パンデミックで急増したAIセラピスト:デジタルセラピーは心を治療できるのか?

セルフケアに関する助言を求める検索がパンデミックで急増したという。多くの人々がチャットボットに自分の不安を吐露し、前向きになるヒントを求めているのだ。特に若者にとって、AIのセラピストは人間よりもはるかに威圧感が少なく対話や付き合いに抵抗がないのだという。診察室のソファはいつの日かスマートフォンの画面に置き換わるのだろうか? デジタルセラピーがもたらすメンタル医療の民主化とそのリスクを考える。

キヤノンITS、棚カメラ映像でAIが商品認識「StoreMotion」発売

キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)がAI商品認識プラットフォーム「StoreMotion」の提供を開始した。小売店舗の商品棚に取り付けた小型ステレオカメラで取得した商品外観映像から「どの商品が手に取られたか」をリアルタイムに高精度認識するシステム。「何段目の棚から取られたか」や「手に取ったものの棚に戻した」ことも識別することが可能で、店舗マーケティングなど多様な用途への活用を提案している。…

AIが高度化すれば開発コストが増大し、イノヴェイションを阻害する? 表面化した問題と、見えてきた解決策

言語解析などに利用するAIのアルゴリズムは飛躍的な進化を遂げているが、膨大な量のデータに基づく訓練や実行のコストも膨れ上がっている。結果的にイノヴェイションを阻害する可能性も指摘されるなか、より効率的で低コストな機械学習の技術を開発する動きも出始めた。

人工知能の基盤を制したNVIDIAと、AIチップの未来をめぐる攻防:後篇

NVIDIAは2020年に英国の「ARM」を400億ドルで買収したことで、データセンター側を同社のGPUで支配しつつ実世界のエッジ側はARMによって支配できる体制を整えつつある。加えて米中間でAI開発が軍拡競争の様相を呈するなか、英国で最大かつ最も強力なAIスーパーコンピューターを構築することで、AI研究者たちの確保にも余念がない。ハードウェアによる計算能力の限界を打破できるかに深層学習の未来がかかる現在、激化するライヴァルたちとの攻防を追ったレポー…

人工知能の基盤を制したNVIDIAと、AIチップの未来をめぐる攻防:前篇

人工知能(AI)チップのシェアを支配するNVIDIAのGPUは、DeepMindの「AlphaGo」からOpenAIの言語予測モデル「GPT-3」まであらゆるアルゴリズムを動かしている。だが急速に進歩するAI分野には、より優れたAIチップがもっと大量に必要だ。いまやグーグルやアマゾンをはじめ多くのスタートアップ企業が、GPUに加えてTPUやIPUなど新しいアーキテクチャが必要だと考えている。AIチップの未来を賭けた開発の攻防を追う。

タンパク質の構造予測に成功したディープマインドのAIコード:その公開の遅れが意味すること

人工知能(AI)研究で世界を牽引するグーグル傘下のディープマインドは、タンパク質の構造予測という生物学の根本的な問題を解決した一方で、学術界の慣行に反してそのニューラルネットワーク「AlphaFold2」のコードをすぐに発表しなかったことで物議を醸すことになった。パンデミックに限らず病原体に対抗する薬の開発にも役立つタンパク質の立体構造をめぐるこの出来事は、AIの情報共有をめぐる学術界と産業界の深刻な課題を浮き彫りにしている。