およそ1億2,000万円の所得を隠した疑いで29日に逮捕された、日本大学の理事長・田中英寿容疑者(74)。
その資金は事実上、日大から還流した疑いが持たれている。
日大相撲部出身の田中容疑者。
現役時代は、「アマ相撲界の大鵬」と呼ばれていた。
大学卒業後は、相撲部総監督に就任。
2008年に現在の理事長の職に。
「日大のドン」と呼ばれるように。
13年にわたって、理事長の座に君臨。
大学内では絶対権力と恐れられていた。
田中容疑者と50年来の知人・日本大学元職員「正論を言う人間は全部左遷される。1つの部屋に閉じ込められて、1つの部屋に机だけ置いて、給料はそこそこ払われるけど、権限は全然持たされない。そういう人間が、今まで何人もいた」
やりたい放題で日大を牛耳ってきた田中容疑者。
日大ではこんな風習もあったもよう。
日大事業部元職員「日本大学の教職員の中では、人事発令は、最初に“ちゃんこ田中の2階にありき”とは有名な言葉。田中理事長にとって、奥さまが経営されているちゃんこ田中に、職員は年に数回は、ちゃんこ田中に行かなければいけない」
都内の自宅兼ちゃんこ料理店で行われていたこの風習は、“ちゃんこ詣で”などと呼ばれていた。
さらに、このちゃんこ料理店で、田中容疑者は、頻繁に大学幹部らと会合を行い、人事や運営資金決済などの重要事項を決めていたという。
東京地検特捜部は、日大から流出した資金の一部が、田中容疑者に事実上還流していた疑いがあるとみて調べている。