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<貿易でも領土でも人権でもぶつかり合いながらトップの座を争う2つの超大国。オリンピックも例外ではない> 米中が相まみえれば競争に火がつく──当節、それは避けられない現実だ。貿易でも領有権でも新型コロナウイルスの起源でも、2つの超大国は激しくぶつかり合ってきた。スポーツも例外ではない。来年北京で開催予定の冬季五輪について、中国の人権問題を理由にボイコットすべきだという声もアメリカにはある。 コロナ禍で1年遅れで開催された東京五輪(8月8日まで)も同じだ。メダルの総獲得数で、米中はトップを争っている。 まず先に金メダル獲得数およびメダルの総獲得数でリードしたのは中国だ。以下のグラフは、東京五輪開催中の米中、開催国の日本、イギリス、ロシア・オリンピック委員会(ROC)の金メダル獲得数の予測だ。 通算の獲得メダル数では断トツ1位のアメリカ さて、近代五輪の夏季大会で通算1000個を超える金メダルを獲得しているのは世界を見てもアメリカだけだ。前回2016年のリオデジャネイロ五輪までで、アメリカは合計1022個の金メダルを獲得している。これは2位のロシア(旧ソ連を含む)と3位のドイツ(旧東西ドイツを含む)の合計獲得数を上回る。 アメリカは過去2大会、金メダル獲得数でも総メダル獲得数でも1位だった。前回のリオ五輪でアメリカに次ぐ2位は中国だったがその差は大きく、総メダル獲得数で50個、金メダルでは20個だった。 しかし2012年ロンドン五輪では、その差は金メダルで8個、総メダル数で13個まで縮まった。 さらにその前、2008年に北京で開催された五輪では、中国が48個の金メダルを獲得したのに対し、アメリカの獲得数は36個で中国に負けた。しかもアメリカの金メダルのうち、8個は競泳のマイケル・フェルプスが獲得したものだ。 東京五輪における米中の勝負の行方は予断を許さない。7月26日午後2時の時点で総メダル獲得数は13対12、金メダルは6対5で中国がアメリカを一歩リードしている。 ===== ロシアは今回、組織的なドーピング問題で受けた処分により、正式な選手団を送り出すことができなかった。一部の選手はROC(ロシアオリンピック委員会)の名の下で個人資格で参加しているが、ロシア国旗を使うことは認められていない。 ロシア勢の参加が少ないということは、他の国々にとってメダル獲得のチャンスが広がったことを意味する。 今大会、中国は射撃で5つのメダル、ウエイトリフティングで3つのメダルを獲得して幸先のいいスタートを切った。フェンシングやシンクロナイズドダイビング飛板飛び込みでも金メダル、テコンドーの男子68キロ級では銅メダルを獲得した。 中国には卓球や飛び込みといったお家芸があるほか、体操でもアメリカやROCを脅かしている。水泳や陸上競技でもメダルを狙う立場だ。 一方のアメリカは、男子バスケットボールや女子サッカーが黒星スタート。女子体操団体の予選でも主力選手のシモーネ・バイルズが振るわず2位となるなど、順調とは言いがたい。 バスケットボールのチームUSA、フランスにまさかの敗退