独マックス・プランク電波天文学研究所が率いる国際研究チームが、16年にわたる二重パルサー連星の観測により、1915年にアインシュタインが発表した一般相対性理論が今でも成立することを示したと発表した。この研究は、2021年 […]
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独マックス・プランク電波天文学研究所が率いる国際研究チームが、16年にわたる二重パルサー連星の観測により、1915年にアインシュタインが発表した一般相対性理論が今でも成立することを示したと発表した。この研究は、2021年 […]
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ニュートン以来、長きに渡って物理学が描いてきたのは、因果律に支配された決定論的な宇宙でした。
「現在が正確にわかっていれば、未来を予測できる」という、いわゆるラプラスの悪魔は、こうした古典物理学の常識を究極的に突き詰めていった場合に導かれる結論です。
しかしそれでは、波と粒子という異なる性質を同時に持った光や電子の振る舞いを説明することができません。
そこでボーアはこれまでの物理学の常識を覆し「物事の状態は観測によってはじめて決定される」、つまり「観測するまで物事の状態は決まっていない」というコペンハーゲン解釈を発表するのです。
「未来は決まっていない。あるのは可能性だけだ」というのは、少年漫画のオチみたいで素敵ですが、決定論と因果律を尊ぶ物理学者たちには受け入れがたいものでした。
特にアインシュタインは確率などに頼らず、明確に電子の状態を決定できる隠されたパラメータが存在するはずだと考えました。
例えばAとBの2つの箱があり、片方にだけボールが入っているとします。このときAの箱の中は、蓋を開けようと開けまいと、ボールが「ある」か「ない」かの2つに1つです。
それに対して明言を避けて「Aの中にボールがある確率は50%だ」と言われたら、単にわかんないから確率で誤魔化してるだけじゃないかと言いたくなりますよね。
アインシュタインが指摘したいのはそういうことでした。
彼にとって確率に頼るというのは、わからないから白旗をあげていることに等しかったのです。
そのためアインシュタインは、量子力学が不完全な理論であることを証明しようと、次から次へ思考実験を考案してボーアに戦いを挑みました。
現在私たちがよく知る量子力学の解説の多くは、実はアインシュタインたちが量子力学を否定するために生みだした思考実験が元ネタです。
ここからは、馴染みのある量子力学の話しが数多く登場します。
目次 アインシュタインは量子力学の何が気に入らなかったのか?コペンハーゲン解釈を否定するために生まれた「シュレーディンガーの猫」哲学の決着 ベルの定…
参考文献
量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 (新潮文庫)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102200819/nazology-22/ref=nosim/
量子力学が難解な学問という認識は、誰もが抱いているでしょう。
では、なぜ量子力学は難しいのでしょう?
その理由は、量子力学が本来は頭の中でイメージできるような概念を持っていないためです。
とはいえ、量子力学に関するさまざまな図解やたとえ話は、誰でも一度は目にしたことがあると思います。
しかし、実のところ、それらはすべて厳密には正しくないのです。
物理学とは、ニュートンからはじまり、目に見える現象の数々を説明する学問として発展してきました。
ところが、あるときこの理論が崩れ去り、既存の理論では一切説明のつかない事実が次々と発見されたのです。
それはたとえば、光が波として性質と、粒子としての性質どちらでも成立してしまう、というような問題です。
これは頭でイメージしようとしても(あるいは図に描こうとしても)、思い描くことが不可能です。
そのため、物理学者たちはこのイメージできない新しい理論を「量子力学」と呼び、これまでの物理学(古典力学)と切り離しました。
しかし、物理学者も私たちも(数学者を除き)、何が起きているのかイメージできない問題を考えることは非常に不得意で、あまり好きではありません。
そこで、物理学者たちは、馴染み深い古典力学の概念を使って、なんとか量子力学の現象を可視化しようと試みました。
これが私たちのよく知る、量子力学の図説になったのです。
つまり私たちが知っている量子力学に関する説明は、すべて、本来はまったく異なる概念である、古典力学によって無理やり描き出したイメージなのです。
そのため、同じ量子力学の問題でも、解説してる本やサイト、人物によって、全然説明の仕方や解釈が異なってしまう場合もあります。
物理学者たちは、こうした問題をきちんと自覚した上で、うまく利用していますが、私たちはこの事実を理解していないため、頭がこんがらがってしまうのです。
これからはじめる量子力学のお話しも、できる限り視覚的なイメージを交えて解説していきますが、それはあくまで古典力学に置き換えた場合のイメージであって、正しい姿ではないのだということに注意してください。
量子力学はすべて、本来はイメージすることが不可能な問題であることを念頭におきながら見ていけば、多少は量子力学の理不尽な説明にも納得できるかもしれません。
目次 量子の発見波? 粒子? 浮上した2重性の問題物理学を揺るがしたもう一つの問題 「原子の中身」コペンハーゲン学派の開祖 ニールス・ボーアの登場 …
参考文献
量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 (新潮文庫)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102200819/nazology-22/ref=nosim/
私たちは、光を使って世界を見ています。
そのため、人間が光の速度に近づいて動いた場合、世界の見え方にはいろいろと奇妙なことが起こります。
光のドップラー効果で色彩が変化したり、空間や時間が歪んで見えるようになるのです。
ただ光は宇宙でもっとも速い存在のため、人間がそれを知覚できる状況は普通ありえません。
そこで、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)の研究チームは、こうした物理学者の思考実験の世界を実際体験するために、光の速度が低下する世界を表現したゲームを開発しました。
光の速度が低下していったとき、世界は一体どのように見えるのでしょうか?
目次 人間が光速に近づくと何が起きるのか?光の速度を遅くする 人間が光速に近づくと何が起きるのか? 光は真空中を毎秒約30万キロメートルで移動します…
参考文献
A Slower Speed of Light
http://gamelab.mit.edu/games/a-slower-speed-of-light/
What would happen if the speed of light was much lower?
https://www.livescience.com/what-if-speed-of-light-slowed-down