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モリシタクサアリ
十数年前から観察をしているモリシタクサアリの巣があります。
この日はまだ暗い朝4時ごろに観察に行きました。

フタホシキコケガNudina artaxidia
暗くても、いつも通り活動をしているモリシタクサアリの巣の周りを観察していると、苔の生えた木の幹に毛虫がいました。

フタホシキコケガNudina artaxidia
黄色と黒で美しい色をした毛虫。

フタホシキコケガNudina artaxidia
この毛虫、どこかで見たような気が?
しばらく観察していると、モリシタクサアリの行列付近を歩いているのですが、アリたちに攻撃される様子は全くありません。
しかも、探したらこの付近で3匹も見つかったのです。

フタホシキコケガNudina artaxidia
クサアリの巣にいる毛虫・・・。
ここでやっと「以前小松さんが生態を突き止めた好蟻性のフタホシキコケガだ!」と思い出しました。
その場でスマホで検索して姿を確認すると、間違いありませんフタホシキコケガの幼虫です。

フタホシキコケガNudina artaxidia
アリがたくさんいても、全く気にすることなく歩き続けるフタホシキコケガ。

フタホシキコケガNudina artaxidia
同じく好蟻性のガ、マダラマルハヒロズコガと一緒に撮影。


こんな感じで、アリがたくさんいる場所を歩いていました。
このフタホシキコケガは、クサアリの行列を辿り、アリたちがカイガラムシから甘露を集める場所まで行き、その甘露を飲むようなのです!
アリに攻撃されず、アリの後を付けてカイガラムシの甘露を飲む毛虫もすごいですが、それを突き止めた小松さんもすごいですね。
詳しくは小松さんのブログをご覧ください。

フタホシキコケガNudina artaxidia
この巣の周りにはアブラムシはいたのですが、アブラムシの甘露も飲むのでしょうか?
それから数時間が経ち明るくなったころ、もう一度観察しようと戻ったのですが、一匹も見つかりません。
どこかに隠れているのかと思い、苔の生えた樹皮を少し剥がしてみたら、樹皮裏から見つけることができました。
小松さんのブログでも夜に甘露を飲んでいたとありましたが夜行性のようです。
甘露を飲むところを観察してみたいです。