自動運転を応用した視覚障がい者用「ハイテク白杖」が開発される

自動運転技術を応用した視覚障がい者用の「拡張杖」
Credit:Andrew Brodhead(Stanford University)_Stanford Researchers Build $400 Self-Navigating Smart Cane(2021)

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視覚障がい者は白杖(はくじょう)と呼ばれる杖を使って、周囲の安全を確認しながら歩行します。

そして近年、白杖に電子的な機能を追加したスマート杖に注目が集まっています。

そんな中、アメリカ・スタンフォード大学(Stanford University)機械工学科に所属するパトリック・スレイド氏ら研究チームは、自動運転の技術を応用した新しいスマート杖を開発しました。

この杖は周囲の状況を判断し、使用者を安全な歩行ルートへ導いてくれます。

研究の詳細は、10月13日付の科学誌『Science Robotics』に掲載されました。

目次 視覚障がい者に情報を与えるハイテクな白杖拡張杖の自動運転システムが最善のルートに導いてくれる 視覚障がい者に情報を与えるハイテクな白杖 白杖は…

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参考文献

This $400 Cane Uses Autonomous Vehicle Tech to Help Guide The Visually Impaired
https://www.sciencealert.com/this-400-cane-uses-autonomous-vehicle-tech-to-help-guide-the-visually-impaired
Stanford Researchers Build $400 Self-Navigating Smart Cane
https://hai.stanford.edu/news/stanford-researchers-build-400-self-navigating-smart-cane

元論文

Multimodal sensing and intuitive steering assistance improve navigation and mobility for people with impaired vision
https://www.science.org/doi/10.1126/scirobotics.abg6594

操舵手のいない自立型船舶「Roboat」がアムステルダムの運河で運航開始

自律型船舶「Roboat Ⅲ」
Credit:MIT_One autonomous taxi, please(2021)

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オランダのアムステルダムは、160以上の運河が縦横に巡る美しい都市です。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者たちは、このアムステルダムの運河を運航する完全自律型の小型船舶を開発しました。

彼らが開発した3番目のモデル「Roboat Ⅲ」は、乗組員の操作を必要とせず、乗客や荷物、商品を目的地まで運べます

目次 操縦士のいらない自律型船舶「Roboat Ⅲ」が都市の運河を巡る運河の障害物をスキャンし学習する制御アルゴリズムを搭載 操縦士のいらない自律型…

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参考文献

One autonomous taxi, please
https://news.mit.edu/2021/autonomous-taxi-roboats-1027
MIT deploys first full-scale autonomous Roboat on canals of Amsterdam
https://newatlas.com/marine/mit-first-full-scale-autonomous-roboat-amsterdam/

3次元磁場で室内すべての家電を「ワイヤレス給電」する部屋が実現!

オールワイヤレス給電
Credit:笹谷 拓也(東京大学)_Room-scale magnetoquasistatic wireless power transfer using a cavity-based multimode resonator(2021)

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現在、スマホなどの小型電子機器はワイヤレスで充電できます。

そして最近、東京大学大学院工学系研究科に所属する笹谷 拓也氏ら研究チームは、スケールアップしたワイヤレス送電技術を実現しました。

部屋全体にワイヤレスで電力を送り、部屋のどこにいてもデバイスに給電できるようになったのです。

研究の詳細は、8月30日付の科学誌『Nature Electronics』に掲載されました。

目次 部屋のどこにいても電子機器を充電できる2種類の3次元磁場によって部屋全体のワイヤレス給電を可能に! 部屋のどこにいても電子機器を充電できる こ…

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参考文献

‘Charging room’ system powers lights, phones, laptops without wires
https://techxplore.com/news/2021-08-room-powers-laptops-wires.html

元論文

Room-scale magnetoquasistatic wireless power transfer using a cavity-based multimode resonator
https://www.nature.com/articles/s41928-021-00636-3

簡単なコーティングだけで歩くと発電できるハイテク木製フローリングが登場

新しい研究はフローリングをミニ発電機にした
Credit:Jianguo Sun et al.,Matter(2021)

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圧力を電気に変えるというデバイスがありますが、スイスの研究チームはそれを非常にエコな材料によって実現しました。

チューリッヒ工科大学(ETHZ)の新しい研究は、木製のフローリングにシリコンとナノ粒子のコーティングを施し、歩くだけで電気を生み出すナノ発電機を開発したと報告しています。

これはLED電球や小型電子機器を動かすのに十分なエネルギーを生み出せます

研究の詳細は、科学雑誌『Matter』に7月22日付で掲載されています。

目次 木材をナノ発電機にする歩いたり叩いたりするだけで発電する木の板 木材をナノ発電機にする ナノ発電機とは、微小な物理現象からエネルギーを取り出し…

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参考文献

Hi-tech wooden flooring can turn footsteps into electricity
https://www.theguardian.com/environment/2021/sep/01/hi-tech-wooden-flooring-can-turn-footsteps-into-electricity

元論文

Functionalized wood with tunable tribopolarity for efficient triboelectric nanogenerators
https://doi.org/10.1016/j.matt.2021.07.022