視覚が極端に発達した白亜紀の奇妙なカニの生態

絶滅したカリキマエラ・ペルプレクサ(Callichimaera perplexa)の再現画像
Credit:Kelsey M. Jenkins et al.,iScience(2022)

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2005年南米コロンビアのアンデス山脈で非常に奇妙な姿をしたカニの化石が発見されました。

それは約9500万年前白亜紀に生息していたと考えられる、非常に大きな目とオールのような脚を持った甲殻類で、2019年にイェール大学の研究チームにより新種として登録が行われました。

その生物は「Callichimaera perplexa(カリキマエラ・ペルプレクサ)」と名付けられています。

今回、米国イェール大学(Yale University)とハーバード大学(Harvard University)の古生物研究チームは、この奇妙な古代のカニの特徴の1つである大きな目を分析した新しい研究結果を報告しました。

それによると、カリキマエラの目は異常に高い光学特性を持っていたことがわかり、視覚に頼った捕食者だったと示されています。

研究の詳細は、科学誌『iScience』に2022年1月に掲載されています。

目次 奇妙なカニの化石極端に巨大な目の意味 奇妙なカニの化石 2019年に登録された新種の古生物「Callichimaera perplexa(カリ…

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参考文献

A crab’s-eye view of the ancient world
https://news.yale.edu/2022/01/05/crabs-eye-view-ancient-world

元論文

The remarkable visual system of a Cretaceous crab
https://doi.org/10.1016/j.isci.2021.103579

自動車と同レベルの「俊足の恐竜」を示す足跡が発見される

足跡から自動車レベルの走行スピードが判明
Credit: Pablo Navarro-Lorbés(iflscience) – Fossil Footprints Could Set A Record For Dinosaur Speed(2021)

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近年の研究で、ティラノサウルスは実は鈍足だったことが分かってきています。

「じゃあ、恐竜は大して足が速くないんだ」というと、もちろんそんなことはありません。

ガタイの良すぎるティラノサウルスは、足への負担が大きかったため、速く走れなかっただけで、恐竜には様々なサイズがいます。

そしてこのほど、ラ・リオハ大学(University of La Rioja・スペイン)の最新研究で、市街地を走る自動車と同等のスピードを誇る恐竜の存在が確認されました。

これは、新たに見つかった2頭の恐竜の足跡から算出された結果で、時速27.7マイル(約44.6キロ)に達したとのことです。

研究は、12月9日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次 足跡から最高レベルの「俊足」と判明 足跡から最高レベルの「俊足」と判明 2頭の恐竜の足跡は、スペイン北東部ログローニョのラ・リオハ州で発見され…

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参考文献

Meat-eating dinosaurs were terrifyingly fast, footprints reveal
https://www.livescience.com/fossil-tracks-speedy-dinosaurs
Footprints show some two-legged dinosaurs were agile
https://phys.org/news/2021-12-footprints-two-legged-dinosaurs-agile.html

元論文

Fast-running theropods tracks from the Early Cretaceous of La Rioja, Spain
https://www.nature.com/articles/s41598-021-02557-9

大型の恐竜は水中で「お尻を浮かせて」泳いでいた?

巨大竜脚類は果たして水中で生活していたのか?
Credit:depositphotos

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ブロントサウルスなどを代表とする巨大竜脚類については、巨大な体重のために水中で生活していたという説と、陸生だったという説で議論がされています。

現在は陸生であったとする説が優勢ですが、これに疑問を唱える足跡の化石が発見されています。

それが白亜紀の恐竜の足跡が数多く見つかる地層(グレン・ローズ層)から発見された、竜脚類の前足だけの足跡化石です。

パデュー大などの調査では、これがかろうじて前足だけがつく状態で、竜脚類が非常に深い水の中を泳ぐようにして歩いていた痕跡ではないかといいます。

研究の詳細は、2019年12月13日付で科学雑誌『Ichnos』に掲載されています。

目次 竜脚類は水の中で生活していた? 竜脚類は水の中で生活していた? 恐竜の中でも、ポピュラーで人気があるのがブロントサウルス、ブラキオサウルス、デ…

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参考文献

Weird Tracks in Texas Indicate Giant Sauropods Walking on Their Front Feet Only
https://www.sciencealert.com/weird-tracks-in-texas-indicate-giant-sauropods-walking-on-their-front-feet-only

元論文

Thunder lizard handstands: Manus-only sauropod trackways from the Glen Rose Formation (Lower Cretaceous, Kendall County, Texas)
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/10420940.2019.1698424?journalCode=gich20

「こん棒の尻尾」を武器にする新種恐竜を発見 チリ大学

新種のアンキロサウルスを南米チリで発見
Credit: Alexander Vargas et al., Nature(2021)

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南米チリの亜南極域にて、奇妙な尻尾をもつ新種のアンキロサウルスの化石が発見されました。

最大の特徴は、殺傷性の高い武器のような尻尾で、既知種では見られません。

チリ大学(University of Chile)の古生物学者で、本研究主任のアレクサンダー・バルガス(Alexander Vargas)氏は「アステカの棍棒として知られる、マクアフティル(macuahuitl)に似ている」と指摘します。

それだけでなく、新種の化石は、アンキロサウルスの進化について、これまで知られていなかった物語を明らかにしてくれました。

研究は、12月1日付けで学術雑『Nature』に掲載されています。

目次 尻尾はまるで「アステカの棍棒」 尻尾はまるで「アステカの棍棒」 化石の発見は2018年2月のこと。約7490万〜7170万年前に当たる白亜紀の…

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参考文献

‘Very weird’ ankylosaur’s tail looked like an Aztec war club
https://www.livescience.com/new-ankylosaur-dinosaur-chile
New dinosaur species from Chile had a unique slashing tail
https://phys.org/news/2021-12-dinosaur-species-chile-unique-slashing.html

元論文

Bizarre tail weaponry in a transitional ankylosaur from subantarctic Chile
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04147-1

「肉食なのに歯がない」新種のクチバシ恐竜が発掘される

肉食なのに歯がない新種の「クチバシ恐竜」を発見
Credit: Geovane Alves de Souza et al., Scientific Reports(2021)

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ブラジル南部パラナ州にて、非常にめずらしい新種の恐竜化石が発見されました。

この恐竜は、約7000万年前の白亜紀後期に存在し、ノアサウルス科という肉食類に属します。

ところが、ブラジル国立博物館(Brazil’s National Museum)の声明によると、肉食類なのに歯がなく、代わりに「クチバシ」を持っているというのです。

一体どのような食生活をしていたのか、研究者たちの注目を集めています。

研究は、11月18日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。

目次 肉食なのに歯がない? 肉食なのに歯がない? 新種の化石は、2011年〜2014年にかけて、パラナ州の田舎道沿いにある岩石層から発見されました。…

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参考文献

Remains of ‘very rare’ dinosaur species discovered in Brazil
https://phys.org/news/2021-11-rare-dinosaur-species-brazil.html

元論文

The first edentulous ceratosaur from South America
https://www.nature.com/articles/s41598-021-01312-4

人間サイズのアンモナイト「パラプゾシア」が巨大進化した理由とは?

最大のアンモナイト「パラプゾシア」の標本。画像のものは直径1.8mに達する
Credit:Wikipedia

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アンモナイトはすでに絶滅している種ですが、多くの人がすぐ頭に思い浮かべられるほど有名な巻き貝です。

そのアンモナイトの一種、白亜紀後期に登場した「パラプゾシア(Parapuzosia)」は、発見された化石の直径が2m近くもある非常に巨大化した種です。

これまでパラプゾシアが、どのように巨大な進化を遂げたのかはわかっていませんでしたが、ドイツのハイデルベルク大学などの国際研究チームは、さまざまなサイズの154のアンモナイト化石から、進化の様子を明らかにしています。

これまでパラプゾシアの巨大化の原因は気候変動だと考えられてきました。

しかし今回の研究は、巨大化の時期が当時の気候変動とうまく一致していない可能性を示しています。では、なにがパラプゾシアを巨大化させたのでしょうか?

研究の詳細は、11月10日付で、科学雑誌『PLOS ONE』に掲載されています。

目次 世界最大のアンモナイト巨大化した進化の流れを発見! 世界最大のアンモナイト アンモナイトは、現在のオウムガイの仲間とされる巨大な殻を持った軟体…

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参考文献

We May Finally Understand Why These Gargantuan Mollusks Got So Huge
https://www.sciencealert.com/here-s-the-possible-reason-why-the-world-s-largest-ammonite-got-so-danged-huge
Human-size ammonites swam the Atlantic Ocean 80 million years ago
https://www.livescience.com/largest-ammonites-evolved-80-million-years-ago
Shelled krakens of the Mesozoic deep
https://eartharchives.org/articles/shelled-krakens-of-the-mesozoic-deep/index.html
Parapuzosia
https://oriasokfoldjen.hu/parapuzosia/

元論文

Ontogeny, evolution and palaeogeographic distribution of the world’s largest ammonite Parapuzosia (P.) seppenradensis (Landois, 1895)
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0258510