世界人口の増加に伴い、地上の交通インフラ整備はますます困難になっています。
こうした問題に対処するため、アメリカ・ワシントンを拠点とする航空宇宙企業「ZEVA」は、新たな移動手段を生み出そうと考えています。
個人用の円盤型eVTOL(電動垂直離着陸機)「ZERO」を開発しているのです。
まるでUFOみたいなZEROは、現在実物サイズのプロトタイプで飛行試験を行っています。
目次
- UFOみたいなeVTOL「ZERO」
- ZEROは環境にやさしい「ゼロ・エミッション」を採用
UFOみたいなeVTOL「ZERO」
開発中のeVTOL「ZERO」は、円盤型の機体に4つのローターを追加したような見た目をしています。
UFOや潜水艦のように見えますね。
ZEVA社によると、ZEROは個人用の短距離航空機として設計されました。
単に空を飛べるだけでなく、滑走路を必要としません。
わずかなスペースがあれば、離着陸が可能なのです。
そのため遠い目的地までの移動経路をシンプルにできるでしょう。
ZEROがあれば、タクシーと飛行機の乗り継ぎなど必要なくなるのです。
さて、UFOみたいなZEROはどのように飛行するのでしょうか?
まず離着陸時には、ZEROが地面に対して垂直になります。
ローターの回転によって他のVTOLと同じように垂直方向に離着陸するのです。
そして空中では地面に対して水平になり、直径2.4mの円盤型機体を翼のようにして前進飛行します。
UFOは私たちの想像ではジグザグに飛びますが、ZEROはまっすぐに飛んでいくようです。
ちなみにパイロットは円盤に覆いかぶさるように搭乗します。
ですから機体と同じく、飛行時と離着陸時では体勢が90°変化することになるでしょう。
パイロットの負担については明言されていませんが、なかなか大変そうですね。
続く部分では、ZEROの能力を解説します。
ZEROは環境にやさしい「ゼロ・エミッション」を採用
ZEROは、廃棄物を限りなくゼロにする「ゼロ・エミッション」を目標に、電気で駆動するよう設計されています。
それでも260km/hの速度で飛行できます。
ZERA社によると、「半径80km内であればどこでも最速で移動できる」と言われています。
しかも現在、開発チームは、パイロット免許を持たない人でも安全に飛行できるよう、「完全自律化」にも取り組んでいるとのこと。
またZEROの独特なフォルムがエネルギー効率を高めています。
従来のレーシングカーのようなVTOLが前進飛行すると、前方から吹いてくる風によって下向きの力が加わります。
どうしても飛行効率が悪くなってしまうのです。
対してZEROのような設計にすると、前進飛行によって下から風の力が加わります。
これにより機体は揚力を得て、効率的な飛行が可能になるというのです。
さて現在、ZEROの開発は実物大プロトタイプの飛行テストに移行しています。
動画では離陸に成功している様子が映し出されています。
もしかしたら遠い将来、多くの人が「個人UFO」を所持する日が来るのかもしれませんね。
参考文献
ZEVA ZERO is a personal disc-shaped eVTOL that speeds at 160 mph through the air
ZEVA ZERO is a personal disc-shaped eVTOL that speeds at 160 mph through the air