匿名化されていたはずのアプリの位置情報で高位聖職者としては不適切な行動が指摘され、米カトリック司教協議会(USCCB)の事務局長が辞任した(USCCB の声明、 The Pillar の記事、 America Magazine の記事、 Ars Technica の記事)。
位置情報はゲイのソーシャルネットワーキングアプリ Grindr が匿名化してデータブローカーに販売したとされるもの。位置情報とユーザー名は結び付けられていないがデバイスごとにユニーク ID が割り振られており、特定のデバイスがデータを送信した場所と日時が確認できるという。
カトリック教会に関するニュースサイト The Pillar がデータを入手して調べたところ、2018 年から 2020 年にかけて特定のデバイスが(元)事務局長の自宅と職場のほか、ゲイバーや個人宅を訪れていることが判明したとのこと。事務局長は 2018 年の聖職者による児童虐待スキャンダルを受けて USCCB とバチカンの調整役を務めており、訪問した各地でもアプリからデータが送信されていたそうだ。
事務局長の行動に違法性はまったくないが、同性愛に反対するカトリック教会の高位聖職者としては、このようなアプリを使用するだけでもスキャンダラスといえる。そのため、事務局長はUSCCBの運営に支障をきたすことがないよう、The Pillarの記事が公開される前に辞任したとのことだ。
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