ロシア北極圏にて「光る雪」を発見 その正体とは?

ロシア北極圏で「光る玉」を目撃
Credit: Alexander Semenov/Facebook

全ての画像を見る

ロシアの北極圏で神秘的な光景が発見されました。

真冬の雪原の中で、いくつもの光の玉が青白く発光していたのです。

遊星からの物体X(The Thing)』をご覧の方なら、地球外生命体の可能性もあるため、容易に手は出さないでしょう。

しかし、現地の科学者たちは意を決して調査に乗り出しました。

果たして、光る玉の正体は何だったのでしょうか?

目次 光る玉の正体は「甲殻類」? 光る玉の正体は「甲殻類」? 光る玉が見つかったのは昨年12月のこと。 ロシア北西の白海(はっかい)沿いにあるモスク…

全ての画像を見る

参考文献

Scientists Perplexed By Glowing Snow In Russian Arctic
https://www.iflscience.com/plants-and-animals/scientist-perplexed-by-glowing-snow-in-russian-arctic/
SNOW that glows was found in the Arctic (PHOTOS)
https://www.rbth.com/science-and-tech/334605-snow-that-glows-was-found-in-the-arctic

視覚が極端に発達した白亜紀の奇妙なカニの生態

絶滅したカリキマエラ・ペルプレクサ(Callichimaera perplexa)の再現画像
Credit:Kelsey M. Jenkins et al.,iScience(2022)

全ての画像を見る

2005年南米コロンビアのアンデス山脈で非常に奇妙な姿をしたカニの化石が発見されました。

それは約9500万年前白亜紀に生息していたと考えられる、非常に大きな目とオールのような脚を持った甲殻類で、2019年にイェール大学の研究チームにより新種として登録が行われました。

その生物は「Callichimaera perplexa(カリキマエラ・ペルプレクサ)」と名付けられています。

今回、米国イェール大学(Yale University)とハーバード大学(Harvard University)の古生物研究チームは、この奇妙な古代のカニの特徴の1つである大きな目を分析した新しい研究結果を報告しました。

それによると、カリキマエラの目は異常に高い光学特性を持っていたことがわかり、視覚に頼った捕食者だったと示されています。

研究の詳細は、科学誌『iScience』に2022年1月に掲載されています。

目次 奇妙なカニの化石極端に巨大な目の意味 奇妙なカニの化石 2019年に登録された新種の古生物「Callichimaera perplexa(カリ…

全ての画像を見る

参考文献

A crab’s-eye view of the ancient world
https://news.yale.edu/2022/01/05/crabs-eye-view-ancient-world

元論文

The remarkable visual system of a Cretaceous crab
https://doi.org/10.1016/j.isci.2021.103579

実は大きい?「古生物の覇者」アノマロカリスの正体とは

アノマロカリスの復元予想
credit: depositphotos

全ての画像を見る

アンモナイトや三葉虫と並び、有名な古生物「アノマロカリス」をご存知でしょうか。

名前はピンと来なくとも、ロボットや書籍の表紙等で、その変な見た姿を目にした人は多いと思います。

「古生物」とは、絶滅し今は存在しない生物のことですが、化石の研究から様々な憶測がされています。

今回は、そんな「アノマロカリス」の生態についてご紹介します。

目次 アノマロカリスの生態アノマロカリスの最新研究 アノマロカリスの生態 アノマロカリスの分類は、脊椎動物(背骨のある動物)、節足動物門(エビ、虫、…

全ての画像を見る

参考文献

Anomalocaris, the largest known Cambrian arthropod, D. E. G. Briggs
https://www.google.com/url?q=https://www.palass.org/publications/palaeontology-journal/archive/22/3/article_pp631-664&sa=D&source=docs&ust=1638178732750000&usg=AOvVaw3h4UgvEbpJFXl4hOLyAWU7
Anomalocaris and Other Large Animals in the Lower Cambrian Chengjiang Fauna of Southwest China, Hou Xian‐Guang
https://www.google.com/url?q=https://www.researchgate.net/publication/233050167_Anomalocaris_and_Other_Large_Animals_in_the_Lower_Cambrian_Chengjiang_Fauna_of_Southwest_China&sa=D&source=docs&ust=1638178750800000&usg=AOvVaw2gLG6brn5sokV6dVf5McSy
カンブリア紀のアノマロカリスの遊泳行動の獲得、五十嵐地広(PDFファイル)
http://hokkaido.jspe.or.jp/proc_archive/2017/pdf/17-C-04.pdf

5億年前のペニスワームが「ヤドカリ風の貝殻生活」を発明していた

5億年前の「ペニスワーム」は貝殻を身にまとっていた
Credit: Martin R. Smith et al., A ‘hermit’ shell-dwelling lifestyle in a Cambrian priapulan worm(2021)

全ての画像を見る

地球には奇っ怪な形をした生き物がたくさんいます。

中でも奇妙なのが、海に棲む「プリアプルス」です。

プリアプルスは、容姿が男性器に似ていることから、英名では「ペニスワーム(penis worm)」と呼ばれています。

普段は海底の泥砂にもぐって身を隠し、姿を見せようとはしません。海中をふらふらと泳ぐには、あまりに無防備な姿だからです。

ところが今回、イギリスと中国の研究チームによって発見された、約5億年前のプリアプルスの化石は様子が違っていました。

なんと太古のプリアプルスは、泥砂にもぐるのではなく、手頃な貝殻を身につけるヤドカリスタイルで暮らしていたのです。

これは、貝殻を保護のために使う甲殻類の出現より、遥かに前のこと。

プリアプルスは、引きこもりの先駆者だったのかもしれません。

研究は、11月7日付けで学術誌『Current Biology』に掲載されています。

目次 天敵から身を守るために「貝殻」をまとった? 天敵から身を守るために「貝殻」をまとった? プリアプルスという名は、ギリシャ神話に登場する男性の生…

全ての画像を見る

参考文献

Ferocious ‘penis worms’ were the hermit crabs of the ancient seas
https://www.livescience.com/penis-worms-hermit-shell-behavior
Ancient Penis Worms Invented the “Hermit Crab” Lifestyle 500 Million Years Ago
https://scitechdaily.com/ancient-penis-worms-invented-the-hermit-crab-lifestyle-500-million-years-ago/

元論文

A ‘hermit’ shell-dwelling lifestyle in a Cambrian priapulan worm
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(21)01357-9?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982221013579%3Fshowall%3Dtrue

廃タイヤが「ヤドカリ」を殺すトラップになっていた

廃タイヤによってヤドカリが「捕殺」されている
Credit: Atsushi Sogabe et al., Marine-dumped waste tyres cause the ghost fishing of hermit crabs(2021)

全ての画像を見る

場違いも甚だしいですが、海や川に不法投棄されたタイヤを見かけることがあるでしょう。

廃タイヤは、悪臭や蚊の発生源、水質・土壌の汚染源となっており、専門家も大いに懸念しています。

そして、弘前大学・農学生命科学部の研究チームはこのほど、海に捨てられたタイヤが一種のトラップとなり、ヤドカリを捕殺していることを明らかにしました。

ヤドカリは、海底の死骸や有機物を食べてくれる「海の掃除屋」としての役割があります。

廃タイヤによる個体数の減少で、生態系に悪影響が出るかもしれません。

研究は、10月27日付けで学術誌『Royal Society Open Science』に掲載されています。

目次 年間1300匹近くのヤドカリが「捕殺」されていた 年間1300匹近くのヤドカリが「捕殺」されていた 海や川に投棄、あるいは放出された漁具は、知…

全ての画像を見る

参考文献

海洋投棄された廃タイヤがヤドカリを捕殺している
https://research-er.jp/articles/view/104646

元論文

Marine-dumped waste tyres cause the ghost fishing of hermit crabs
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.210166