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<ドラァグクイーンが子供たちに絵本の読み聞かせをするイベントに、暴力的な脅迫が殺到。安全上の懸念から中止に> 米ネブラスカ州リンカーン市にある子供博物館は7月26日、予定されていた「ドラァグクイーン・ストーリー・アワー」を中止すると発表した。これはドラァグクイーンが、子供たちに絵本の読み聞かせをするイベントだが、中止の理由は「暴力的な脅迫が殺到したこと」だった。 子供博物館のインスタグラム投稿によれば、このイベントは数週間前から予定されていたもので、7月31日(土)の閉館後に参加希望者だけに向けたイベントとして行われる予定だった。つまり、博物館の公式なプログラムではなかった。 「リンカーン子供博物館と、イベント主催者のアウト・ネブラスカ(OutNebraska)にはこの数日間、暴力を示唆する脅迫が殺到しており、そのなかには殺害の脅迫も数多く含まれている」とインスタグラム投稿には書かれている。 地元のLGBTQ+擁護団体であるアウト・ネブラスカはイベント主催者の一つだが、こちらにも多くの脅迫が来ているという。子供博物館はイベント中止の理由として、リンカーンのコミュニティーに属する人々によって「もたらされた安全上の懸念が増大したこと」を挙げた。 子供博物館は、「このイベントを中止し、子供たちが私たちの施設で、遊びの力を通じて創造、発見、学習できないことをとても残念に思っています」と続けている。「しかし、すべての来場者やスタッフ、展示、建物の安全は、今もこれからも、私たちの優先事項です」 過去にも反発や脅迫を受けてきた アウト・ネブラスカのエグゼクティブディレクターであるアビ・スワッツワースは本誌に対し、同団体の「ドラァグクイーン・ストーリー・アワー」は4年前に始まったものだが、こうした反発を受けるのはこれが初めてではないと説明した。 ただし、「これまでも、憎悪に満ちたコメントや、遠回しな脅迫を受けたことはあったが、これほどのレベルの脅迫は予想していなかった」という。 ドラァグクイーン・ストーリー・アワーについてスワッツワースは、「LGBTQ+の家族が一緒に博物館を楽しみ、多様性の受け入れや共感、優しさについての物語を聞くための貸し切りイベントだった」と述べている。だが、フェイスブックのコメントやメッセージ、さらにボイスメールで多くの脅迫が寄せられたという。 リンカーンのレイリオン・ゲイラー・ベアード市長はツイッターで、「人々の生命を政治的に利用することは決して許されない」というコメントを発表した。「リンカーン警察はすべての脅迫について捜査している。そして、LGBTQの友人、隣人へ。あなたがたは#LNK(リンカーン)で愛され、歓迎されていることを知ってほしい」 ===== 地元紙の「オマハ・ワールド・ヘラルド」によれば、リンカーン警察のルーク・ボンケビッチは、最初に脅迫の報告を受けたのは25日で、現在はすべての脅迫について捜査を進めていると語っている。 ボンケビッチによれば、リンカーン警察が子供博物館に対してイベントの中止を指示した事実はないが、子供連れの家族が多いイベント参加予定者の安全と健康に関する懸念は持っていたという。 アウト・ネブラスカは、フェイスブックでのイベント中止の発表で、「子供たちのいる家族をヘイトが脅かすのはとても悲しい」とした。「安全であるという確信を持つことができなかったため、今週末のイベントを取りやめ、別の機会に開催することに決めた。その際には、一般の参加希望者は募集しない予定だ」 「リンカーン子供博物館と協力し、完全なプライベート・イベントとしてスケジュールを再調整したい」 (翻訳:ガリレオ) ===== <子供に本好きになってもらうとともに、自らを愛することや他者を理解することなどを教える機会としてアメリカ各地で行われているドラァグクイーン・ストーリー・アワーの実際の様子> <この活動への反対運動はこれまでにも見られてきた>