10月31日の衆議院選挙の投開票日が迫る中、20日から始まった期日前投票の投票率は、投開票1週間前の24日時点で5.37%となり、4年前の衆院選での同時期と比べ1.5ポイント上回った。
人数にすると、期日前投票をしたのは567万519人で、前回衆院選に比べ、156万人あまり増えている。
投票率をめぐっては、前回がワースト2の53.68%と、2014年の前々回が最低の52.66%を記録するなど、低下が大きな課題となっていて、今回の選挙戦では投票率アップに向けて行政や民間団体、さらに芸能界まで巻き込んで様々な取り組みが行われている。
それだけに、この期日前投票の投票率アップのニュースは明るい知らせのようにも見えるが、そう楽観できるわけではない。総務省は期日前投票が増えた理由について、「新型コロナウイルスの感染防止のため、密を避けて投票に行く有権者が増えた可能性も考えられる」としている。
各地の選挙管理委員会は、投票日当日は投票所が混雑するおそれがあることから期日前投票の積極的な利用を呼びかけていて、期日前投票増加の背景には、当日に投票に行く予定の人が、コロナ禍を懸念し期日前に投票を前倒ししただけのケースも相当数あるとみられる。
1票の価値を金額で例えると約400万円!?
この選挙での投票の重要性を語るとき、「大切な1票」という言葉が使われるが、仮にお金で例えるといくらになるのか。ニッセイ基礎研究所の髙山武士准主任研究員に尋ねてみた。
国全体のお金の使い道を決めるのが国会議員で、それを選ぶのが有権者だという考え方に基づいて、計算すると、次のようになる。
・国の一般会計予算は年間約100兆円
・100兆円を有権者数の約1億人で割ると、1票あたり年間で100万円。
・衆議院解散がない場合、議員の任期は4年なので、その任期4年をかけると1票あたり400万円。
つまり、私たちの1票は4年間に使われる400万円の使い道を決める価値があるということになるのだ。髙山さんは、「市場価値があるわけではない『1票』の価値を考えるのは難しいです。ただ、平等に与えられている1票にそれくらいの重みがあり、それをもとに国会の中で議論がされていると思ってもらえれば」と語る。
「Live選挙サンデー」の番組PRナレーター遠藤憲一さんも投票呼びかけ
FNNでは、選挙戦の投開票日よる7時58分から特別番組「Live選挙サンデー」を放送するが、今回その番組のPR動画のナレーションを遠藤憲一さんに担当していただいた。
遠藤さんは、若い世代からお年寄りまで幅広い世代から支持され、池井戸潤さんの小説「民王」がドラマ化された際には、総理大臣の「武藤泰山」役を演じたこともある。その遠藤憲一さんが、ナレーション収録後、「皆さんの大切な1票、ぜひ投票に行きましょう」という投票呼びかけの動画メッセージを寄せた。
「Live選挙サンデー」は宮根誠司・加藤綾子両メインキャスターの進行のもと、国民の「知りたい」選挙区から徹底的にわかりやすくお伝えする開票速報と、強力ゲスト陣による大物政治家への遠慮なしの生直撃を中心に展開する。
今後、日本の政権は誰が担い、私たちの暮らしをどう変えていくのか。それが決まる歴史の瞬間を克明にお伝えする。
【執筆「Live選挙サンデー」スタッフ 福田真子】