中村吉右衛門さんの悩み多き道程 「ガス管をくわえたことも」と苦悩を告白【2021年墓碑銘】

 今年のドラマを振り返る。マイベスト10は「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジ)、「俺の家の話」(TBS)、「ナイルパーチの女子会」(BSテレ東)、「FM999」(WOWOW)、「きれいのくに」(NHK)、「その女、ジルバ」(フジ)、「うきわ」(テレ東)、「半径5メートル」(NHK)、「SUPER RICH」(フジ)、「今ここにある危機とぼくの好感度について」(NHK)。基準は笑えて泣けて驚かされて……

アホの坂田を引き出した「前田五郎さん」 晩年は吉本興業とトラブルで裁判沙汰【2021年墓碑銘】

 12月10日、オリコンが「第17回好きな男性アナウンサーランキング」が発表し、日本テレビの藤井貴彦アナ(50)が初の1位に輝いた。キャスターを務める「news every.」では、熱く誠実な語りかけが話題となり、コロナ禍でもっとも男を上げたアナウンサーといわれる。そんな彼が、同期の羽鳥慎一アナの殿堂入り(5連覇)を阻止しての栄冠だ。そこには、藤井アナの才能はもちろんだが、日テレの引き留め策が貢献……

カムイ伝の「白土三平さん」 納得できなければ描かない、自分にも厳しい人だった【2021年墓碑銘】

カティ・マートン(倉田幸信・森嶋マリ訳)『メルケル 世界一の宰相』(文藝春秋、2021)

 16年の長きにわたりドイツ首相を務めたアンゲラ・メルケルが、この12月、ついに政界を引退した。そのタイミングで刊行された、今読むべき力作。著者カティ・マートンは、ハンガリーで生まれ育ったアメリカのジャーナリストで、夫は元駐ドイツ大使。東ドイツに育ったメルケル同様、ソ連の衛星国家(それは密告システムの網……