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世界ナンバー1大学である、英国・オックスフォード大学で活躍した日本人医師が、最新の研究から「もう一生リバウンドしない究極のダイエット法」を編み出しました。そこで『オックスフォード式 最高のやせ方』(アスコム刊)から、気になる箇所を抜粋して紹介します。

食事を我慢しなくても、ダイエットは成功する!

ダイエットをするうえではもちろん、食事はもっとも重要なウエイトを占める、とこれまで言われてきました。

しかし、英国・オックスフォード大の元研究員で、現在、福島県立医大の主任教授を務める下村健寿先生の著書『オックスフォード式 最高のやせ方』(アスコム)では、食事制限の危険性を訴えています。なぜなら、食事をとることは人間にとって必要不可欠であると同時に、脳にプログラムされた、決して抵抗することのできない仕組みです。

一時的に抑え込めたとしても、長期的に食欲を制御することはできません。つまり、食事指導は現実的ではないのです。食事を我慢しなくても、要は食べすぎなければそれでいいわけです。

今回は、同書より「運動中心のダイエット」を補助する意味での「食べ方のコツ」を紹介します。食事に関しては、ここに書いてあることを実践するだけで充分。下村先生の目から鱗なダイエット理論は痩せたい私たちに明るい希望をもたらしてくれますよ。

1:早食いをせず、食事は決められた時間にとる

(c)Shutterstock.com

早食いをしないことは、ダイエットの基本です。それ以前に、健康を保つ基本です。

私も論文にして発表したことがありますが、以前、健康診断を受けた人たちに「あなたは自分で早食いだと思いますか?」という質問に答えてもらいました。

そこで「早食いだと思う」と答えた人の健診のデータと、「早食いではない」と答えた人のものとを比べてみたら、なんと「早食いだと思う」と答えた人のほうが、体重だけでなくメタボの診断基準になる検査値がすべて高い値を示していました。早食い恐るべしです。

おかずとお米のごはんとを一緒に食べている状態を想像してください。どちらかというと、おかずを流し込むような形でごはんを食べていませんか? こうなると、不必要にごはんをおかわりすることになります。そうすると、全体の食事量が増えてしまいます。おかずを食べて最後にごはんだけ、という状態になると、ごはんだけをおかわりしてモリモリ食べ続けるというのはちょっと難しいです。だから、結果として食べすぎなくなります。

ただ、お腹がとてもすいているときはどうしても早食いになります。よく「30回噛んで食べなさい」なんて言いますが、お腹が減っているときはまどろっこしくてやっていられません。

これに対して私が現在推奨しているのが、「早食いのままでいい。30回噛まなくていい。カレーは飲み物でいい。ただし、ひと口、口に食べ物を運ぶたびに箸(スプーン/フォーク)を手から離して机の上に置くこと」です。このやり方は結構うまくいきますので、ぜひお試しください。

2:食べる順番を工夫する

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血糖の上がりにくい食事の仕方として、日本人を対象に行った研究成果で、血糖を上げにくくするだけでなく、いくつかの点においてダイエット時の食事法としては極めて有効かつ簡単な方法があります。

それは、野菜などから始めておかずだけを先に食べてしまい、最後にお米(ごはん)を食べるという方法です。

この方法で食事を摂取すると、血糖の急激な上昇が抑え込まれます。この現象には、食事によって腸管から放出されるGLP−1という物質が関与しています。GLP−1とは、インスリン分泌を補助するホルモンです。

患者さんにお勧めすると「変なごはんの食べ方だなあ」と言われますが、この食事の順番、じつは会席料理と同じです。日本伝統の食べ方は、じつは日本人に適した健康的な食べ方であったとも言えるわけです。

この食べ方からわかるように、逆にあまりダイエットに向いていない食事は、「主食であるごはんやパン、麺類とおかずが一緒にとれてしまう食事」です。具体的には丼もの、麺類、サンドウィッチやハンバーガーなどということになります。

3:寝る3時間前までに夕食をすませる。そのあとは寝るまで何も食べない

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前日の夕食は早めにとることが大事です。人間の脳は、寝ているあいだ、インスリンの効果を弱めるホルモンである成長ホルモンを分泌させて、血糖が下がりにくいようにしています。寝る前に食事をとってしまったら、寝ているあいだの血糖は高くなるばかりです。ですから、就寝時間近くにものを食べては絶対にいけません。

さらに、空腹時には人間の身体は血糖を維持するために、肝臓に貯蔵されているグリコーゲンを分解して血中に放出しています。計算によると、夜、空腹の状態で睡眠をとることによって、肝臓のグリコーゲンは60%近く減ります。この状態で低強度の運動を長時間行う習慣をつければ、徐々に脂肪を燃焼しやすい体に変化していきます。

具体的には、朝食前に30分程度の散歩をする習慣を継続するとよいでしょう。歩行での通勤で代用すれば、さらに習慣化できると思います。その場合には、職場についたら必ず朝食をとるようにしましょう。

とはいえ、飲み会や付き合いなどで、遅い時間に食べなければいけないこともあると思います。そんなときは食べてください。お仕事も大変です。ダイエットだって、ずっと続けていればたまには休むときが必要です。毎晩、飲み会があるわけではないでしょうから、次の日からまたもとの生活に戻ればいいだけです。

ただ、注意してほしいのは一点だけです。飲み会が終わったあとに、「締め」と称してラーメンや雑炊を食べるパターンがあります。これだけはやめてください。お酒を飲んでいるときは、満腹なはずなのに、夕飯1食分くらいの量を食べることができてしまいます。これは、お酒が脳の満腹中枢を狂わせてしまうからです。こんな状態で食べた締めの食事は、ただの体の毒です。ダイエットの大敵ですので、気をつけてください。

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ダイエットは、食事の量だけでなく、食べる順番やタイミングなどが重要なんですね。無理に食事を減らしてストレスを溜めるよりも、それらを意識して健康的な食事をとるほうが賢いダイエットだということがわかりました。

もっと詳しく知りたい人は、ぜひ下村さんの『オックスフォード式 最高のやせ方』をチェックしてみてください!

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著/下村健寿
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