この記事はプロダクト マネージャー、Vikrant Rana、グループ プロダクト マネージャー、Badi Azad による Google Developers Blog の記事 “Google OAuth incremental authorization improvement” を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
概要
Google Identity は、データの保護において Google を信頼してくださっている Google アカウント ユーザーに充実した機能を提供すべく、日々努力を重ねています。同時に、ユーザーにすばらしい体験を提供するアプリを作るデベロッパー コミュニティにも貢献したいと考えています。Google とデベロッパーとの連携により、ユーザーは次の 3 つの重要な方法でデータの共有を管理できるようになっています。
- 誰が自分のアカウント データにアクセスできるかを決定する際に、ユーザーは対象を細かく制御できます。
- ユーザーが Google アカウントのデータをアプリと共有することにした場合、簡単かつ安全な操作で共有できます。
- 具体的にどんなデータをアプリと共有しているかを、ユーザーに明らかにします。
現在行っていること
以上の内容を実現するため、ユーザーが簡単にアプリとデータを共有できるようにする OAuth の同意操作についてお知らせします。この操作は、一度に 1 つのスコープしかリクエストできない段階的な認証を使っているアプリで、同意コンバージョン操作を改善するものでもあります。ユーザーは、この種のリクエストに対して、1 回のタップで簡単に共有できるようになります。
これまでの画面 新しい画面
簡単な復習
OAuth の同意フローに対して行ってきた作業の全体像が把握できるように、これまでの改善内容を簡単にまとめておきましょう。
2019 年の中頃に、同意画面を大幅に改訂し、アプリと共有するアカウント データをユーザーが細かく制御できるようにしました。このフローでは、アプリが複数の Google リソースへのアクセスをリクエストすると、ユーザーには 1 つのスコープにつき 1 つの画面が表示されていました。
2021 年 7 月には、ユーザーが共有するデータを細かく制御できる機能は維持したまま、複数の権限リクエストを 1 つの画面にまとめました。今回の変更は、この操作の改善の延長線上にあります。
Identity チームは、今後もフィードバックを集め、Google Identity サービスやアカウント データの共有に関する全般的なユーザー エクスペリエンスをさらに向上させたいと考えています。
デベロッパーが行うべきこと
アプリで必要になる変更は何もありません。ただし、段階的な認証を使って、アプリが必要とするときに一度に 1 つずつリソースをリクエストすることをお勧めします。そうすることで、アカウント データをリクエストする必要性がユーザーに伝わりやすくなるので、同意コンバージョン率が増加するはずです。段階的な認証の詳細は、デベロッパー ガイドでご確認ください。
一度に複数のリソースが必要なアプリで一部しか同意されなかった場合は、問題が起きないように処理し、OAuth 2.0 ポリシーに従って適切に機能を縮退してください。
関連コンテンツ
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Reviewed by Eiji Kitamura – Developer Relations Team<!—->