搬送に半日「危なかった」 新型コロナ医療、最悪第5波の現場

 新型コロナウイルスの感染が猛威を振るう中、地域医療を支える基幹病院「埼玉医科大総合医療センター」(埼玉県川越市)には連日、重症や中等症の患者が次々と搬送され、ベッドはほぼ満床の状態が続いている。県境をまたいだ救急搬送、新たな治療薬の投与、受け入れ困難な転院搬送者…。専門家が「制御不能」とまで表現する過去最悪の「第5波」にさらされ、限界に近づく医療現場の「いま」に密着した。…

止まない電話、入院先なく…感染急拡大で保健所限界 

 新型コロナウイルス感染拡大が続く東京都で、保健所の行動確認の電話に出ないケースが増加し、濃厚接触者や感染経路の特定が難航している。急増した自宅療養の患者のケアや見つからない入院先の調整にも人手が割かれる保健所。医療体制が「機能不全」、感染が「制御不能」と指摘された感染第5波まっただ中の都内の保健所を取材すると、負担が限界を迎えつつある現状が浮かんだ。…

東京都、旧こどもの城に酸素ステーション設置へ

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない東京都が、自宅療養者らが酸素吸入が必要になった場合に備える「酸素ステーション」を、旧国立児童館「こどもの城」(渋谷区)に開設することが17日、関係者の話で分かった。21日から患者を受け入れる予定だ。…

福岡県などホテル療養者にも抗体カクテル療法 体制拡充を検討

 福岡県と同県医師会は16日、新型コロナウイルスの増殖を抑える2種類の中和抗体を組み合わせた点滴で薬を投与する「抗体カクテル療法」を宿泊療養施設で始めたと発表した。医師と看護師による専門チームを編成し、投与前後に経過を観察し、容体悪化にも即応する。宿泊療養施設での抗体カクテル療法は東京都に続き2例目。県は効果や薬剤の確保体制を見極めながら体制拡充を検討する。…

お盆休み 国内線は昨年より増加もコロナ前の4割

 新型コロナウイルス禍で旅行や帰省の自粛が呼びかけられたお盆休み期間は16日で最終日を迎えた。空の便の利用状況はいずれも昨年より増加したが、コロナ禍前に比べると、大幅に減少。各地の駅や空港では帰省先や行楽地からUターンする人の姿が見られたが、大きな混雑はなかった。…

群馬県、緊急事態宣言の発令を要請 全35市町村対象

 群馬県は16日、新型コロナウイルスの感染急拡大を踏まえ、政府に対し緊急事態宣言の発令を要請した。全35市町村を対象により強い対策を打ち出す方針で、政府と協議のうえで17日の対策本部会議で具体的な措置内容を決める。山本一太知事が同日、県庁内で記者団の取材に明らかにした。…

ドームでワクチン接種 東京の3区、官民協力

 東京都の文京、新宿、港3区は16日、東京ドームで住民への新型コロナウイルスワクチン接種を始めた。ドーム側は場所を無償提供し、地域の医科大などが医療従事者を派遣した。官民協力で接種加速化を図る狙い。11月中旬までに約3万5千人が米ファイザー製を2回接種できる見通し。…

積極的疫学調査を「縮小」 東京、保健所負担軽減へ

 東京都は、新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う保健所業務の逼迫(ひっぱく)を受け、濃厚接触者や感染経路を詳しく調べる積極的疫学調査を「効率的に実施」するよう都内の各保健所に通知したと明らかにした。通知は10日付。重症化リスクの高い人が多い医療機関や高齢者施設の事例調査を優先し、保健所の負担を軽減する狙い。こうした通知は1月以来2度目。…