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新型コロナウイルスと闘う医療機関で、診察をめぐり金銭トラブルが起きた。

東京都内にある「目黒の大鳥神社前クリニック」の防犯カメラの映像。

事の発端は、7月中旬。
都内のクリニックに、微熱とせきの症状を訴え、50代の男性が来院したことから始まった。

目黒の大鳥神社前クリニック・北村直人院長「(50代の男性には)、仮に新型(コロナ)だった場合、重症化する可能性もあるということから、採血かレントゲンかやっておきませんか? 保険でしますのでと言ったところ、自分は糖尿病もあるので、ぜひお願いしたいということだった」

この時、PCR検査や診察を受け、男性は診察料を支払って帰宅。

翌日、陽性が判明したため、男性に電話で伝えると、その数日後、自宅療養を終えた男性が、診察料の全額返済を求め病院に乗り込んできた。

目黒の大鳥神社前クリニック・北村院長「自分は“新型コロナ陽性”だったから、医療費がかからないはずなんだと。負担があったのはおかしいということを言い出して。PCR検査はお金がかからないが、診察料などは発生しますと言ったら、『そんな話は聞いていない』と言い出して」

定められた機関で行われたPCR検査の費用はかからないが、初診料などの自己負担分は、患者が支払うことが定められている。

しかし、男性は「全額返済しなければ帰らない」と、およそ4時間、病院に居座った。

この対応で、診察は、数時間にわたってストップ。

病院の待合室は、予約で訪れた患者であふれ、中には、診察を諦めて帰った人もいたという。

その後、警察が駆けつける事態に発展するが、男性が居座り続けたため、クリニックは、やむを得ず男性に全額返金したという。

しかし病院には、テレビを見た人から、「患者に対しての対応としてどうなのか」などの、心ないクレームも多数入っているという。

また、通常の業務に支障が出ているとして、直接の連絡を控えるよう、クリニックが呼びかける事態になっている。