【独占インタビュー】菅首相「五輪で若者や子供に夢を与える機会を提供したかった」

<コロナ禍でのオリンピック開催を貫いた菅義偉首相が語る中国と台湾、経済政策、温暖化、そしてスケートボード> 夏季オリンピック開催中の東京で、菅義偉首相がニューズウィーク米国版の独占インタビューにZoomで応じた。コロナ禍の五輪や台頭する中国、日本経済の再浮揚という難題について菅は何を語ったのか(聞き手はナンシー・クーパー編集長とワシントン特派員のビル・パウエル)。 ──パンデミック(世界的大流行)の最中に五輪を開催することには、日本国内でさまざまな反対意見があった。 大会前は問題もあったが、こうして…

QRコードを生み出した技術者、原昌宏。ヒントは囲碁だった【世界が尊敬する日本人】

<もとは製造現場の部品管理が主な目的だったと、開発を主導したデンソーウェーブの主席技師は言う。その創意工夫は今も続いている> ※8月10日/17日号(8月3日発売)は「世界が尊敬する日本人100」特集。BLACK、竹内まりや、猪子寿之、松山英樹、東信、岩崎明子、ヒカル・ナカムラ、阿古智子……。免疫学者からユーチューバーまで、コロナ禍に負けず輝きを放つ日本の天才・異才・奇才100人を取り上げています。 今やQRコードを見掛けない日はない。「東京駅からうちの会社までの間、いくつ使われているか社員…

バイデンの「民主主義サミット」に台湾は出席できるか

<米国が「活気に満ちた民主主義」と呼ぶ台湾には参加資格があるはず。もし中国の脅しに屈すれば、「権威主義に対抗するサミット」自体の価値が問われる> 台湾は、ジョー・バイデン米大統領が2021年末に開催すると発表した「民主主義サミット」への参加を希望している。バイデンは、大統領選挙中だった2年前から、中国やロシアに代表される権威主義国家に対抗する民主主義国のリーダーたちの会合を行うと公約していた。 ホワイトハウスは8月11日、民主主義サミットは12月9日と10日にリモートで開催されると発表した。声明によ…

ストーンヘンジの大砂岩の一部は恐竜時代よりも古かった

<英ブライトン大学の研究チームは、CTスキャンやX線などを用いてストーンヘンジの標本を分析し、大砂岩の地質構造や化学組成について調べた…… > ストーンヘンジは、イングランド南部で約4500年前の新石器時代に建造された環状列石(ストーンサークル)で、1986年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に登録された。 円陣状に立ち並ぶ巨大な大砂岩(サルセン石)のうち「ストーン58」と名付けられた巨石には、1958年の修復プロジェクトで、直径2.5センチの穴が3つ開けられ、金属棒が埋め込まれ…

タリバンがアフガニスタンを奪い返す勢い──バイデンは何を読み違えたのか

<米軍撤退の方針に変化はなく、タリバンが首都カブールも制圧する事態になれば、アフガン侵攻から20年間の進歩は全て無に帰す> アフガニスタンの反政府勢力タリバンは8月12日、同国南東部ガズニ州の州都ガズニを制圧した。この1週間でタリバンの手に落ちた州都は、これで10カ所目だ。(注:報道によると、タリバンはその後一夜にして、人口で第2、第3の都市であるカンダハルとヘラートも制圧した)。 同盟諸国の軍がアフガニスタンからの撤退を進めるなか、タリバンは急速に国内の幅広い地域を掌握しつつある。この事態に当局者…

生きた動物や人間から毛を失敬 シジュウカラの大胆不敵な犯行

<巣作りに利用。わざわざむしり取るのには理由があるようで……> 鳥の巣をよく観察すると、材料に動物の毛が紛れ込んでいることがある。実は意図的に哺乳類の毛を使っている場合があり、こうした例は多くの鳥類の系統でみられるものだ。巣を保温する効果を持ち、とくに寒冷地においてヒナの生存率を高める効果があると考えられている。 その入手経路は完全に解明されているわけではないが、過去の研究においては環境中に落ちている抜け毛や動物の死骸から回収するという考え方が示されてきた。ところが最近、生態学の研究者がみず…

日本はデフレ、ではない? 「ディスインフレ」の影響を知る

<日本は長年にわたって物価が上昇せず、インフレからは程遠い景況感を示している。こんなときに注意したいのは、デフレではなくディスインフレ。ディスインフレーションとは何か、株価にどんな影響があるのか> ディスインフレーションとは? 物価とお金の価値との関係を表す言葉として、「インフレーション(インフレ)」「デフレーション(デフレ)」という単語を耳にすることは多いだろう。 インフレ―ションとは、物価が継続的に上昇し、お金の価値が下がり続ける現象のことで、一方のデフレーションは、物価が継続的に下落し、お金の…

入管が医療受けさせず女性死亡、遺族「上川法相が責任を取るべき」

<親日家だったスリランカ人女性ウィシュマさんが名古屋入管で死亡した事件の最終報告書は、まだすべてを語っていない> 激しい嘔吐と吐血を繰り返し、体重が20キロも激減するなど、著しく健康状態が悪化したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)を入院させることなく、今年3月に死なせてしまった名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)。8月10日、法務省及び出入国在留管理庁(入管庁)は、ウィシュマさんの事件についての最終報告と、名古屋入管の局長などの処分を発表した。 しかし最終報告も、ウィシュマさん…

カチカチに凍った女性が奇跡的に回復した 何が起きていたのか?

<「カチカチに凍った」女性が奇跡的に一命を取り留め、多くの人々を驚かせた。彼女に身体に何が起きていたのか……> およそ40年前の冬の夜、米国で「カチカチに凍った」女性が奇跡的に一命を取り留め、多くの人々を驚かせた。 当時19歳だったジーン・ヒリアードさんは、1980年12月20日の夜、ミネソタ州レンビーにある実家へ向かっていたが、運転中の自動車が道路から滑り落ち、氷点下22度という極寒の天候下で立ち往生した。 彼女はコートと手袋、ウェスタンブーツで身を包んで、2マイル(約3.2キロ)離れた友…

日本の元セクシー女優、フィリピンに遊びに行ったら人生が急展開した

<中華圏や東南アジアで高い人気を誇る小澤マリア。女優業を引退後、新宿・歌舞伎町でラウンジバーを経営しながらストリップダンサーとしても活動していたが、思わぬ転機が訪れた。大らかなフィリピンを愛し、愛されてきたその半生> ※8月10日/17日号(8月3日発売)は「世界が尊敬する日本人100」特集。市川海老蔵、CHAI、猪子寿之、吾峠呼世晴、東信、岩崎明子、ヒカル・ナカムラ、菊野昌宏、阿古智子……。免疫学者からユーチューバーまで、コロナ禍に負けず輝きを放つ日本の天才・異才・奇才100人を取り上げて…