子どもから大人まで幅広い世代に親しまれている“ポテトチップス”。
袋入りタイプで通常6カ月の賞味期限としている株式会社湖池屋が、5年保存できるポテトチップス「KOIKEYA LONG LIFE SNACK」の販売を新たに開始する。
これは災害用に備蓄もできる缶入りのスナック商品で、ラインナップは「プライドポテトひとくちカット 神のり塩」「じゃがいも心地 厚切りひとくちカット オホーツクの塩と岩塩」「スティックカラムーチョ ホットチリ味」の3種類。
「プライドポテト」は、3種ののりをたっぷりと使った贅沢な味わいで、老舗・湖池屋が培ってきた「のりと塩の秘伝のブレンドが神がかったおいしさ」となっているという。
「じゃがいも心地」は、キリッとした「岩塩」とまろやかな「オホーツクの塩」の2種をブレンドし、「噛むほどに旨み広がる」とのこと。
「カラムーチョ」は、1984年の発売当初から受け継がれる「肉と野菜の旨みと唐辛子の辛旨の味わいを、ザクザク食感のスティックで楽しめる」とのことだ。
発売日は8月2日で、一部店舗での限定販売(オープン価格)となる。
災害発生時などでも食べ慣れたポテトチップスを味わうことができたら、たしかに嬉しいことだろう。しかし、どのようにして5年と保存期間を延ばすことができたのか? またどのような点が、備蓄食としてポテトチップスが優れているのか?
株式会社湖池屋・マーケティング部の加藤俊輔さんに話を聞いてみた。
味付けはあえて変えていない
ーー5年保存できるポテトチップスの開発経緯を教えて。
2019年の関東での台風上陸の際に、防災グッズと一緒にポテトチップスが店頭で品薄状態になったことがきっかけでした。日頃から食べて慣れているポテトチップスを味わっていただくことで、災害時という不安な時こそ、日常を取り戻し、ホッと安心していただきたいという思いから開発に取り組むこととなりました。
ーーなぜ保存期間を延ばせたの?
缶は通常のポテトチップス袋よりも密封性が非常に高いため、容器を缶にすることで5年という保存期間を実現しております。
味付けは通常商品と同じものですが、「湖池屋プライドポテト 神のり塩」と「じゃがいも心地 オホーツクの塩と岩塩」は、缶への入れやすさと食べやすい大きさにするため短冊状にカットしております。
ーーこだわりの部分は?
日常の暮らしの中に違和感なくフィットするデザインと、日常から食べ慣れた安心感のあるポテトチップスの味わいとして、味付けはあえて変えていないことです。
ーー開発過程で苦労した点は?
スナック菓子を「缶」に入れたことです。長期保存のスナックは弊社としても初めての試みだったので、スナックを充填しても問題ない保存性と品質性を可能にする容器の選定には苦労致しました。
ポテトチップスは心の健康にも繋がる
ーーポテトチップスは備蓄食として、どういった点で優れているの?
塩分や炭水化物を手軽に補給でき、ローリングストックとして暮らしに溶け込みながら防災を実現できる点です。既存商品と味わいは変更しておりませんので、日常のおやつとしてお召し上がりいただけたり、長期保存用の備蓄としてもお役立ていただけます。
また、非常時こそ普段の何気ない食の楽しみが重要であり、そういった側面でもポテトチップスは心の健康にも繋がるのではないかと考えます。
ーーこの3種類を選んだ理由は?
非常時に少しでも日常を取り戻していただきたいとの思いから、人気の高い定番商品を選定させていただきました。
ーー現在どういった反響がある?
SNSや弊社お客様センターには「5年保存はすごい」「塩気のある保存食は嬉しい」「非常時に安心するし、気力が沸いてきそう」「5年も保管する自信がない…!」など、さまざまなお声をいただいております。想像以上にご注目いただいているようで驚いており、嬉しく思っております。
ーーこの商品がどのような存在となってほしい?
日常のおやつとしてはもちろん、非常時においても、みなさまに活力や癒しのひとときをお届けできればと思います。お客様の日々の暮らしに寄り添いながら身近なポテトチップスを通して、防災への取り組みのきっかけとなれば嬉しいです。
なお今後、新たなバージョンを出す予定については「お客様の反応を見ながら検討していければと思います」とのことだ。
非常時のストックとして開発した長期保存ができるポテトチップス。いざという時のために備蓄食の候補に入れるのはどうだろうか。