タイトルから「マウス」を抜く科学ニュースは人気になると判明!

タイトルから「マウス」を抜く科学ニュースは人気になると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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タイトルから「マウス」を省くと人気が出るようです。

米国のヒューメインソサエティインターナショナル(HSI)で行われた研究によれば、研究者が論文のタイトルから「マウス」の単語を削除した場合、その論文がニュースメディアに報道される確率が31%増加し、ツイートとリツイートも2倍に増えることが確認された、とのこと。

マウスをタイトルから削除することで、論文の研究結果が人間にすぐに当てはまると錯覚されやすくなることが、人気がでる原因だとか。

マウスを愛するナゾロジー的には「なんてもったいないことをしているんだろう」と思わざるをえません。

研究内容の詳細は『PLOS BIOLOGY』にて公開されています。

目次 タイトルから「マウス」を抜く科学ニュースは人気になると判明!科学ニュースはタイトルしか読まれない少しでも興味を持ってもらえるようにナゾロジーは…

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参考文献

Mice-based studies that omit “mice” from title get 31% more media coverage
https://www.psychnewsdaily.com/mice-based-alzheimers-studies-that-omit-mice-from-title-get-31-more-media-coverage/

元論文

What’s not in the news headlines or titles of Alzheimer disease articles? #InMice
https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3001260

「バイアグラ」がアルツハイマー病発症リスクを70%低下させる可能性がある

大規模研究の結果、ED治療薬バイアグラはアルツハイマー病リスクの低下と関連していることが示された
Credit:canva

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バイアグラといえば、広く知られているED(勃起不全)治療薬です。

そのバイアグラが、EDとはまるで無関係の意外な症状に効果を発揮する可能性が明らかとなりました。

米国クリーブランドクリニック(Cleveland Clinic)の研究者が主導した新たな研究は、バイアグラの有効成分シルデナフィルを服用した場合、非使用者と比較してアルツハイマー病の発症リスクが約70%低下していると報告。

これは720万人を超える大規模研究から示されたもので、シルデナフィルがアルツハイマー病(AD)の予防と治療に役立つ有望な薬剤候補である可能性を示すものです。

研究の詳細は、12月6日付で、科学雑誌『Nature Aging』に掲載されています。

目次 バイアグラの意外な効能予防法が見つからないアルツハイマー病 バイアグラの意外な効能 アルツハイマー病とバイアグラというのは、一般的な認識ではま…

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参考文献

Harnessing Endophenotypes for Alzheimer’s Disease Drug Repurposing
https://www.lerner.ccf.org/news/details/?Harnessing+Endophenotypes+for+Alzheimer%E2%80%99s+Disease+Drug+Repurposing&76a77dde946648f22990f170b9414613b9b8c440&48b73ec132819095396f4eb49f0c61ddc71c2b58

元論文

Endophenotype-based in silico network medicine discovery combined with insurance record data mining identifies sildenafil as a candidate drug for Alzheimer’s disease
https://www.nature.com/articles/s43587-021-00138-z

ボクサーやアメフト選手はアルツハイマー病のリスクが3倍高い 米研究

ボクシングやアメフトをするとアルツハイマー病のリスクが高くなる
Credit:Depositphotos

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ボクシングやアメフトなどの、競技者同士が力いっぱいぶつかり合うフルコンタクトスポーツでは、毎回脳に強い衝撃が加わります。

新しい研究では、アメリカ・ボストン大学(Boston University)アルツハイマー病研究センターに所属するマイケル・アロスコ氏ら研究チームが、脳をMRIで見えたときの白い斑点が、アルツハイマー病に関連していると発表しました。

特にフルコンタクトスポーツの選手はこの傾向が大きく、アルツハイマー病のリスクは3倍だと判明したそう。

研究の詳細は、11月24日付の科学誌『Neurology』に掲載されています。

目次 加齢によって進行する「大脳白質病変」ボクサーやアメフト選手は大脳白質病変が進行しやすく、アルツハイマー病のリスクも高い 加齢によって進行する「…

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参考文献

Brain Lesions on MRI Linked to Years of Playing Football
https://www.bumc.bu.edu/busm/2021/11/26/brain-lesions-on-mri-linked-to-years-of-playing-football/
Men who were in boxing clubs as youngsters may be THREE times as likely to develop Alzheimer’s disease, study warns
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10246103/Health-Men-boxed-youngsters-THREE-times-likely-develop-Alzheimers.html?ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490&ito=1490

元論文

Association Between Antemortem FLAIR White Matter Hyperintensities and Neuropathology in Brain Donors Exposed to Repetitive Head Impacts
https://n.neurology.org/content/early/2021/11/23/WNL.0000000000013012

イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見! アルツハイマーを封じ込めることに成功

イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見! アルツハイマーを封じ込めることに成功
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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イキイキ生活をボケ防止に変換してくれる遺伝子があるようです。

米国MIT(マサチューセッツ工科大学)で行われた研究によれば、刺激が多い環境に反応して、認知機能を維持する遺伝子「MEF2」が発見された、とのこと。

教育レベルが高かったり生きがいを得て刺激的な日々を送っている人間、そしてオモチャの多い環境で育ったマウスは「MEF2」が活性化されており、認知症の発生率が大きく下がっていたのです。

研究内容の詳細は11月3日に『Science TranslationalMedicine』で公開されています。

目次 イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見!イキイキマウスはアルツハイマー病になっても症状が抑えられるボケ防止遺伝子を破壊されたマウスに…

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参考文献

Study links gene to cognitive resilience in the elderly
https://news.mit.edu/2021/gene-cognitive-resilience-elderly-1103

元論文

MEF2 is a key regulator of cognitive potential and confers resilience to neurodegeneration
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abd7695

ロボットペットに「認知症高齢者の行動を改善する作用」があった

ロボットネコと接する認知症患者
Credit:Bryanna Streit LaRose(FAU)_CAT’S MEOW: ROBOTIC PET BOOSTS MOOD, COGNITION IN ADULTS WITH DEMENTIA(2021)

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認知症を患っている高齢者はますます増えています。

しかし根本的な治療法はなく、家族や施設の従業員は、日々進行していく症状になんとか対処していくしかありません。

そんな認知症患者の家族に朗報です。

アメリカのフロリダ・アトランティック大学(FAU)に所属する看護学生ブライアナ・シュタイト・ラローズ氏ら研究チームが、認知症患者の症状をロボットペットが緩和してくれると発表したのです。

研究の詳細は、10月13日付の学術誌『Issues in Mental Health Nursing』に掲載されました。

目次 認知症患者と家族の苦悩ロボットペットは認知症患者の気分と行動を改善させる 認知症患者と家族の苦悩 アルツハイマー型認知症は、脳神経の変性によっ…

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参考文献

Robotic Pet Boosts Mood, Behavior and Cognition in Adults With Dementia
https://neurosciencenews.com/robotic-pet-dementia-19555/
CAT’S MEOW: ROBOTIC PET BOOSTS MOOD, COGNITION IN ADULTS WITH DEMENTIA
https://www.fau.edu/newsdesk/articles/robotic-pet-cat-dementia.php

元論文

Improving Behavioral and Psychological Symptoms and Cognitive Status of Participants With Dementia Through the Use of Therapeutic Interactive Pets
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/01612840.2021.1979142