安楽死マシンの死神博士、今度は「安楽死インプラント」の計画を発表

安楽死マシンの次は「安楽死インプラント」?
Credit: independent – Creator of ‘suicide pod’ wants to make body implant that would kill you if you forget to deactivate it(2021)

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今月初め、世界初の3Dプリント製の安楽死マシン「サルコ(Sarco)」の運用がスイスで合法化され、広く話題を呼びました。

そのサルコの開発者であるフィリップ・ニチケ(Philip Nitschke)氏は今、新たに禁断の一歩を踏み出そうとしているようです。

報道によると、ニチケ氏は認知症を発症したときのために、利用者が解除を忘れると死に至る「安楽死インプラント」の開発を計画しているとのこと。

氏いわく、何のために「死のスイッチ」を解除するのか忘れた時点で、安らかに死ぬことができるという。

しかし、このコンセプトは、まだ認知症を発症していない人が、単に解除スイッチを忘れたり、あやまって寝過ごした場合、悲惨なことになりかねない危険なものです。

目次 安楽死マシンの次は「安楽死インプラント」? 安楽死マシンの次は「安楽死インプラント」? ニチケ氏は、オーストラリアの非営利団体・エグジット・イ…

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参考文献

Inventor of 3D-printed coffin-like ‘suicide capsules’ reveals plans to create a body implant for people with dementia that would KILL its user if they forget to deactivate it
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10339157/Inventor-suicide-pod-plans-create-lethal-body-implant.html
Creator of ‘suicide pod’ wants to make body implant that would kill you if you forget to deactivate it
https://www.independent.co.uk/life-style/gadgets-and-tech/suicide-pod-implant-doctor-euthanasia-b1980600.html

タイトルから「マウス」を抜く科学ニュースは人気になると判明!

タイトルから「マウス」を抜く科学ニュースは人気になると判明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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タイトルから「マウス」を省くと人気が出るようです。

米国のヒューメインソサエティインターナショナル(HSI)で行われた研究によれば、研究者が論文のタイトルから「マウス」の単語を削除した場合、その論文がニュースメディアに報道される確率が31%増加し、ツイートとリツイートも2倍に増えることが確認された、とのこと。

マウスをタイトルから削除することで、論文の研究結果が人間にすぐに当てはまると錯覚されやすくなることが、人気がでる原因だとか。

マウスを愛するナゾロジー的には「なんてもったいないことをしているんだろう」と思わざるをえません。

研究内容の詳細は『PLOS BIOLOGY』にて公開されています。

目次 タイトルから「マウス」を抜く科学ニュースは人気になると判明!科学ニュースはタイトルしか読まれない少しでも興味を持ってもらえるようにナゾロジーは…

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参考文献

Mice-based studies that omit “mice” from title get 31% more media coverage
https://www.psychnewsdaily.com/mice-based-alzheimers-studies-that-omit-mice-from-title-get-31-more-media-coverage/

元論文

What’s not in the news headlines or titles of Alzheimer disease articles? #InMice
https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3001260

世界の終わりを記録して後世に伝える「モノリス」が、まもなく完成

タスマニア島で「人類の最期」を語り継ぐブラックボックスを建設予定
Credit: Earth Black Box – “Earth’s Black Box” to chronicle humanity’s descent into climate chaos(2021)

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温暖化、核戦争、隕石の落下、パンデミック、生態系の崩壊…

人類が滅亡する可能性のあるシナリオはいくつも挙げられますが、そのどれがいつ現実となるかは予想できません。

過去、多くの人々が悲劇に遭遇したとき、自身の生きた証や、悲劇の教訓を後世へ残そうとしてきました。

しかし、人類全体が滅亡するような悲劇の記録は、どうやって残せば良いのでしょうか?

今、そんな人類最期の物語を語り伝えるためのある計画が、オーストラリアのタスマニア島で進行しています。

「Earth’s Black Box(地球のブラックボックス)」と呼ばれるこのプロジェクトでは、世界最後の瞬間に、地球の環境データ、最新の科学・政治情報を自動で記録する巨大モノリスを建造しています。

目次 「人類の最期」を語り継ぐためにブラックボックスを立てる「真の目的」とは 「人類の最期」を語り継ぐために Earth’s Black Boxは、…

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参考文献

This Mysterious, Indestructible ‘Black Box’ Will Tell The Future What Happened to Us
https://www.sciencealert.com/this-mysterious-indestructible-black-box-will-tell-the-future-what-happened-to-us
“Earth’s Black Box” to chronicle humanity’s descent into climate chaos
https://newatlas.com/environment/earths-black-box-climate-change/

やんちゃな男性でも第一子が「男の子」だと、犯罪率が低下すると判明

男児を第一子にもった若い男性は犯罪率が低下
Credit: jp.depositphotos

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ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン経済学部(UCL Economics)の研究により、15〜20歳の若い男性は、男の子を第一子とした場合に、犯罪率が低下することが判明しました。

また重要なことに、長男を持った男性の犯罪低下により、近隣に住む同世代の若者男性の間でも犯罪の減少が見られたのです。

この結果は、犯罪行動における「波及効果」を実証した初の証拠となります。

犯罪における波及効果とは、最初の犯罪が周囲に伝播して、さらなる犯罪を引き起こし、その犯罪がさらに多くの犯罪を引き起こすもの。

逆もまた然りで、誰かの犯罪を防ぐことが、周囲の犯罪率の低下にもつながるようです。

研究は、10月19日付けで学術誌『Journal of Political Economy』に掲載されています。

目次 第一子が「男児」なら犯罪率が減少 第一子が「男児」なら犯罪率が減少 研究チームは今回、デンマークにおける過去数十年間の犯罪記録と行政データを分…

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参考文献

Child’s gender influences crime rates in young fathers and their peers
https://www.ucl.ac.uk/news/2021/nov/childs-gender-influences-crime-rates-young-fathers-and-their-peers

元論文

Child’s Gender, Young Fathers’ Crime, and Spillover Effects in Criminal Behavior
https://www.journals.uchicago.edu/doi/10.1086/716562

安全な「安楽死マシン」の運用、スイスで合法化

安楽死マシン「サルコ」、スイスで合法化
Credit: Exit International – A 3D-Printed Assisted Suicide Pod Is Now Legal in Switzerland(2021)

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オーストラリアの非営利団体、エグジット・インターナショナル(Exit International)は2018年に、世界初となる3Dプリント製の安楽死マシン「サルコ(Sarco)」を開発し、賛否を含む多くの注目を集めました。

そしてこのほど、自殺ほう助が合法となっているスイスで、サルコを運用するための法的審査に合格したと発表されました。

オランダを本拠地とする同社は、スイスと協力して、2022年の運用開始を目指しているとのことです。

目次 安楽死マシン「サルコ」とはサルコは誰でも使用可能ではない 安楽死マシン「サルコ」とは 安楽死には、医師が薬物を患者に直接注入する「積極的安楽死…

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参考文献

A 3D-Printed Assisted Suicide Pod Is Now Legal in Switzerland
https://interestingengineering.com/a-3d-printed-assisted-suicide-pod-is-now-legal-in-switzerland?utm_source=rss&utm_medium=article&utm_content=06122021
3D-printed suicide pods are now legal in Switzerland
https://www.businessinsider.in/international/news/3d-printed-suicide-capsules-are-now-legal-in-switzerland/articleshow/88114796.cms

人種差別のトラウマは虐待や暴行より強い反応を脳に引き起こす

人種差別は脳の健康に悪影響を及ぼすかもしれない
Credit:Depositphotos

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人種差別は世界的な問題の1つですが、それが健康に与える影響はあまり知られていません。

しかし最近、アメリカ・エモリー大学(Emory University)に所属する臨床神経心理学者のネガール・ファニ氏ら研究チームは、人種差別が脳に虐待や暴行を超える悪影響を及ぼしていると発表しました。

生涯を通して人種差別を経験してきた人は、脅威に対して脳が強く反応し、精神的・身体的健康リスクが高まるおそれがあるのです。

研究の詳細は、7月28日付の学術誌『JAMA Psychiatry』に掲載されました。

目次 健康格差の原因の1つは人種差別かもしれない人種差別を経験してきた脳は、脅威に対してより強く反応する 健康格差の原因の1つは人種差別かもしれない…

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参考文献

Brain scans of Black women who experience racism show trauma-like effects, putting them at higher risk for future health problems
https://www.psypost.org/2021/09/brain-scans-of-black-women-who-experience-racism-show-trauma-like-effects-putting-them-at-higher-risk-for-future-health-problems-61867

元論文

Association of Racial Discrimination With Neural Response to Threat in Black Women in the US Exposed to Trauma
https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/2782454

映画撮影現場では、なぜ「小道具の銃」で死亡事故が起きてしまうのか?

小道具の銃が「空砲」でも危険な理由とは
Credit: jp.depositphotos

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アメリカ・ニューメキシコ州で21日、西部劇映画『Rust』(原題)の撮影中に、主演のアレック・ボールドウィン氏が、小道具の銃を誤射し、監督のジョエル・ソウザ氏が重傷、撮影監督のハリナ・ハッチンス氏が死亡するという傷ましい事件が報道されました。

事件発生当初は状況が不明だったため、ネット上では空砲で死に至る事故が起きる可能性はあるのか? という問題が話題となっていました。

結局、のちの捜査によって今回の事件は、誤って小道具の銃に実弾が装填されていた事が原因の完全な人為的ミスだったと明らかになりましたが、専門家は「空砲でも死に至る危険性は十分ある」と指摘します。

映画の撮影現場では一般に「空砲」を用いますが、空砲だからと言って、必ずしも安全とは限りません。

過去には、映画の撮影現場で空砲でありながら発生した死亡事故が、実際に存在しているのです。

ここでは、空砲の仕組みや危険性から、過去に起きた事故とその原因を見ていきましょう。

目次 空砲でも「死亡事故」が発生する原因 空砲でも「死亡事故」が発生する原因 空砲は、必ずしも「弾が入っていない空の状態」を意味しません。 空砲には…

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参考文献

Yes, a gun shooting blanks can still kill you — and action movies are surprisingly dangerous
https://www.zmescience.com/science/blanks-can-kill-22102021/