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<220以上の医学雑誌は、地球温暖化防止に向けた緊急対策を講じるよう、各国政府や国際機関に求める提言を連名で発表した> 地球温暖化は私たちの健康にも深刻な影響を及ぼしつつある。2021年9月の国連総会や同年11月に英グラスゴーで開催される第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に先立ち、「ランセット」、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」を含む220以上の医学雑誌は、地球温暖化防止に向けた緊急対策を講じるよう、各国政府や国際機関に求める提言を連名で発表した。 高温により、腎臓の機能障害、皮膚悪性腫瘍、熱帯感染症、アレルギーなどが増加 9月6日に「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で公開されたこの提言は、「地球の気温上昇や自然環境の破壊によって人々の健康はすでに害されている」と警鐘を鳴らす。 65歳以上の熱関連死亡はこの20年で50%以上増加。高温により、脱水症状、腎臓の機能障害、皮膚悪性腫瘍、熱帯感染症、アレルギーなどが増加し、心臓血管および肺の罹患率や死亡率が高まっている。 地球温暖化は、異常気象や土壌の劣化による影響と相まって、農業生産にも影響を及ぼしている。主要作物の収量は1981年以降1.8〜5.6%減少。栄養不良の撲滅への取り組みを妨げ、少数民族や貧しい地域など、社会的弱者に特に深刻な影響をもたらしている。 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、現状のままでは、地球の気温が2030年頃に産業革命前比1.5度上昇するおそれがあるという。 地球温暖化防止にもコロナ対策同様の緊急対応が必要だ 今回の提言では「地球の気温が産業革命前比1.5度以上上昇し、生物多様性が減少し続ければ、人々の健康に壊滅的な危害を及ぼすおそれがあり、これを回復することは不可能になってしまう」と懸念を示した。 また、「新型コロナウイルス感染症への対策に世界全体で集中することは必要だが、温室効果ガス排出量の削減のためにコロナ禍が収束するのを待つことはできない」と主張。「多くの政府がコロナ対策に前例のない規模で財政支出を行っているが、地球温暖化防止にも同様の緊急対応が必要だ」と説いている。