内で排出されるメタンのおよそ8割は、牛のげっぷや田んぼなど農業の現場から排出され、大幅な削減は難しい状況だということで、日本政府は今後、対応を検討することにしています。