秋は様々なアリが結婚飛行を行いますが、数も多く人目につきやすいアリは、やはりキイロシリアゲアリでしょう。
夜間、灯りという灯りに無数の羽アリが集まります。
毎年撮影していますが、今年もたくさん撮影しましたのでご紹介します。
夕方、巣穴からたくさんの羽アリが出てきます。
こちらの巣穴を見ると、だいぶ大きく広げられているのが分かります。
こんな感じで、一つの巣からものすごい数の羽アリが一斉に出てきます。
この巣はコンクリートブロックの下に巣があるので、持ち上げて巣の中を見てみると、巣の中にはほとんど羽アリが残っていないので、この日で一気に飛びきるのが分かります。
そして、巣の中を歩く新女王をよく見ると、すでにオスが交尾しようとくっ付いているのです。
別の日にも同じように巣の中で交尾をしている女王がいたので、同じ巣の中で交尾をしてから巣を出る女王もいるようなのです。
巣から出てきた新女王たちは、草や石など少し高いところを目指します。
こちらの巣は木の根元にあり、巣穴から出てきた羽アリたちはそのまま木に登っていました。
こんな感じで登っていきます。
隣で見ていた息子の声も入っていますが、「あ~。もう今日で会えなくなっちゃうのか。」と寂しそうな様子。
その気持ち、とてもよくわかります。
一年で限られた期間でしか見れない結婚飛行は特別なのです。
ここまでの大規模な結婚飛行は、今年はもう見れないでしょう。
行列を作って木に登る羽アリと働きアリ。
結婚飛行の日は、働きアリたちもものすごい数が巣から出てきます。
そして高さ1~1.5mほどの高さまで登ったのですが、実はこの木には樹上性のハリブトシリアゲアリの巣があるのです。
木の上では、縄張りに侵入してくるキイロシリアゲアリに怒ったハリブトシリアゲアリとの争いが起こっていました。
ハリブトシリアゲアリの方が攻撃的で強いようで、ほとんどのキイロシリアゲアリはやられてしまっています・・・。
キイロシリアゲアリは毒針から毒を出してはいるのですが、攻撃能力は低いようです。
それにしても、本当に驚くほど多くの羽アリと働きアリが出てきます。
地中にこんなに多くの個体が暮らしていたのかと驚きます。
これ、すべて一つの巣から出てきている羽アリと働きアリたちです。
そして、この巣から出てくる新女王を見ているとこんな場面を見ることができます。
別の巣からオスが飛んできていることもあるでしょうが、最初の動画のように巣の中ですでに交尾をしている個体も多少いるようなのです。
そして、その場ですぐに翅を落とし始めました。
この個体は一度も飛ぶことなく、巣から少し出歩いたところで翅を落としたのです。
こちらの女王は、巣穴から出てきた段階ですでに翅を落としていました。
こんな感じで、巣の周りにはたくさんの翅を落とした女王が一緒に歩いているのです。
これを見た息子が、「同じ巣だから働きアリを一緒に持って帰れば飼えるかな?」と言うので試してみることにしました。
上の動画で息子が吸虫管で吸っているのは、この実験をするための働きアリです。
そして持ち帰ったのがこちらです。
巣から出てすぐに翅を落とした新女王と、同じ巣の働きアリたち。
今のところとても順調です。
女王はすでに働きアリから食料ももらっていて何も問題なさそうです。
次回は、飛び立った後の観察をご紹介します。
過去の観察は以下をご覧ください。
2020年 キイロシリアゲアリの結婚飛行
2019年 秋ですね!キイロシリアゲアリの結婚飛行
2017年 秋はキイロシリアゲアリの結婚飛行
2015年 キイロシリアゲアリの天敵はキイロシリアゲアリ!?
2014年 キイロシリアゲアリの結婚飛行
2013年 キイロシリアゲアリの結婚飛行