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新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、中止や反対の声もある中で始まった東京五輪

 産経新聞は開会式1週間前の16〜26日のツイッター上の五輪関連ツイートを解析し、文中に含まれる名詞の出現頻度を、文字の大きさで示す「ワードクラウド(WC)」で可視化した。開幕直前までは「中止」などネガティブな言葉が大きく表示されたが、開会式を機に一変。全身全霊で挑むアスリートたちをたたえる言葉が増えている。

開会式前日(22日)までのWCで目立つのは「中止」で、「コロナ」も大きい。新型コロナの感染拡大が続く中、ツイッター上では五輪開催に批判が多かった状況が表れているが、大会関係者の名前が連日表示されたのも特徴的だ。

19日は、過去のいじめ告白で批判を浴び、辞任した開会式の楽曲制作担当の小山田圭吾氏の名前が大きく表示された。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長らの名も連日、表示されていた。

傾向が変わったのは、開会式当日の23日。東京の空に五輪を描いた航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」のほか、開会式で選手団入場の際に曲が使われた「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」といったゲーム名が表示され、余韻は24日も続いた。

「中止」の言葉を含むツイートも増えたが、開会式が始まった午後8時以降には、急増した五輪関連ツイートにかき消され、「コロナ」の表示もしぼんだ。一方、東日本大震災からの「復興五輪」を連想させる言葉は現れなかった。

日本勢のメダリスト誕生とともに、WCは大会の主役であるアスリートをたたえる空気に包まれていく。26日には「卓球」とともに、日本卓球史上初となる金メダルを獲得した混合ダブルスの水谷隼(じゅん)、伊藤美誠(みま)の名前や「感動」「応援」といった言葉が現れた。

ただ、新型コロナの新規感染者数が東京で過去最多となった27日は再び、「感染」「コロナ」「中止」といった言葉が目立った。感染抑制とスポーツの祭典をどうやって実現するのか、依然として関心は高いようだ。(渡部圭介)