スクウェア・エニックスは,2022年5月24日にリリース予定のオープンワールドアクションRPG「FORSPOKEN」(PC/PS5)のメディア向けプレビューをオンラインで開催した。このプレビューでは,本作の主人公の人物像と,ゲームプレイの主だった要素が紹介された。
主人公・フレイの人物像
プレビューでは,「FORSPOKEN」の主人公であるフレイ・ホーランドの人物像が,リードライターを務めたアリソン・ライマー氏とトッド・スタッシュウィック氏によって紹介された。彼女の人物像については,かなり時間を割いての説明があり,その気合の入りようが伝わるものとなっていた。
フレイはニューヨーク在住の20歳の女性で,ゲーム冒頭では刑務所送りになる寸前の状況に立たされているという。彼女は猫のホーマーとわずかばかりの貯金ともにニューヨークを離れようと試みているが,多くの障害が立ち塞がりなかなかうまくいっていない。
フレイは孤児として育ち,優しくしてくれる人にもめぐり会わなかったため,誰も頼りにできず,周囲との間に壁を作って自分自身を守るしかなかった。具体的には,彼女はさまざまな状況に対処するため,ある種の防衛機能としてユーモアを使ってきたという。
そんな人生だったからこそ,フレイは肝の据わった気概溢れる人物となったとのこと。その半面,ゲーム中では彼女の内に潜む恐れの部分,すなわち脆く弱い面を見せるシーンもあるそうで,いわゆるスーパーヒーロー的な存在ではないと両氏は語った。
そんなフレイは,異世界であるアーシアへと迷い込んでしまう。見知らぬ地でフレイは,モンスターのみならず,この地を統治する「タンタ」,そして彼女の持つ力を怖れる人間達を敵に回すことになるようだ。
ライマー氏は,「FORSPOKEN」のプロジェクトについて「格好いい女性を題材にしたゲームを掘り下げて,女性のさまざまな側面を披露できてよかった」と語った。またスタッシュウィック氏は,「長く本作に携わってきたので,愛着がある。関わった全員が注いできた努力を考えると,やっと世に出せるところまで来たことにとてもワクワクしている」と話していた。
また「FORSPOKEN」のパフォーマンスディレクター兼ボイスディレクターを務めたトム・キーガン氏は,フレイを演じるエラ・バリンスカさんとのエピソードを披露した。キーガン氏は本作を「本質的に仲間や家族に関する物語」と捉え,バリンスカさんとの初回の打ち合わせではお互いの家族について話し合ったとのこと。そのやり取りの中で,アーシアにおけるフレイの旅路のテーマとは,まさに「どのようなときに仲間や家族がそばにいてくれたのか」であると考えたという。
上記のとおり厳しい環境の中で育ち,憤りを感じていたフレイは,アーシアという異世界の文化と突然衝突し,「私は誰?」というアイデンティティの問題に直面することとなる。キーガン氏は,そこが本作の面白さの核となっていると語った。
また,バリンスカさんが演じたからこそのフレイの魅力も紹介された。見どころとして挙げられたのは,歯に衣着せぬ発言をする“物言う腕輪”の「カフ」とフレイの掛け合いで,コメディセンスに優れたバリンスカさんならではの仕上がりになっているという。
キーガン氏によるとパフォーマンスキャプチャーは,身体能力による表現手段というだけでなく,声による表現手段でもあるとのこと。そのため,登場するすべてのキャラクターに独自の声を見出すことが重要だったという。「FORSPOKEN」のプロジェクトでは,バリンスカさんらアクターが,自分自身の持つ何かを演じるキャラクターに込める環境を実現できたので,どんな仕上がりになっているか楽しみだと,キーガン氏は話していた。
ゲームプレイの主立った要素
「FORSPOKEN」におけるゲームプレイの主立った要素は,開発中のプレイ動画を交えて紹介された。
最初に紹介されたのは,ゲームの舞台となるアーシアだ。この世界は「ブレイク」と呼ばれる瘴気に蝕まれているのだが,標高の高いところにある町・シパールはその被害を免れており,“人類最後の砦”とされている。とはいえブレイクの侵食は日々進行しており,シパールの住民は戦々恐々としている。
シパールは,かつてアーシアの導者達の会合などに使われていた,人口数百人規模の小さな町だった。しかしブレイクの拡大により多くの避難民が集まったため,現在は人口過多となっている。
フレイはシパールでさまざまな人達と出会い,世界を理解して戦うべき相手を知ることになる。
アーシアの郊外では,ブレイクに侵食された世界を見渡すことができる。ブレイクは触れた生物を死に至らしめるか,もしくは異形の魔物に変えてしまうのだが,なぜかフレイは影響を受けない。したがって,ブレイクに侵食された世界を冒険し,何が待ち受けているのかを知ることができるのはフレイだけである。
ブレイクに侵食された世界には,かつて生物だった魔物が跋扈しており,脅威としてフレイに襲いかかってくる。
本作の大きな特徴となるのが,魔法を使ったバトルだ。プレイヤーは設置型,射出型,近接型,範囲制圧型など,さまざまな種類かつ多彩な魔法を自由に組み合わせて戦っていく。それらの魔法はリングメニューで切り替え可能となっており,プレイヤーのスタイルや好みに応じた戦い方を可能にする。
また敵の集団は,近接攻撃主体,遠距離攻撃主体などさまざまなスタイルのモンスターがいるので,適切な間合いを取ることが必要になるという。
世界の至るところには,探索の拠点となる「セーフハウス」が存在する。ここでは収集した素材を使ったクラフトや装備の強化,休憩ができる。
また探索で得たマナを消費して,新しい魔法を習得することも可能だ。動画では,射出した先で爆裂し,敵を巻き込む魔法「爆裂の魔弾 Lv3」を習得する様子が紹介された。
もちろん装備変更も可能で,探索で得たマントとネックレスを装着することでフレイの能力を向上させられる。加えて「ブレイク結晶」を使ったネイルアートを施すことにより,魔法を強化することもできる。
フレイは,「魔法パルクール」によりアーシア中を駆け巡ることになるのだが,その操作感は快適で爽快とのこと。
魔法パルクールは前方へのスピーディな移動に加え,縦方向にも横方向にも自在に移動できる。さらにワイヤーアクションや,重力コントロールによる落下スピード軽減など,さまざまなスキルを組み合わせられるという。
もちろん, 魔法パルクールはバトル中にも活躍し,敵との間合いを取るのにも役立つ。
フィールド上にはさまざまなクエストが用意され,フレイの探索を充実させるとともに,本作の世界観に対するプレイヤーの理解を深める一助となるという。
また探索中,「ブレイクストーム」という現象に遭遇することもある。この現象は,周囲の様子が幻想的に変化するとともに,見慣れぬ強力なモンスターが登場するというもの。動画では,それまでに登場したモンスターとは一線を画す大きなサイズのボスらしき影も確認できた。
プレビューの最後には,本作のディレクターを務めるLuminous Productions スタジオヘッド 荒牧岳志氏が,今回紹介したのはフレイの冒険のほんの一部に過ぎないとコメント。今後は,高速魔法パルクールやフレイが駆使する数々の魔法など,さらなる情報を公開していくとして,プレビューを締めくくった。
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