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ごろ寝しながらのリモートプレイで積みゲー解消!

 子供の頃はあんなにも情熱的にゲームを楽しんでいたのに、今ではすっかり遊ぶ時間が減り、クリアできず放置したままのゲームが積み上がっていくばかり。その一番の理由は、私生活で時間を作れなくなっていることかもしれない。仕事をほっぽり出してのんきにゲームしているほど、時間にも心にも余裕がないのだ。

 でもって、昔は大好きだったRPGをプレイしていても、どうせ人が作ったストーリーとコンピューターの乱数の結果だしな、とか、身もふたもないことを考えてしまったりする。純粋にゲームを楽しめなくなっているのは良くない。本当に良くない。

 ただ、そうは言っても、せっかくお金を出して買ったゲーム、できるなら遊びたい。夜寝る前のちょっとした時間くらいは空けられるので、そこでなんとかできないものだろうか。朝から夜までずっと仕事でモニターとにらめっこしているだけに、ゲームのためにまたモニターに向かうような気力は湧かないが、スマートフォンの画面なら許容範囲内だし。

 そこで試してみたのが、リモートプレイ。PlayStation 4/5なら「PS Remote Play」、PCゲームプラットフォームのSteamなら「Steam Link」と、いくつかのサービスが用意されている。これらは自宅にあるPlayStationやパソコン上でゲームを動かし、その画面をネットワーク経由で受信して、スマートフォンなどの端末側でプレーできるようにする仕組みだ。かつてPS Remote PlayはXperiaシリーズの専売特許だったが、しばらく前から筆者のarrows 5G F-51Aを含む多くのスマートフォン/タブレットに対応範囲を広げた。

PS Remote Playの画面

Ghost of Tsushimaなども滑らか、高画質の画面でプレーできる

Steam Linkの画面

 もう1つ、「GeForce Now」というクラウド型のサービスもある。先ほどのリモートプレイと基本的な仕組みは同じだが、自宅にあるゲーム機などではなく、インターネット上のサーバーで実行されているゲームの画面を受信する、という点で異なる。こちらは月額1980円(税込)のサブスク型サービスとして1000タイトル以上のPCゲームに対応。一部のタイトルは月額料金の範囲内で、他は別途購入することでプレーできるようになっている。

GeForce Nowの画面

 これらのリモートプレイなら、スマートフォンさえあれば布団でごろ寝しながら遊ぶこともできる。でもって実際に遊んだ。すごくいい。画面に仮想キーパッドを表示してタッチ操作することもできるが、やはりPlayStation用やパソコン用のワイヤレスコントローラーを使った方が格段に楽しめる。画面が小さいので細かい文字を読まなければいけないゲームは厳しかったりするし、臨場感が薄い、という問題はあるけれど……。

布団で寝ながらゲーム。サイコーである

 そんなわけでリモートプレイをしばらく試してみたところ、他にもいくつかメリットやデメリットが見えてきた。まずPS Remote PlayとSteam Linkの場合、すでに所有している自分のゲームを遊ぶことになり、専用アプリ自体も無料なので、追加の料金がかからないのはメリットではある。

 ただ宅内LAN経由で画面を受信するとはいえ、少なくともスマートフォン側は基本的にWi-Fi接続になるから、Wi-Fiの電波状況がゲーム体験にかなりシビアに影響してくる。Wi-Fiのリンク速度によっては突然画面が真っ暗になったり、コマ送りになったりしてしまうことも。可能ならWi-Fi 6化して、寝室のできるだけ近い場所にWi-Fiルーターを置きたい。

 またSteam Linkでは、パソコン自体のパフォーマンスもゲームプレイの快適さに直結する。そんなのは当然だろう、と思われるかもしれないが、パソコン単体でプレイする分には快適でも、スマートフォン側ではラグが発生して楽しめないことがあるのだ。

 たとえば「Microsoft Flight Simulator」のような特に負荷の大きいゲームタイトルだと、ゲーム自体を動かすのに精一杯になり、画面の送信処理がおろそかになってしまうようだ。可能な限りパソコンの性能を上げつつ、ゲームのグラフィック設定で画質を落とすことも考えたい。スマートフォンの画面は小さいので、低画質でも劣化はそこまで目立ないはずなので。

Steam LinkではSteam以外のゲームも(PC側でタスク切り替えすれば)リモートプレイできる。Microsoft Storeで購入した「Microsoft Flight Simulator」も遊べる。ただ、かなりのハイスペックPCでないとリモートプレイは厳しい

 一方、GeForce Nowは月額料金がかかってしまうものの、プレー体験としては期待していた以上に満足度が高かった。アクションゲームであっても不都合に感じるほどの遅延はなく、ハイスペックなゲーミングPCが必要になりそうな高画質設定でも描画は滑らか。相応のスペックのパソコンを購入することなくサクサク遊べることを考えれば、1980円の月額料金を支払う価値は間違いなくある。

GeForce Nowで実行した「アサシン クリード ヴァルハラ」のベンチマーク結果。フルHD、最高画質で平均60fpsと上々

 さらに予想外だったのは、各種ゲームプラットフォームの既存アカウントと連携できること。Steam、Ubisoft、Origin(EA)、Epic Gamesといったメジャーどころのアカウントと連携でき、そこで購入済みのゲームがGeForce Now対応タイトルであれば、追加料金なしで遊べるのだ。セーブデータを各プラットフォームのクラウド側で保存する設定にしているなら、続きから遊ぶこともできる。

アカウント連携(または単純にログイン)することで、各ゲームプラットフォームで購入したゲームは追加料金なしで遊べる

 1つ難点を挙げるとすれば、GeForce Now非対応のゲームが少なくないことだろうか。手持ちのゲームがすべて対応していれば完璧だったのだが、筆者の場合、「ライザのアトリエ」「Microsoft Flight Simulator」「Forza Horizon 5」あたりが対応しておらず、惜しいなあ、という感じ。なので、ローカル(PS Remote Play、Steam Link)とクラウド(GeForce Now)のハイブリッドで積みゲー解消を目指してみようかな、と思っているところだ。

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