ゴリラやチンパンジーといった霊長類では、普通、オスがメスより大きな犬歯を持っています。
ところが、現代人の男性の犬歯は、類人猿の中で最も小さく、女性と比べても大して変わりありません。
現代人の犬歯がいつ頃から縮小し始めたのか、これは人類学の大きな謎でした。
今回、東京大学総合研究博物館の人類学教授、諏訪元(すわ・げん)氏の率いる研究チームは、過去数百万年におけるヒト科の歯を集めて、犬歯の変化を調査。
その結果、ヒト科の犬歯は、約450万年前に縮小に転じたことが示唆されました。
研究論文は、「Canine sexual dimorphism in Ardipithecus ramidus was nearly human-like」のタイトルで、学術誌『PNAS』に掲載されています。
目次 約450万年前に「縮小」に転じた可能性が浮上 約450万年前に「縮小」に転じた可能性が浮上 チンパンジーのような類人猿のオスは、メスよりも大き…
参考文献
Statistical methods used to estimate when canine teeth shrunk in modern humans
https://phys.org/news/2021-11-statistical-methods-canine-teeth-shrunk.html
元論文
Canine sexual dimorphism in Ardipithecus ramidus was nearly human-like, Proceedings of the National Academy of Sciences (2021)