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αism。

病気を未病に防ぐ第一歩は、食べておいしく、体にもやさしい、とんかつ定食だった。

東京・新宿にある日清食品の本社。

三田友梨佳キャスター「日清食品といえば、このカップルヌードルですが、きょうはこちら。
とんかつなんです」

このとんかつ定食に隠された食のニューノーマルについて、日清食品のトップ・安藤徳隆社長に聞いた。

2021年、大きな話題を呼んだ、カップヌードルの猫耳型の新たなWタブ。

三田キャスター「環境への配慮の取り組みの中にも、ただ何かをやめます、ではなく、Wタブを猫耳にしてしまう、猫を描いてしまうという遊び心も日清食品らしいなと感じるんですが、あの『猫を描く』というアイデア、実は安藤社長がご提案されたとうかがいました」

日清食品・安藤徳隆社長「ほっこりするような施策で、サステイナビリティな施策を身近に感じてもらえることができないかなと思い、ちょっといたずらも込めて、猫の顔を描いてみた」

世界で500億食を達成したカップヌードルブランドが人々のおなかを満たす中、今、手がけているのが、“完全栄養食”という新たな分野の開発。

日清食品・安藤社長「時代が飢餓から飽食へ変わってきた。われわれも時代に合わせてテーマを変えていかなきゃいけない。完全栄養食、好きな時に好きなものを好きなだけ食べても大丈夫のような、それを食べればどんどん健康になる、夢のような食を開発したら面白いんじゃないかということで、完全栄養食の開発を始めました」

体に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなど、33もの栄養素がそろい、カロリーや塩分などを抑えた完全栄養食。

一見すると普通のとんかつ定食だが、一般的なとんかつ定食のカロリーが1,046kcal程度なのに比べて、完全栄養食のとんかつ定食のカロリーは473kcal。

三田キャスター「揚げ物って大好きなんですけど、やっぱりカロリーを気にして食べると罪悪感もあるんですけど、その罪悪感なく食べられるというのはすごくうれしいです」

三田キャスター「栄養食って、勝手にですが独特な風味と香りがあって少し苦手意識があったんですが、先ほど初めていただいてみて、通常のものと遜色がなくて驚いたんですが。味についてはどのように取り組んでいますか?」

日清食品・安藤社長「味の開発が非常に苦労しまして。インスタントラーメンの技術を応用して、完全栄養食の開発に成功しまして。苦みとかえぐみをマスキングする技術、減塩の技術、ノンフライの技術。そういうものを応用し、夢のような食事の開発に今回成功した」

即席麺で培ってきた技術やノウハウで、現在、300種類以上の定番メニューを完全栄養食化。

そこには安、藤社長ならではのフードテックに対するアプローチがあった。

日清食品・安藤社長「われわれの考えるフードテックは、当然、環境負荷を考えたサステイナブルも必要だが、もう1つの方向性として、ウェルビーイングですね。サステイナブルが地球の健康だとすると、ウェルビーイングというのは人の健康。もっと、食を通してより良い幸せな時間を過ごしてもらいたい」

新型コロナウイルスの感染拡大で食生活が変化する中、おいしく未病対策できると期待される完全栄養食。

三田キャスター「日清食品の事業は本当に多岐にわたりますけれども、最終的に掲げる目標は、どんなことなんでしょうか」

日清食品・安藤社長「完全栄養食が、24時間365日、意識せずに食べられる。そういった環境をつくるには、スマートシティープロジェクトのような、街を1から設計していくことは非常に有効だと思う。自分の体質、体調に合わせて、パーソナライズ化された食事が出てくる。そういった仕組み・システムを国とも一緒に作っていければ、日本が未病対策先進国になっていくのではないか。それを目指して今、やっております」