Chrome のストレージの管理が簡単に

この記事は Theodore Olsauskas-Warren による Chromium Blog の記事 “Simplified Storage Controls” を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Chrome チームでは、ユーザーがウェブのプライバシーについての理解を深め、その管理を改善することができる方法を常に探しています。直近の変更によって、サイトのストレージ設定の管理がわかりやすくなります。

今回(元記事投稿当時より)、この変更を M97 ベータ版にロールアウトし、サイトが格納できるデータ(Cookie など)に関連するプライバシーやセキュリティの設定を再構成します。ユーザーは、個々のサイトが保存したすべてのデータを削除できます。この操作は、[ 設定 ] > [ プライバシーとセキュリティ ] > [ サイトの設定 ] > [ すべてのサイトに保存されている権限とデータを表示 ] を開いて行います。この操作では、chrome://settings/content/all が表示されます。[ 設定 ] > [ プライバシーとセキュリティ ] > [ Cookie と他のサイトのデータ ] > [ すべての Cookie とサイトデータを表示 ] に移動したときに表示される詳細コントロールは、削除する予定です。これは、[ 設定 ] の chrome://settings/siteData からも参照できます。このレベルで詳細を確認する機能はデベロッパーを対象にしたものです。デベロッパーは、今後も DevTools からこの機能にアクセスできます。

旧 : このページは削除予定。ウェブ関連のストレージの管理は、chrome://settings/content/all から行う。

新 : こちらの chrome://settings/content/all で、ユーザーがウェブ関連のストレージを削除できる。

変更点

私たちは、[ 設定 ] での細かい管理を簡素化することで、ユーザーにわかりやすい操作を実現できると考えています。ユーザーが個々の Cookie を削除できる場合、サイトの実装の詳細を意図せずに変更することになり、サイトの動作がおかしくなる可能性があります。これは予測が難しい問題です。さらに能力の高いユーザーが、Cookie の目的を不正に推測して、いくつかのプライバシー保護を侵害するリスクがあります。

この機能を使うのは主にデベロッパーなので、必要な DevTools のツール群と合わせてデベロッパー向けに提供を続けます。デベロッパーは DevTools にアクセスすることで、今後も必要に応じて Cookie ごとやストレージごとのレベルで詳細情報にアクセスできます。

詳細な Cookie の管理は引き続き DevTools で実行可能

Google は Chrome をさらに便利なものにしたいと考えているので、いつものように皆さんのフィードバックをお待ちしています。私たちの次のステップは、すべての詳細な Cookie の管理機能を DevTools で維持しつつ、この機能をページ情報から削除することです。ストレージ管理についてその他の質問やコメントがある方は、こちらからお知らせください。

Reviewed by Eiji Kitamura – Developer Relations Team<!—->

Chrome 97: WebTransport、Array の新しい静的メソッドなど

この記事は Chromium Blog の記事 “Chrome 97: WebTransport, New Array Static Methods and More” を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

特に記載のない限り、下記の変更は Android、Chrome OS、Linux、macOS、Windows 向けの最新の Chrome ベータ版チャンネル リリースに適用されます。

3 桁のバージョン番号に対する準備

来年には、Chrome でバージョン 100 がリリースされます。つまり、Chrome のユーザー エージェント文字列で報告されるバージョン番号の桁が増えます。サイトオーナーが新しい文字列をテストしやすくするために、Chrome 96 では、Chrome のユーザー エージェント文字列として「100」が返されるようにするランタイム フラグが導入されています。chrome://flags/#force-major-version-to-100 と呼ばれるこの新しいフラグは、Chrome 96 以降で利用できます。詳細については、Chrome の User-Agent 文字列のメジャー バージョンを強制的に 100 にするをご覧ください。 

今回のリリースに追加された機能

details 要素の自動展開

閉じられた details 要素に対する検索やリンクができるようになります。また、こういった非表示の要素は、find-in-pageScrollToTextFragment のタイミング、あるいは要素のフラグメント ナビゲーションが使われたときに、自動的に展開されます。

レスポンス ヘッダーによる専用ワーカーへの Content-Security-Policy の提供

専用ワーカーが Content Security Policy の影響を受けるようになります。これまで、Chrome は、オーナーのドキュメントの Content Security Policy を誤って適用していました。

CSS

font-synthesis プロパティ

font-synthesis CSS プロパティは、フォント ファミリーに斜体、太字、小型英大文字のフェイスがない場合、ユーザー エージェントが斜体、太字、小型英大文字のフォント フェイスを合成できるようにするかどうかをコントロールします。font-synthesis プロパティがない場合、必要なバリエーションのフォント ファミリーがないウェブページで、不自然な形状のフォントになる可能性があります。

transform: perspective(none)

perspective() 関数の引数として、値 'none' がサポートされます。その場合、関数は無限大の引数を渡された場合のように動作します。これにより、perspective() 関数が関係しているアニメーションのエンドポイントの片方が単位行列であるアニメーションが簡単になります(場合によっては、実現可能になります)。

Keyboard API の Feature Policy

Chrome は、Feature Policy の許可リストで新しく keyboard-mapをサポートします。Keyboard.getLayoutMap() を使うと、英語やフランス語など、異なるキーボード レイアウトで押されたキーを特定できます。このメソッドは、iframe 要素では利用できません。また、Keyboard API を利用できなかった一部のウェブアプリ(Excel、Word、PowerPoint)のアーキテクチャで、このメソッドが利用できるようになります。

HTMLScriptElement.supports() メソッド

HTMLScriptElement.supports() メソッドは、script 要素を利用する新機能を統一的な方法で検出します。現在のところ、HTMLScriptElement の type 属性で利用できる種類を簡単に判定する方法はありません。

フォーム送信時の遅い段階での改行正規化

フォーム エントリの改行が Gecko や WebKit と同じように正規化されるようになります。これにより、Gecko と WebKit は改行を遅い段階で正規化するにもかかわらず、Chrome は早い段階で正規化するという、長期にわたって存在していた相互運用性の問題が解決します。Chrome 97 以降では、早い段階での正規化が削除され、遅い段階での正規化がすべてのエンコーディング タイプに拡張されます。

既存の Client Hint 名の標準化

Chrome 97 は、Sec-CH- プレフィックスを付けて Client Hint 名を標準化します。影響を受ける Client Hint は、dprwidthviewport-widthdevice-memoryrttdownlinkect です。Chrome では、以上のヒントの既存バージョンのサポートも継続されます。しかし、ウェブ デベロッパーは、今後のサポートの終了や削除に向けた準備をする必要があります。

WebTransport

WebTransport は、ウェブのセキュリティ モデルの制約を受けるクライアントがリモート サーバーと通信する際に、安全な多重化転送を可能にするプロトコル フレームワークです。

現在、ウェブ アプリケーション デベロッパーがリモート サーバーと双方向通信をする場合、WebSocketsRTCDataChannel という 2 つの API を使うことができます。WebSockets は TCP ベースなので、すべての TCP の欠点(ヘッドオブライン ブロッキング、信頼できないデータ転送の未サポート)を引き継ぐことになり、レイテンシが重要なアプリケーションには適しません。RTCDataChannel は Stream Control Transmission Protocol(SCTP)ベースなので、そのような欠点はありません。しかし、ピアツーピアで使うことを念頭に置いて設計されているので、クライアントサーバー設定で使われることはほとんどありません。WebTransport は、信頼できないデータと信頼できるデータの両方の双方向通信をサポートするクライアントサーバー API で、UDP 的なデータグラムによるキャンセル可能なストリームを利用します。WebTransport の呼び出しは DevTools の [Network] パネルで確認できます。[Type] 列を見ると、このプロトコルが使われていることがわかります。

詳しくは、WebTransport の試験運用をご覧ください。

JavaScript

このバージョンの Chrome には、V8 JavaScript エンジンのバージョン x.x が組み込まれます。具体的には、以下の変更点が含まれます。最新の機能リストをすべて確認したい方は、V8 リリースノートをご覧ください。

Array と TypedArray の findLast() と findLastIndex()

ArrayTypedArrayfindLast() と fileLastIndex() 静的メソッドをサポートします。この 2 つの関数は find() と findIndex() と同じですが、配列の最初からではなく最後から検索します。

サポートの終了と機能の削除

このバージョンの Chrome では、以下のサポートの終了と機能の削除が行われます。現在サポートが終了している機能以前に削除された機能のリストは、ChromeStatus.com をご覧ください。

WebRTC での SDES 鍵交換の削除

2013 年以降、WebRTC の SDES 鍵交換メカニズムは、関連する IETF 標準で使用禁止と宣言されています。IETF は、SDES 仕様を過去のものと宣言しています。近年では、Chrome での使用も大幅に減少しました。そのため、Chrome 97 で削除されます

サードパーティ コンテキストでの WebSQL の削除

サードパーティ コンテキストでの WebSQL が削除されます。Web SQL Database 標準が最初に提案されたのは 2009 年 4 月で、2010 年 11 月に検討が中止されました。Gecko はこの機能を実装しておらず、WebKit では 2019 年に非推奨となりました。W3C は、代替手段として Web StorageIndexed Database を推奨しています。

SDP Plan B の削除

WebRTC でセッションを確立するために使われる Session Description Protocol(SDP)は、Chromium では 2 種類の方言 Unified Plan と Plan B によって実装されています。Plan B はクロスブラウザの互換性がないため、削除されます

Reviewed by Eiji Kitamura – Developer Relations Team<!—->

マイクロソフトEdge、ユーザーにChromeのダウンロードを止めるよう呼びかける – Engadget 日本版

Google ChromeがWebブラウザ市場で圧倒的なシェアを占めるなか、マイクロソフトも同じくオープンソースのChromiumをベースとした新生Edgeブラウザを提供中です。その普及を進めるために多大な努力が払われていますが、Edgeに「ユーザーがGoogle Chromeをダウンロードしようとすることを阻止」しようとする挙動が追加され…

Windows 11 Edge 彈出警告 阻用戶下載 Chrome

以往,不論是 IE 或是 Edge 瀏覽器,很多人笑指它們最大的作用就是下載 Chrome。而外媒報導,Microsoft 為了讓用戶盡量使用 Edge,當用戶嘗試連結到 Chrome 網站時,Microsoft Edge 會顯示「警告訊息」。 當中提示用戶 Microsoft Edge 是使用跟 Chrome 相同的技術,而且有……