緊急事態宣言が解除される10月1日から、休業していた大手居酒屋チェーンなどの店舗も順次営業再開する。
行動制限の段階的緩和などについて、エコノミスト・崔真淑さんに話を聞いた。
三田友梨佳キャスター「行動制限の段階的な緩和は、消費の回復にはどれほどの影響を与えるのでしょうか?」
崔真淑さん「やはり規制は地域によってはまだ残っている状況なので、経済回復というのはまだ少し先になるのかなと思います。さらには飲食業であるとか、一部のサービス業に対して、要請ベースで規制をするというのもかなり限界にきていると思います。今行うべきなのは、感染抑制と経済の再開を両立するようなエビデンスに基づく施策づくり、この準備が必要なのかなと思います」
三田友梨佳キャスター「従来のコロナ対策を検証して、そのエビデンスを前提にした仕組みの見直しは待ったなしですよね?」
崔真淑さん「そうなんです。なので、なぜ今感染者数が減っているのか、仮説でもいいので何かしらの根拠を示すということが重要です。さらには、このエビデンスによって施策づくりが生かされた事例として、アメリカで非常に注目したい動きがあります。アメリカではマスクの義務化をしていた州とそうではない州が混在していた時期があったんです。そこに注目した研究者が、マスクのあるなしが感染抑制に対して、はたして因果関係があるのか検証して、そのエビデンスが全米でマスクを義務化する動きにもつながっていった、そんな動きがあったんですね」
三田友梨佳キャスター「日本でも来月上旬から飲食店やイベントなどに関して制限緩和の実証実験が始まりますが、どう見ていらっしゃいますか?」
崔真淑さん「地域であるとか個別ごとのケースを検証するのも非常に重要なんですが、今は自治体によってアルコールの提供の規制であるとか、飲食業に対しての規制はかなり違っているので、規制によって感染動向がどう違うのか比較検証するチャンスだとも思います。なので、今のうちにエビデンスづくりを行いたい、そんなところが求められているかと思います」
三田友梨佳キャスター「あいまいな見解ではなくて、感染の動向をしっかりと検証して国民に開示することで、1人ひとりが合理的に考えて感染対策をしながら経済を回すことにもつながるように思います」