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大橋悠依選手が1大会で2つ目の金メダル獲得という夏のオリンピックでは日本女子初の快挙を成し遂げました。
競泳では2008年北京大会の北島康介さん以来です。

自国開催の今大会、苦戦が続いた日本競泳陣の中で、大橋選手の泳ぎは自信がみなぎっていました。27日に行われた準決勝のレース、世界ランキング3位で好調を維持しているアメリカのアレックス・ウォルシュ選手が序盤から仕掛けても大橋選手は慌てません。「メダルをとっているからこその気持ちの余裕もあった」と自分のペースを貫き全体5位で決勝進出を決めました。

経験豊富な平井伯昌監督も「自然体で来られている」と手応えを感じる内容でした。初めてのオリンピックにも関わらず「この舞台に慣れてきたところがある」と話す大橋選手の表情は日本チームの柱としての自覚を感じさせるものでした。

2017年に初めて代表入りし、世界選手権で銀メダルを獲得した大橋選手。中学生や高校生から頭角を現す選手が多い競泳界で、“遅咲きのスイマー”として一躍、脚光を浴びました。
一方で本人は「遅咲きという感覚はあまりない。自分よりも4つとか5つも年下の子たちが世界の舞台で戦っているところをみても、違う生き物だという認識だった」と慌てずに自分自身と向き合ってきました。
持ち味の伸びやかな泳ぎを「力を入れて進むスポーツではない。1番の目標は自然体」とひたすら磨いてきました。

競泳日本の女子のエースとして臨んだ今大会も、開幕直前まで調子が上がらず決して万全の状態ではありませんでしたが、自身のペースを貫いて女子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得すると2種目めの200メートル個人メドレーは「思い切ったレースをする」と宣言し、そのとおりの泳ぎを結果につなげました。

ここ一番の大舞台で力を発揮した大橋選手が日本チームを鼓舞する2つめのメダル獲得を果たしました。