ロシア北極圏にて「光る雪」を発見 その正体とは?

ロシア北極圏で「光る玉」を目撃
Credit: Alexander Semenov/Facebook

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ロシアの北極圏で神秘的な光景が発見されました。

真冬の雪原の中で、いくつもの光の玉が青白く発光していたのです。

遊星からの物体X(The Thing)』をご覧の方なら、地球外生命体の可能性もあるため、容易に手は出さないでしょう。

しかし、現地の科学者たちは意を決して調査に乗り出しました。

果たして、光る玉の正体は何だったのでしょうか?

目次 光る玉の正体は「甲殻類」? 光る玉の正体は「甲殻類」? 光る玉が見つかったのは昨年12月のこと。 ロシア北西の白海(はっかい)沿いにあるモスク…

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参考文献

Scientists Perplexed By Glowing Snow In Russian Arctic
https://www.iflscience.com/plants-and-animals/scientist-perplexed-by-glowing-snow-in-russian-arctic/
SNOW that glows was found in the Arctic (PHOTOS)
https://www.rbth.com/science-and-tech/334605-snow-that-glows-was-found-in-the-arctic

世界初、冬季のニホンザルが「川魚」を食べている証拠を発見

ニホンザルが川魚を捕食している証拠を発見
Credit: Alexander Milner(phys) – Monkeys go fishing to survive harsh Japanese winters(2021)

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意外と知られていませんが、ニホンザルは川魚を食べません。

樹上生活を営む彼らはおもに、果実やキノコ、陸生昆虫を主食とします。

しかしこのほど、信州大学とバーミンガム大学(University of Birmingham・英)の研究により、上高地(長野)に暮らすニホンザルの集団にて、サケを獲って食べている科学的証拠が見つかりました。

エサ資源が少ない冬季の貴重な栄養源としているようで、これは世界で初めての発見です。

研究は、11月29日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次 冬季には「川魚」を捕食していた 冬季には「川魚」を捕食していた ニホンザル(学名:Macaca fuscata)は、ヒト以外の霊長類の中で、最…

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参考文献

Monkeys go fishing to survive harsh Japanese winters
https://phys.org/news/2021-11-monkeys-fishing-survive-harsh-japanese.html
世界最寒地(上高地)に生きるニホンザルの独特な越冬戦略 魚類や水生昆虫類など,河川に生息する動物に依存する世界初の新知見
https://research-er.jp/articles/view/105376

元論文

Winter diet of Japanese macaques from Chubu Sangaku National Park, Japan incorporates freshwater biota
https://www.nature.com/articles/s41598-021-01972-2

魚たちはホホジロザメのことを皮膚掃除のブラシとして使っていた!

メキシコのグアダルーペ島で研究者が撮影したホオジロザメに体を擦り付けるマアジの群れ
Credit:Jesus Erick Higuera Rivas

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ホホジロザメは恐ろしい海の捕食者のイメージがあります。

しかし、そんなサメの周りには多くの小さな魚たちが集まって来ます。

これまで、それはサメと共生関係にある魚たちと言われていましたが、実はサメの餌になるマアジなどの魚たちも擦り寄っていることが確認されたのです。

マイアミ大学(UM)の研究チームは、サメの保護・研究を行う中で捕食対象の魚たちがサメに擦り寄り体を擦り付ける行動を数多く確認しました

この行動の理由は正確には判明していませんが、研究者たちはサメのヤスリのような肌を魚たちが自分の肌の掃除に利用していると推測しています。

研究の詳細は、10月28日付で科学雑誌『Ecology, The Scientific Naturalist』オンライン版に掲載されています。

目次 サメに擦り寄る魚たちサメは魚たちにとって海のブラシだった サメに擦り寄る魚たち 獰猛な海の捕食者であるサメは、他の魚たちの嫌われ者と考えがちで…

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参考文献

Study finds fish rubbing up against their predators — sharks
https://news.miami.edu/rsmas/stories/2021/11/study-finds-fish-rubbing-up-against-their-predators-sharks.html

元論文

Sharks as exfoliators: widespread chafing between marine organisms suggests an unexplored ecological role
https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ecy.3570

人間サイズのアンモナイト「パラプゾシア」が巨大進化した理由とは?

最大のアンモナイト「パラプゾシア」の標本。画像のものは直径1.8mに達する
Credit:Wikipedia

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アンモナイトはすでに絶滅している種ですが、多くの人がすぐ頭に思い浮かべられるほど有名な巻き貝です。

そのアンモナイトの一種、白亜紀後期に登場した「パラプゾシア(Parapuzosia)」は、発見された化石の直径が2m近くもある非常に巨大化した種です。

これまでパラプゾシアが、どのように巨大な進化を遂げたのかはわかっていませんでしたが、ドイツのハイデルベルク大学などの国際研究チームは、さまざまなサイズの154のアンモナイト化石から、進化の様子を明らかにしています。

これまでパラプゾシアの巨大化の原因は気候変動だと考えられてきました。

しかし今回の研究は、巨大化の時期が当時の気候変動とうまく一致していない可能性を示しています。では、なにがパラプゾシアを巨大化させたのでしょうか?

研究の詳細は、11月10日付で、科学雑誌『PLOS ONE』に掲載されています。

目次 世界最大のアンモナイト巨大化した進化の流れを発見! 世界最大のアンモナイト アンモナイトは、現在のオウムガイの仲間とされる巨大な殻を持った軟体…

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参考文献

We May Finally Understand Why These Gargantuan Mollusks Got So Huge
https://www.sciencealert.com/here-s-the-possible-reason-why-the-world-s-largest-ammonite-got-so-danged-huge
Human-size ammonites swam the Atlantic Ocean 80 million years ago
https://www.livescience.com/largest-ammonites-evolved-80-million-years-ago
Shelled krakens of the Mesozoic deep
https://eartharchives.org/articles/shelled-krakens-of-the-mesozoic-deep/index.html
Parapuzosia
https://oriasokfoldjen.hu/parapuzosia/

元論文

Ontogeny, evolution and palaeogeographic distribution of the world’s largest ammonite Parapuzosia (P.) seppenradensis (Landois, 1895)
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0258510

廃タイヤが「ヤドカリ」を殺すトラップになっていた

廃タイヤによってヤドカリが「捕殺」されている
Credit: Atsushi Sogabe et al., Marine-dumped waste tyres cause the ghost fishing of hermit crabs(2021)

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場違いも甚だしいですが、海や川に不法投棄されたタイヤを見かけることがあるでしょう。

廃タイヤは、悪臭や蚊の発生源、水質・土壌の汚染源となっており、専門家も大いに懸念しています。

そして、弘前大学・農学生命科学部の研究チームはこのほど、海に捨てられたタイヤが一種のトラップとなり、ヤドカリを捕殺していることを明らかにしました。

ヤドカリは、海底の死骸や有機物を食べてくれる「海の掃除屋」としての役割があります。

廃タイヤによる個体数の減少で、生態系に悪影響が出るかもしれません。

研究は、10月27日付けで学術誌『Royal Society Open Science』に掲載されています。

目次 年間1300匹近くのヤドカリが「捕殺」されていた 年間1300匹近くのヤドカリが「捕殺」されていた 海や川に投棄、あるいは放出された漁具は、知…

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参考文献

海洋投棄された廃タイヤがヤドカリを捕殺している
https://research-er.jp/articles/view/104646

元論文

Marine-dumped waste tyres cause the ghost fishing of hermit crabs
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.210166