最高級のお香「龍涎香」はマッコウクジラのうんち? いい匂いがする理由とは

マッコウクジラから作り出される「アンバーグリス」とは?
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アンバーグリス(Ambergris)という物質をご存知でしょうか?

これは”灰色の琥珀”を意味する古フランス語のambre gris(アンブル・グリ)に由来し、日本では龍涎香(りゅうぜんこう)の名で知られています。

龍涎香と聞いて分かるように、アンバーグリスは独特の芳香性を持つ、世界で最もエキゾチックかつ高価な香料の一つです。

香水の原料や香りを持続させる保留剤として利用され、その価値は金と同等。クオリティの高い場合には、数百万〜数千万の高額で取引されるという。

一方、アンバーグリスは、英語圏で「Whale Vomit(クジラの嘔吐物)」と呼ばれています。

そう、アンバーグリスを作り出すのはクジラなのです。

しかし、クジラの嘔吐物が、よい香りを放つとはにわかに信じがたいこと。

そこで、クジラの嘔吐物がなぜ心地よい香りを放つのか、そして、なぜこれほど高価なのかについて説明していきます。

 

目次 アンバーグリスはどうやって作られるのかどんな「香り」を放つ? アンバーグリスはどうやって作られるのか アンバーグリスは、英名で「クジラの嘔吐物…

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参考文献

Why Is Whale Vomit Used In Perfumes?
https://www.scienceabc.com/nature/animals/why-is-whale-vomit-used-in-perfumes.html

2700年前の「うんち」にブルーチーズに必要な菌類が発見される

先史時代のオーストリアではすでにブルーチーズが作られていた?
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人間の排泄物は、通常、何千年にもわたって残ることはありません。

しかし、オーストリアのザルツカンマーグート地方にある遺跡には、例外的に古代人の「うんち」が見つかっています。

イタリア・オーストリアの共同研究チームはこのほど、そこで採取された約2700年前の排泄物を調べた結果、ブルーチーズとビールの生産に必要な2種の菌類が発見されたと発表しました。

これは先史時代のヨーロッパ人がブルーチーズを作っていたことを示唆する初の証拠です。

研究は、10月13日付けで学術誌『Current Biology』に掲載されています。

目次 2700年前にはすでに「ブルーチーズ」が作られていた? 2700年前にはすでに「ブルーチーズ」が作られていた? 今回調査された遺跡は、ユネスコ…

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参考文献

Ancient poop shows people in present-day Austria drank beer and ate blue cheese up to 2,700 years ago
https://phys.org/news/2021-10-ancient-poop-people-present-day-austria.html
Poop found in ancient Austrian mine shows humans consumed beer and blue cheese 2,700 years ago
https://www.zmescience.com/science/ancient-poop-blue-cheese-austria/

元論文

Hallstatt miners consumed blue cheese and beer during the Iron Age and retained a non-Westernized gut microbiome until the Baroque period
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(21)01271-9