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 福岡県中間市にある認可保育園の私立双葉保育園で送迎バス内にいた園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(5)=同市=が熱中症で死亡した事件で、園は31日午後6時から事件後初の保護者会を開いた。

【写真】送迎バスから園児が発見された保育園

 終了後に出てきた出席者らは園の説明に憤りをあらわにした。保護者らによると、女性園長は冒頭で「この度は私の確認不足で職員間の連携もうまくできず、冬生君の命を奪ってしまう事故を起こし本当に申し訳ありません」と頭を下げたという。しかし、女性の保護者は「園長は『普段できていることが(今回に限って)できなかった』と説明したが、到底納得できない。誰もが『言い訳だ』『うそだ』と怒っていた。これから子供を通わせるのに不安しかない」と語気を強めた。

 園児の点呼について、この保護者によると園長は「日ごろはしているがこの日だけしていなかった。園児が連絡なしに休んでいる場合も確認することになっているが、この日は園内でコミュニケーションが取れず気づかなかった」と釈明を重ねたという。

 当日、登園バスを園長が運転し、他の職員が乗っていなかったことについて園長は「本来なら(園長自身ともう1人の)2人乗るはずだったが、手が回らなかった」と説明。新型コロナウイルスの感染対策で保護者が園児の体温を記入したバスカードも受け取っていなかったという。他の保護者は「最悪だ。園長は謝罪はしたが『辞めない』と言っていた」と厳しい口調で話した。【中里顕】