ワクチン接種がすすんでも、ワクチン耐性株の出現リスクが高まる……と数理モデル

<ワクチンの接種だけでは新型コロナウイルスの変異を阻止できないことを示す研究結果が明らかとなった> 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を収束に向かわせるためには、社会全体でワクチンの接種率を高めることが不可欠だ。しかし、ワクチンの接種だけでは新型コロナウイルスの変異を阻止できないことを示す研究結果が明らかとなった。 ワクチン耐性を持つ変異株が出現するリスク高まる オーストリア科学技術研究所(IST)の研究チームは、感染症の患者数の推移を表わす基本的な数理モデルのひとつ「SIRモデル」を拡張し、ワク…

中国の経済的影響力維持を指示した習近平

対中包囲網を標榜するバイデン政権の対中貿易額が増加する一方、習近平は政治局会議を開き中国経済に関する外部環境に警戒を発した。チャイナマネーによる引力に陰りが出ると北京冬季五輪にも影響するからだ。都内では同日、駐日中国大使を遣って「反中感情を煽るな」という講演をさせている。 習近平が中共中央政治局会議を招集 例年の北戴河会議を前に、習近平は7月28日から立て続けに会議を招集しているが、7月30日には現在の経済情勢と今後の指針に関する中共中央政治局会議を開催した。 会議ではコロナからいち早く回復した中国…

炎天下のゲーム「死んだら責任を取れるのか」

7月24日、気温32度の炎天下で行われたテニス男子シングルス1回戦の合間に、ホースから出る冷風や氷のうで体を冷やすダニール・メドベージェフ(ロシア五輪委員会)。 世界ランキング2位の彼は「もし私が死んだら責任を取れるのか」と訴え、競技時間の変更を大会側に要請。他の選手からも酷暑対策を求める声が相次ぎ、試合開始時間が午後3時に遅らされた。 テニスに限らず、東京の酷暑に関しては、海外メディアからも批判が飛び出し、東京五輪をめぐる多くの論点のひとつとなっている。 それでも大会は進行していく。メドベージェフ…

火星の深部構造が探査機インサイトからのデータで判明 予想より薄い地殻と巨大なコア

<困難続きだった探査プロジェクトが、ついに著しい成果を挙げた> NASAが2018年に火星に送り込んだ「インサイト(InSight)」は、火星の1点に留まる定置型の探査機だ。ここ2〜3年ほど火星の平原で、孤独に地震を「聞き」続けてきた。このほど地上の研究者たちがそのデータをもとに、火星の内部構造を推定することに成功した。 NASAがこのほど発表したニュースリリースによると、地殻は予想されていたよりも随分と薄いようだ。現在のところ、厚さ20キロと37キロの2つの可能性が提示されている。その層を抜けると…

独裁返りか? チュニジア「アラブの優等生」報道が無視してきたこと

<大統領サイードの全権掌握には、反対デモが起こっているだけでなく、賛成の声もある──欧米メディアが使い続ける「優等生」という表現が誤解を助長してきた、チュニジア政治と民主化プロセスの複雑性とは> 7月25日、チュニジアのカイス・サイード大統領が、ヒシャム・メシシ首相の解任と、議会の30日間停止を発表した。首都チュニスの議事堂周辺には治安部隊が配置され、議員たちの立ち入りを禁止した。 さらに翌日、サイードは法相代行と国防相も解任し、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの支局閉鎖を命令。一般市民について…

「まずは私たちの惑星を救おう」──宇宙旅行に熱心な億万長者に否定的な声多数

<宇宙空間へと旅立ったブランソン氏とベゾス氏。先を競うように宇宙旅行をする億万長者に対して、否定的な声も少なくない> 先を競うように宇宙へ向かった2人の億万長者 今年7月、2人の億万長者が先を競うように宇宙へと旅立った。しかしそのはしゃぐ姿をよそに、「宇宙開発の前に地球の危機に目を向けるべき」「ロケット発射で地球環境が破壊されるのでは?」といった懸念の声も上がっている。 米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏は6月7日、自身のインスタグラム・アカウントで、宇宙旅行の計画を明らかにした。「5歳の頃から、宇…

ペルー新大統領は無名の元小学校教師、フジモリ長女破る

<左派のマルクス主義政党「ペルー・リブレ」から立候補したペドロ・カスティジョの支持率は、4月の大統領選前には1桁だった> 7月28日、ペルーに新大統領が誕生した。6月6日に行われた大統領選の決選投票から2カ月近くがたつなか、就任したのは元小学校教師で左派のマルクス主義政党「ペルー・リブレ」が擁するペドロ・カスティジョだ。 無名ともいえるカスティジョの大統領就任は、ほぼ誰も予想していなかった。彼の支持率は4月の大統領選前には1桁だったが、投票では予想外の19%近くを獲得してトップに立ち、後を追うフジモ…

強権国家ベラルーシの陸上選手 強制帰国を拒否、保護を求める

<オリンピック競技への出場を撤回され、帰国を強制されたベラルーシ選手が羽田空港でIOCに保護を求めた。政治亡命を求めているという> 東京五輪に出場中のベラルーシの陸上女子選手クリスチナ・チマノウスカヤ(24)は7月31日、代表チームから外され、帰国のために羽田空港に強制的に連れて行かれたと訴えた。インスタグラムで陸上チームのコーチらを批判したことが原因だという。 インスタグラムに投稿した動画の中で、チマノウスカヤは国際オリンピック委員会(IOC)に、自分の意志に反して帰国させられないように助けてほし…

元男性が女子の重量挙げに出るのは不公平じゃないの? 五輪史上初のトランスジェンダー選手にくすぶる批判

<重量挙げのローレン・ハバードは男子として国内ジュニア記録を打ち立てた選手。女性になってもその自分を自分らしく貫きたいだけ──しかし、それと戦わされる女子選手の人生や気持ちは?> 東京五輪には、男性から女性に性別変更したことを公表したトランスジェンダーの選手が史上初めて出場している。ニュージーランドの重量挙げ選手、ローレル・ハバード(43)だ。 ハバードは8月2日、重量挙げ女子87キロ超級の予選に出場する。現在43歳で、今大会の重量挙げ競技に参加した選手の中で最年長でもある。 ハバードは1978年2…

中国選手を絶賛するバッハ会長と五輪を政治利用する菅政権

7月29日、バッハ会長は中国の単独取材を受け中国選手の活躍を絶賛した。一方21日にIOCは北京冬季五輪有観客開催の期待を表明している。日本では政府のコロナ感染に対する国民の不満をかわすために東京五輪を開催したと31日に河村議員が明言した。 中国メディアの独占取材で中国選手の成績を絶賛するバッハ会長 7月29日、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は東京大会国際放送センター(IBC=International Broadcasting Centre)にある中国の中央広播電視総台(中央ラジオテレ…