結晶中の電子の「バレー自由度」を用いてデバイスに応用する「バレートロニクス」は、次世代の電子デバイスに要求される低消費電力・大容量化などを実現できるとして昨今盛んに研究が行われています。インド工科大学ボンベイ校のM.S.Mrudul氏らは、これまで困難とされてきたグラフェンでのバレー制御を実現したと報告し、現代の100万倍の計算速度を実現する技術の成功可能性を示しました。続きを読む……
1000億円超かかる究極の量子力学実験施設とは?
ミクロな系における力学を考察する「量子力学」において、考えられる限り最高の環境が整うのが「宇宙空間における量子力学実験」です。この量子力学実験を行う設備を宇宙に整備するには約10億ドル(1100億円)という巨額の資金が必要となるのですが、なぜこれが必要になるのかを、ドイツ・テュービンゲン大学に所属するAlessio Belenchia氏が解説しています。続きを読む……
一定期間動作した後は体内で分解されるバッテリー不要のペースメーカーを研究者が開発
ペースメーカーは一定のリズムで心臓の筋肉に電気刺激を与え、心臓の収縮を人工的に発生させる医療機器です。埋め込んだペースメーカーが恒久的に必要な人もいれば、中には一時的な補助装置として利用する人も存在し、後者の場合は一定期間が過ぎると取り外す必要がありますが、手術にはリスクが伴います。そこでアメリカの研究チームは、一定期間のみ動作したらその後は自然に分解し、体内に吸収されるペースメーカーを開発しました。続きを読む……
間仕切りのない「オープンオフィス」では雑音がネガティブな気分を25%も増幅させるという研究結果
デスクを収納やパネルで仕切り、オフィス全体に天井までの間仕切りを設けない「オープンプランオフィス(オープンオフィス)」は、社員同士のコミュニケーションや部署の垣根を越えたコラボーレションを促進するなどの理由から、多くの企業が採用しているオフィスレイアウトです。そんなオープンオフィスについて、作業環境が認知やパフォーマンスに及ぼす影響について研究しているボンド大学のリビー・サンダー助教授が「オープンオフィスはストレスを増幅させて気分を悪化させる」と警告しています。続きを読む……
インド洋覆う光のカーテン 国際宇宙ステーションから届いた極上写真
<不気味な緑色から鮮やかな紫まで──NASAが公開した至高のオーロラ写真集> NASAは、「オーロラ・オーストラリス」と呼ばれる南極光のうっとりするような写真を公開した。 この写真は、アジアと南極の間に広がるインド洋南部の上空約270マイルを周回する国際宇宙ステーション(ISS)から撮影されたものだ。2日にNASAジョンソン宇宙センターが発表した。 不気味な緑色から鮮やかな紫まで、極光はさまざまな色に輝いている。その上には、何光年も先に輝く膨大な数の星が確認できる。 写真を紹介した国際宇宙ステーショ…
「畳み込みニューラルネットワークとは何か?」を分かりやすく図解するとこうなる
AI・機械学習・ニューラルネットワークといった言葉を目にする機会が多くなりましたが、実際にこれらがどのようなものなのかを理解するのは難しいもの。そこで、臨床心理士でありながらプログラム開発も行うYulia Gavrilova氏が、画像・動画認識で広く使われている畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の仕組みについて、わかりやすく解説しています。続きを読む……
ワクチン接種を完了した人は新型コロナへの感染リスクが半減するとの研究結果、他者への感染リスクを低める可能性も
イギリスで約10万人を対象に行われたPCR検査の結果から、ワクチン接種を完了した人はワクチンを接種していない人に比べ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染するリスクが50%~60%減少したことが明らかになりました。インペリアル・カレッジ・ロンドンがプレプリントとして発表しました。続きを読む……
新型コロナのパンデミックにより「近視の子ども」が急速に増加
新型コロナウイルスのパンデミックにより世界中の人々の生活習慣が変化しており、それに伴い運動量が減ったりアルコール摂取量が増えたりと、さまざまな影響が報告されています。パンデミックにより若者の精神状態が改善したという報告もありますが、新しい研究調査では子どもの視力が低下していると指摘されています。続きを読む……
「新型コロナワクチン由来のスパイクタンパク質は有害」というフェイクニュースがFacebookで拡散されている
ニュースの信ぴょう性を調査し反証するフランス通信社(AFP)の組織「AFPファクトチェック」が、アメリカの研究論文を利用して「新型コロナウイルスワクチンで体内に複製されるスパイクタンパク質が有害である」という誤った主張をする投稿がFacebookで拡散されていると報じています。続きを読む……
CERNがLHCを使った実験で新たな「テトラクォーク」を発見、寿命が長くさらなる研究にも期待
クォークとは、物質を構成する最小単位である素粒子のグループです。2021年7月29日、欧州原子核研究機構(CERN)が大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使った実験で、4個のクォークから構成される「テトラクォーク」の新たなタイプを発見したと報告しました。今回見つかったテトラクォークは粒子としての寿命が長く、さらなる研究を進める手がかりになると期待されています。続きを読む……