<脅威が増す変異株への賢い対処法を考える。11の素朴な疑問に答えます(前編)> ※本誌8月24日号「日本人が知らない 変異株の正体」特集より コロナ禍を生き抜く上で厄介なのは、刻々と変異を続けるウイルスの最新情報をフォローしなくてはならないことだ。 公衆衛生当局の勧告を自分の状況に合わせて取り入れるには、さまざまなリスクを考慮して、適切な判断を下す必要がある。 ワクチンはウイルスから身を守るのに有効ではある。しかし感染が急激に拡大すれば、ワクチンを接種していようといまいと、全ての人の感染リスクが高ま…
南米発・ラムダ株はどれだけ怖いのか、豪ウイルス学者が解説
<南米を中心に感染拡大中、日本でも確認された変異株・ラムダは、既存株より感染力が強く、抗体の中和効果もいくらか下がるとされる。ワクチンは有効なのか。研究からいま分かっていることは> ※本誌8月24日号「日本人が知らない 変異株の正体」特集より 2020年8月に南米のペルーで最初に報告された新型コロナウイルスの変異株「ラムダ株」は、南米を中心に世界の約30カ国に広がっている。 現在、南米では新型コロナウイルスの新規感染者の20%以上がラムダ株に感染しているという(編集部注:日本では7月20日に羽田空港…
ロックダウン違反者を警備員が射殺 過剰暴力と批判高まるフィリピン
<「デルタ株の猛威を防ぐ」という大義のため、また人権がないがしろにされる事態が起きている> 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、市民活動に厳しい規制や制限を課しているフィリピンで、規制に違反して検問を通り過ぎようとした一般市民に対して警備員が発砲、殺害する事件が起きた。 フィリピンの人権団体などが「過剰暴力であり、人権侵害である」として独自の調査に乗り出すとともに、警察当局に対して徹底的な捜査を求める事態となっている。 フィリピンでは警察官による過剰な暴力や殺害などによる人権侵害が以前から深刻化…
ワクチン接種がすすんでも、ワクチン耐性株の出現リスクが高まる……と数理モデル
<ワクチンの接種だけでは新型コロナウイルスの変異を阻止できないことを示す研究結果が明らかとなった> 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を収束に向かわせるためには、社会全体でワクチンの接種率を高めることが不可欠だ。しかし、ワクチンの接種だけでは新型コロナウイルスの変異を阻止できないことを示す研究結果が明らかとなった。 ワクチン耐性を持つ変異株が出現するリスク高まる オーストリア科学技術研究所(IST)の研究チームは、感染症の患者数の推移を表わす基本的な数理モデルのひとつ「SIRモデル」を拡張し、ワク…