もっと詳しく

アシナガキアリとシロオビアリヅカコオロギ
先日アシナガキアリの引っ越しをご紹介しましたが、こちらはうちで長年飼育中のコロニー。
シロオビアリヅカコオロギも一緒に暮らしています。

アシナガキアリとシロオビアリヅカコオロギ
好蟻性生物は様々な種類がいますが、飼育するのに最もオススメなのはシロオビアリヅカコオロギだと思っています。
食料の大半はアリからの口移しで、アリに害も与えませんし、成虫の寿命がとても長く1年以上も生きます。
コオロギの仲間で成虫になってから1年以上も生きる種ってアリヅカコオロギ以外にいないのではないでしょうか?
さらに、産卵→幼虫→成虫と全ステージをアリの巣内で過ごすので累代飼育もできるため、何年間も飼育観察を楽しむことができるのです。
昆虫展などのイベントでも何度も展示をしていますが、アリの巣でコオロギが一緒に暮らし、アリから餌をもらうことに皆さん驚かれます。
全国の昆虫館さん!「アリとコオロギの不思議な関係」展示にいかがでしょうか?

アシナガキアリとシロオビアリヅカコオロギ
どちらも同じような姿ですが、成虫の雌雄です。
左の産卵管があるのがメスで右がオス。
産卵管は上からは見えないほど短いです。

アシナガキアリとシロオビアリヅカコオロギ
お腹がすくと、アリの頭部を叩いて吐き戻しを要求します。
この写真も、よく見ると左前脚でアリの顎の辺りを叩いていますね。
コオロギがアリから食料をもらうって、何度見ても不思議な光景です。
ちなみにアリは同じ匂いのするアリヅカコオロギを家族だと思い食料を分け与えています。
アリを騙すには色や形などの姿は無関係で、匂いが全てであることが良く分かりますね。
アリヅカコオロギは、定期的にアリに触れて匂いを自分の体に塗り付けているのです。

好蟻性生物については、ぜひ以下の本もご覧ください。

アリの巣のお客さん
丸山 宗利
あかね書房
2015-07-30


アリの巣の生きもの図鑑
貴, 小松
東海大学出版会
2013-03-01


アリとくらすむし (ふしぎいっぱい写真絵本)
島田 たく
ポプラ社
2015-04-03


アリのくらしに大接近
丸山 宗利
あかね書房
2015-07-30