ホーキング定理が50年を経て実証される「ブラックホール合体後に表面積増大」

ブラックホールの表面積はエントロピーと一致する
Credit:canva

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宇宙でも非常に特殊な天体ブラックホール。

ブラックホールは観測が難しいですが、理論物理学者たちのインスピレーションの源泉ともなっていて、その性質についてさまざま予想が発表されています。

その中でも有名なものが、ホーキングとベッケンシュタインが予想した「ブラックホールはエントロピーを持っていて、それはブラックホールの表面積に保存されている」というものです。

この理論は2つのブラックホールが合体した場合、その表面積が元の2つのブラックホールの和より大きくなるということを予想していましたが、これを確認することは極めて困難だと考えられていました。

しかし、7月1日に科学雑誌『Physical Review Letters』に発表された新しい研究は、重力波観測の分析からホーキング・ベッケンシュタインの予想が事実であったことを確認したと報告しています。

すでに何をいっているのかわけがわからないという人が大多数でしょうが、今回はこの発見について解説していきます。

 

目次 ブラックホールに物質が飲み込まれると宇宙のエントロピーは下がる?ブラックホールはエントロピーを表面に溜め込んでいる?合体したブラックホールの表…

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参考文献

Hawking Made a Prediction About Black Holes, and Physicists Just Confirmed it(universetoday)
https://www.universetoday.com/151713/hawking-made-a-prediction-about-black-holes-and-physicists-just-confirmed-it/

元論文

Testing the Black-Hole Area Law with GW150914
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.127.011103