エイズウイルスを利用した遺伝子治療で鎌状赤血球症を治療することに成功!

遺伝子治療で鎌状赤血球症を治療することに成功!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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患者の遺伝子を書き換える遺伝子治療がまた実現しました。

米国アラバマ大学で行われた研究によれば、鎌状赤血球症と呼ばれる特殊な遺伝病を遺伝子治療によって治療することに成功した、とのこと。

鎌状赤血球症は、高校の生物の教科書にも登場する、古くから知られる遺伝病であり、治療困難な難病として知られていました。

しかし正常な遺伝子を改造された「有名なウイルス」を使って細胞内に送り込むことで、遺伝子治療を成功させることができました。

研究内容の詳細は12月12日に、世界5大医学雑誌の筆頭である『New England Journal of Medicine』に掲載されています。

目次 遺伝子治療で鎌状赤血球症を治療することに成功!元エイズウイルスが遺伝治療の鍵となるコロナウイルスも人類の武器になるかもしれない 遺伝子治療で鎌…

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参考文献

Experimental Gene Therapy Reverses Sickle Cell Disease for Years
https://www.cuimc.columbia.edu/news/experimental-gene-therapy-reverses-sickle-cell-disease-years

元論文

Biologic and Clinical Efficacy of LentiGlobin for Sickle Cell Disease
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2117175

「釘が刺さった」かかとの骨を発見 はりつけ刑の物的証拠

磔刑の物的証拠となる「かかとの骨」を発見
Credit: Adam Williams – Best physical evidence of Roman crucifixion found in Cambridgeshire(2021)

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イングランド東部・ケンブリッジシャーにて、北ヨーロッパで初、世界では4例目となる磔刑(たっけい)の物的証拠が発見されました。

見つかったのは、3〜4世紀頃に埋葬された男性の遺骨で、右足のかかとの骨に釘が打ち込まれたままとなっています。

報告によると、この骨は、古代ローマ帝国に統治されていたイングランドのある男性(おそらく奴隷)のもので、十字架にかけられ、残酷な死を遂げたことを示しているという。

磔刑の物的証拠が見つかるのはきわめて稀であり、さらに釘が刺さったままのものは今回が2例目とのことです。

目次 十字架刑は「重罪人」にしか執行されない 十字架刑は「重罪人」にしか執行されない 磔刑に処せられた男性の骨は、2017年11月、ケンブリッジシャ…

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参考文献

Rare evidence of Roman crucifixion uncovered in the UK
https://www.livescience.com/crucified-roman-era-man-found-uk
Best physical evidence of Roman crucifixion found in Cambridgeshire
https://www.theguardian.com/science/2021/dec/08/best-physical-evidence-of-roman-crucifixion-found-in-cambridgeshire

遺伝操作で「絶対に片方の性別しか生まないマウス」を開発

遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発! 精度100%
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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ファンタジーの世界では、男の子だけあるいは女の子だけしか産まれないようにする「呪い」の話は、しばしば見かけます。

しかし今日に至るまで人類は、この「呪い」と同じ現象を脊椎動物で再現するような科学水準には達していませんでした。

X染色体やY染色体などの性染色体の組み合わせによって性別が決まることが解明され、いくつかの産み分け方法が開発されてはいましたが「絶対に一方の性別しか産ませない」ようにさせるのは、意外に難しかったのです。

しかし英国フランシス・クリック研究所(FCI)で行われた研究によって、人類はマウスの産む子供を100%の精度で、どちらかの性別に限定する技術が開発されました。

絶対に片方の性別しか産まないようにさせる技術は、生物を機械部品のように扱うものだとの懸念もあるでしょうが、不要な性別を排除することで無用な殺処分を減らすことにもつながります。

しかし研究者たちは、いったいどんな方法でファンタジー世界にしかなかった「呪い」のような絶対的な効果を、現実の世界で成し遂げたのでしょうか?

研究内容の詳細は12月3日に『Nature Communications』で公開されました。

目次 遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発!無駄のない畜産業、無駄のない動物実験 遺伝操作で絶対に片方の性別しか生まないマウスを開発!…

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参考文献

Gene-editing used to create single sex mice litters
https://www.crick.ac.uk/news/2021-12-03_gene-editing-used-to-create-single-sex-mice-litters

元論文

CRISPR-Cas9 effectors facilitate generation of single-sex litters and sex-specific phenotypes
https://www.nature.com/articles/s41467-021-27227-2

世界初、冬季のニホンザルが「川魚」を食べている証拠を発見

ニホンザルが川魚を捕食している証拠を発見
Credit: Alexander Milner(phys) – Monkeys go fishing to survive harsh Japanese winters(2021)

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意外と知られていませんが、ニホンザルは川魚を食べません。

樹上生活を営む彼らはおもに、果実やキノコ、陸生昆虫を主食とします。

しかしこのほど、信州大学とバーミンガム大学(University of Birmingham・英)の研究により、上高地(長野)に暮らすニホンザルの集団にて、サケを獲って食べている科学的証拠が見つかりました。

エサ資源が少ない冬季の貴重な栄養源としているようで、これは世界で初めての発見です。

研究は、11月29日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次 冬季には「川魚」を捕食していた 冬季には「川魚」を捕食していた ニホンザル(学名:Macaca fuscata)は、ヒト以外の霊長類の中で、最…

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参考文献

Monkeys go fishing to survive harsh Japanese winters
https://phys.org/news/2021-11-monkeys-fishing-survive-harsh-japanese.html
世界最寒地(上高地)に生きるニホンザルの独特な越冬戦略 魚類や水生昆虫類など,河川に生息する動物に依存する世界初の新知見
https://research-er.jp/articles/view/105376

元論文

Winter diet of Japanese macaques from Chubu Sangaku National Park, Japan incorporates freshwater biota
https://www.nature.com/articles/s41598-021-01972-2

2000年前のカナダ先住民は、オス鮭ばかり獲り、メスは逃していた

2000年前の先住民は、オスのサケをメインに漁獲し、メスは逃していた
Credit: Thomas Royle et al., Scientific Reports(2021)

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人類は古くから、海や山の幸など「自然の恵み」によって命を繋いできました。

しかし、川魚のように豊富に存在する資源も乱獲が行き過ぎると、繁殖が追いつかずに枯渇し、失われてしまう恐れがあります。

では、海や川の魚に頼って生きていた古代人は、どうやってこの問題をクリアしたのでしょうか。

カナダの複数大学による共同研究チームはこのほど、北アメリカの北西部沿岸に数千年にわたって居住してきたツレイル・ウォウトゥス(Tsleil-Waututh)族と協力し、当時のサケ漁の実態を調査。

その結果、地元先住民は、オスをメインに漁獲し、メスの多くは獲らないことで、サケの枯渇を防いでいたことが示唆されました。

当時の人々はすでに、メスを獲り過ぎるとサケ漁が続かなくなることに気づいていたのでしょうか。

研究は、11月10日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

 

目次 PCR法から「オス鮭」ばかり食べていたことが判明「持続可能な漁獲システム」を目的としていた? PCR法から「オス鮭」ばかり食べていたことが判明…

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参考文献

2,000-Year-Old Salmon DNA Reveals Secret to Sustainable Fisheries
https://www.the-scientist.com/news-opinion/2000-year-old-salmon-dna-reveals-secret-to-sustainable-fisheries-69466

元論文

Indigenous sex-selective salmon harvesting demonstrates pre-contact marine resource management in Burrard Inlet, British Columbia, Canada
https://www.nature.com/articles/s41598-021-00154-4

実は間違いだった!映画『ジュラシック・パーク』の真実10選

映画『ジュラシック・パーク』の科学的な間違いトップ10
Credit: jp.depositphotos

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スピルバーグ監督の大ヒット映画『ジュラシック・パーク』(1993)。

本作がきっかけで、恐竜好きになったり、古生物学者になろうと決心した人も多いでしょう。

しかし一方で、恐竜学の歴史は非常に浅く、今も毎日のように新知見や新種の化石が発見され続けています。

そのため、30年近くも前に公開された本作には、科学的事実と異なるシーンがたくさん見受けられるのです。

そこで今回は、実は間違いだった『ジュラシック・パーク』の真実10選を紹介していきます。

※ジュラシック・シリーズは全部で5作公開されており、1作目以外の作品に触れている箇所もあります。

1.蚊から「恐竜DNA」は抜き出せない 映画内で、恐竜をどのように蘇らせたか覚えているでしょうか。 琥珀の中に保存された蚊から恐竜の血液を取り出し、…

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参考文献

Here’s Just How Wrong Jurassic Park Is About Dinosaurs
https://www.ranker.com/list/factual-inaccuracies-in-jurassic-park/beth-elias?ref=browse_list

「死んだふり」を操る遺伝子を発見!

Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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死んだふりに必要な遺伝子があるようです。

東京農業大学で行われた研究によれば、甲虫の死んだふりを操る遺伝子群が発見された、とのこと。

死中に活を見いだす「死んだふり」は虫から脊椎動物まで幅広い動物に採用されています。

いったいどんな遺伝子によって「死んだふり」は操作されているのでしょうか?

研究内容の詳細は11月8日に『Scientific Reports』で公開されています。

目次 「しんだふり」の解明に挑む死んだふりを操る遺伝子を発見「しんだふり」のメカニズムは人間の蘇生にも役立つ 「しんだふり」の解明に挑む 捕食者に食…

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参考文献

世界初! 天敵から逃れる戦略を制御するゲノムの特徴を解明 ~死んだふりを操る遺伝子の全貌を突き止めた~
https://www.nodai.ac.jp/application/files/2616/3607/2242/1.pdf

元論文

Genomic characterization between strains selected for death-feigning duration for avoiding attack of a beetle
https://www.nature.com/articles/s41598-021-00987-z