スタジオ生出演!スケートボード・堀米雄斗選手に聞く
オリンピックの新競技であるスケートボード・男子ストリートで見事金メダルを獲得した、堀米雄斗選手(22)。
「イット!」のスタジオに堀米選手をお招きし、話を聞いた。
堀米選手が手にした、スケートボード・男子ストリートの金メダル。
それは競技を知らない日本の多くの人に“ヤバさ”が伝わった瞬間でもあった。
小学生の時は卓球部だったという堀米選手。
しかし父親の影響で始めたスケートボードの虜となり、日本を飛び出し、本場・アメリカでプロスケーターとなった。
スケートボードが東京オリンピックの新競技に採用されると、一躍メダル候補として名前が挙がる存在になった堀米選手。
コロナ禍前の2020年1月、加藤キャスターは帰国していた堀米選手を取材していた。
堀米雄斗選手:
(国立競技場)ここから見るとすごい迫力ありますね。(開会式を)見に行きたいですね。東京(五輪)すごい楽しみ
取材後のコロナ禍で東京オリンピックが1年延期となり、結局、無観客で行われた異例の開会式。それでも堀米選手は、飛び跳ねながらその瞬間を楽しんでいた。
2021年世界選手権で初優勝し、王者として挑む地元開催のオリンピックへの思いを、加藤キャスターがリモートインタビューで聞いた時には…
堀米雄斗選手:
オリンピックの目標は金メダルを取ることです。自信は結構ありますね。オリンピックは開催してほしいなって思ってますね。いろんな人が知ってくれるチャンスだと思うので…
と話していたのだが、まさに“有言実行”となる大技を次々と決め、逆転優勝した堀米選手。
自らが虜となったスケートボードの魅力を、オリンピックの舞台で世界中の人々に伝えることとなった。
友人には「これ、金メダル獲れた」
加藤綾子キャスター:
宣言通りの金メダル獲得でしたよね。ご自身でメダルをかけた瞬間というのはどうでしたか?
堀米雄斗選手:
いやもう本当に夢のようかと思うぐらい、信じられなかったです
加藤綾子キャスター:
緊張されました?
堀米雄斗選手:
決勝のときはすごい緊張してたんですけど、自分のトリックにすごい集中してたんで、緊張を少し忘れてたと思います
加藤綾子キャスター:
今首にかけていらっしゃるのがその金メダルですね。これはお友達に見せたりされたんですか?
堀米雄斗選手:
はい、友達に見せました
加藤綾子キャスター:
なんて言って見せたんですか?
堀米雄斗選手:
「これ、金メダル獲れた」って言って。そしたら本当喜んでくれて…
日本中が沸いた金メダル。
そんな今大会で注目されているのが「ノーリー・バックサイド270・ノーズスライド」という大技だ。
堀米選手が最高得点を出した4本目に繰り出した技で、オリンピックの切符をつかんだ世界選手権で初めて成功した技だという。
加藤綾子キャスター:
この技が決まった瞬間はどうでした?
堀米雄斗選手:
本当にうれしかったし乗った時はすごくほっとしてたんですけど、4本目だったので「もう1つトリックを決めないと」とそういうことを考えていました
加藤綾子キャスター:
堀米選手はいつもクールなんですけど、決まった後に珍しく「よっしゃ」って言ってましたよね?
堀米雄斗選手:
はい。今回すごい追い込まれた状況だったので、セクションもすごい大きかったし、乗れたとき勝手に喜んでいました
加藤綾子キャスター:
ランからトリックへの切り替えはどうされたんですか?
堀米雄斗選手:
今回の課題が、ランを高得点出すという目標だったんですが、思った以上にうまくいかなくて。でもベストトリックが自分は結構得意なので、今までやってきた練習をイメージして、自信を持ってベストトリックに挑みました
加藤綾子キャスター:
あの技は一瞬見ただけだと本当に分からないんですけど…
堀米雄斗選手:
あのトリックは、僕のスタンスの場合「グーフィー(※左足をテール側、右足をノーズ側で乗るレギュラーと逆のスタンス)」って言うんですけど、前足で叩く「ノーリー」っていう方の足で叩いて、それで後ろ側に270度回転して、ノーズって言うデッキの一番先端の部分にレールをかけて、最後は着地するっていう技です
榎並大二郎アナウンサー:
説明だとものすごいボリュームですが、それをあの一瞬の中に詰め込んで…という
3つの“堀米現象” 中には「あの実況」も…
「ベストトリック」5本中4本が9点台という高得点を叩き出した、見事な金メダル。そんな堀米選手の快挙は今、さまざまな“堀米現象”を巻き起こしている。
1つ目が、Tシャツ売れすぎ現象!
オリンピックで堀米選手が着用していたTシャツを欲しがる人が急増し、完売しているという。
2つ目が“堀米違い”でフォロワー急増現象!
こちらはサッカー・アルビレックス新潟の堀米悠斗選手(26)の事で、スケートボードの堀米選手とは「ゆう」の漢字一字違い。その名前が勘違いされたのか、サッカーの堀米選手のツイッターで1日に5000人ほどフォロワーが急増したという。
ツイッターの中で「俺は本当に何もしてない!」と話していた、サッカーの堀米選手。取材によると、インターネットのサイトでスケートボードを購入し「堀米選手にサインをしてもらって家宝にしたい」と話しているという。
堀米雄斗選手:
いやもう本当、サッカーの選手がそうやって言ってくれてすごい嬉しいです
加藤綾子キャスター:
じゃあ、機会があれば…
堀米雄斗選手:
機会があれば、自分のボードをプレゼントして、サインしたいです
加藤綾子キャスター:
フォロワーも急増して、困ってるというよりやっぱり嬉しいっていう気持ちの方があるかもしれないですよね?
そして3つ目の現象が「やべー!」。
堀米選手の歴史的快挙とともに大きな話題を呼んだのが、プロスケートボーダー・瀬尻稜選手(24)のフランクな解説だ。
瀬尻稜選手による実況解説:
いやーさすがっスね~、乗りますね~。スピードが鬼速いっスね~。いや~~~さすがっスね雄斗、ハンパない。お~~~イェ~~~~ホントに彼スケボーうまいっスね
競技終盤、堀米選手が金メダル争いを繰り広げると、解説にも熱が入り…
瀬尻稜選手による実況解説:
おーーあついーーやべぇ~~雄斗~~いやぁ~~や~りましたねぇ~。いやぁ~雄斗おめでとー。この場でしっかり優勝して、ホントにかっこいいっス。全てが新鮮で俺はめちゃめちゃ感動しました
堀米雄斗選手:
昔から稜くんとは知り合いで、大会にも何回か一緒に出たことがあったりとか。普段からああいう感じですね。結構ゆっくりめな「やばいっすね~」「雄斗~久しぶり~」みたいな
加藤綾子キャスター:
今回瀬尻さんの解説でいろんなワードが、女子スケートボードの解説でも「びったびた」とかありましたね?
堀米雄斗選手:
すごい新鮮で、なんか逆にいいのかなって思うんですよね
加藤綾子キャスター:
いいですよね。一緒に見ているっていう感覚になって、私たちも言いたいですよね「やべ~」とか「あち~」とか
未来の堀米選手? キッズボーダーからの質問
そんな“一大現象”を巻き起こしている堀米選手だが、未来の堀米選手を目指すスケボーキッズからはこんな質問が寄せられた。
ハルくん(10):
スケボーを始めたきっかけはなんですか?
ソラくん(10):
堀米選手はストリート系とパーク系どっちが好きなのかを聞きたいです。
ヒデルくん(11):
得意な技は何ですか?
堀米雄斗選手:
スケボーを始めたきっかけは、お父さんがスケートボーダーで、お父さんがよく行く公園に一緒について行ってて、最初はスケボーの上に座って乗ったりとかそういうので遊んでいたりして。でも周りのスケーターたちが飛んだりとか板を回したりとかしてたので、かっこいいなと思って、そこからどんどんのめり込んでいった感じです
堀米雄斗選手:
僕は最初はストリートから始めたんですけど、そこからバーチカルっていうパークみたいなハーフパイプみたいなやつをずっと5、6年ぐらいずっとやってて、そこからストリートとかにも行ったんでどっちも好きなんですけど、今はストリートの方がすごい好きです。得意技は「ノーリー270・ボードスライド」です
加藤綾子キャスター:
子どもたちは本当に憧れて、スケートボードをこれから始める子もたくさん増えてくると思いますよ?
堀米雄斗選手:
本当にそれはすごいうれしいですね
加藤綾子キャスター:
また堀米選手が爽やかなキャラクターだから、始めさせたいという親御さんもいらっしゃると思いますね
叶えた夢「世界で一番うまいスケーターに」
小学校の時の堀米選手の卒業文集を見てみると…
卒業文集:
「ぼくの夢は、世界で一番うまいスケーターになることです。だからもっと練習するためにスケボーの本場のアメリカに行きたいです。アメリカに行っていろいろなプロスケーターとすべったり教えてもらったりしたいです」
「アメリカでは、日本でプロスケーターになってもアメリカ人のプロスケーターに認められないとプロスケーターじゃないのでアメリカ人に認められるように毎日、毎日、練習してプロスケーターになりたいです。プロスケーターになったらスケボーが出来ない人にうまくなるように教えてあげたいです」
加藤綾子キャスター:
すべて見事に叶えてらっしゃいますね?
堀米雄斗選手:
今、自分も見てすごくびっくりしてます。久々にこの文章を見ました
加藤綾子キャスター:
「アメリカ人に認められる」とかではなく、世界に認められる選手になりましたね。この夢をかなえるためにどんな努力をされてきましたか?
堀米雄斗選手:
スケボーがもう本当にすごい好きなので、最初はもうがむしゃらにずっとスケボーをしていて、そこから日本の大会とかに出ていくうちに、アメリカでもプロを目指したいなと思って。そこからアメリカとかをすごく意識するようになって、アメリカに行ってすごく練習したりとか撮影したりとか、そういった色々な経験とか周りの人が支えてくれたおかげで今の自分がいると思っています
加藤綾子キャスター:
やっぱり根底にスケートボードが大好きなんだっていう、好きっていう力がものすごく大きく働いてますよね?
堀米雄斗選手:
そうだと思います
今の夢は「大きい家を買う」? 3年後の展望も
最後に、これからの夢を堀米選手に聞いてみた。
堀米雄斗選手:
オリンピックで優勝するっていうことが近い夢で、今急にとかは出てこないんですけど、アメリカでもっと大きい家を買いたいです
加藤綾子キャスター:
以前リモートで見せていただきましたけれども、ビリヤード台があったりとかお庭に練習場があったり…ものすごく豪華なんですけれども、もっと大きいおうちに?
堀米雄斗選手:
そうですね、もっと大きい家が欲しいです。今回の家は庭が広くて中も結構広いんですけど、次はもうちょっと家の中をこだわったやつが欲しいです
加藤綾子キャスター:
プライベートというか練習拠点というか、自分の過ごす空間の夢っていうこともあると…一生懸命頑張っている子どもたちに向けたメッセージをいただいてもよろしいですか?
堀米雄斗選手:
スケボーの楽しさを忘れず、もし夢があったらその夢に向かって全力で頑張ってほしいです
加藤綾子キャスター:
たくさんの方の応援というのは届いていましたか?
堀米雄斗選手:
応援はすごい届いていました。やっぱり今までの大会とかよりも地元の友達とか周りの人がすごい応援してくれたので、すごい力になりました
次回のパリオリンピックへの期待も高まる堀米選手。
3年後の舞台については「そんなに遠くもないので、今まで通り練習とか撮影とか自分の好きなようにやって、パリも本当に自分のいい滑りができるように頑張りたいです」と話した。