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「これまでに経験したことのない爆発的な感染拡大に向かっています」

東京都のモニタリング会議では、新規感染者の7日間平均は先週の1170人から1936人大きく増加

1カ月前は503人だったということで、感染がいかに急拡大しているかが分かる。

東京・渋谷

増加比も153%となり、このままでは、2週間後の8月11日には1日の感染者数が4532人にのぼる、との分析も示された。

医療関係者の強い危機感

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、感染状況悪化への強い危機感を示した。

「救急医療体制の逼迫が始まっています。まっただ中と言っても良いような状況だと思います」

国立国際医療研究センター・大曲貴夫国際感染症センター長

東京都医師会の猪口正孝副会長は、入院患者数が1カ月で倍増していることや、は脱水などにより脳卒中心筋梗塞などあらゆる病気が増える時期であることをあげ、医療提供体制についても強い危機感を示した。

「自宅療養が多いと、東京中に目を配らないといけなくなるので医療従事者の力が分散します」

猪口副会長は、更にこう述べ、これ以上感染者が増えた場合の入院調整、宿泊療養、自宅療養のあり方を抜本的に組み立て直し、早期に調整すべき、と強調した。

入院できず亡くなる人を防ぐには?

「感染者は確実に5000人を超えると思う」

ある関係者は、今後の都内の感染状況は確実に悪化する、という見方を示した。

そうなった場合、重症者は感染者数に比例して増えるとみられるが、病院に入院できる人数は限られている。また、宿泊療養や自宅療養が大きく増加することになるだろう。

「少なくとも一度は医者に見てもらうことが重要」

第三波の時のように、入院できず自宅で亡くなることを防ぐためにはどうしたらいいのか?

ある関係者は、自宅療養中の死亡を防ぐためには、医師が感染者1人1人を確実に診察して入院が必要かどうか判断することが重要、そのためにはオンライン診療をもっと活用できる体制作りが急務、と指摘した。

小池知事「手強いデルタ株は負かしきれない」

「そういえば緊急事態宣言だったね、って改めて思いだすような形では手強いデルタ株は負かし切れないという風に思うわけですね」

小池知事は「手強い」という表現を何度も使い、インド型変異ウイルス・デルタ株の感染力の強さを強調した。

小池百合子都知事

その手強い相手が急増するなかワクチンは行き渡らず、医療逼迫の「まっただなか」。

自宅で療養する人が安心安全に過ごせるように、どこまで迅速に体制構築ができるのか、都の調整能力が問われている。

(フジテレビ 都庁担当 小川美那)