訪れたのは、山梨・北杜市。
問題の物体が目の前に現れた。
コンクリートで、何かを固めたようなものがある。
古墳のように盛り上がっていて、かなり大きい。
もともとは、市内の業者らが汚泥や石こうボードの粉など、およそ2万立方メートルを放置してできた産業廃棄物の山。
致死量を大幅に超える硫化水素が検出されたため、県が撤去命令を出し、業者は一部を撤去した。
しかし、期間内に履行されなかったため、県は、行政代執行に踏み切り、セメントで固める工事を施した。
費用は、およそ7億5,000万円。
こうして硫化水素の発生を防ぐ対策工事は、2020年1月に完了した。
これにより、住民の不安は消えたのだろうか。
近隣住民「残飯みたいな生臭いにおいですね、軽くはなったけど本当に異臭ですね」
硫化水素発生の危険はなくなったものの、住民によると、表面から液体が染み出し悪臭を放つようになったという。
下を見てみると、コンクリートが茶色く変色していて、雨の水たまりも濁っているように見える。
近隣住民「健康(の不安)もありますし、とにかく暮らすのに、臭いがきつくて大変なんですよね」
汚泥などが放置されたことで、雨などにより、そのにおいが周囲に広がっている可能性がささやかれている。
県は引き続き、業者に産業廃棄物の撤去を要請。
市は、県と協力しながら、事業者への指導も含めて対応を検討していきたいとしている。