地球上に残された「最後の秘境」で自然の静寂に耳を澄ます

<音響生態学者で「自然の静寂」を守る活動を行うゴードン・ヘンプトンの、人工音に汚されていない自然環境を守る闘い> ロックダウン(都市封鎖)で大いなる静寂が訪れたとき、私たちは気付いた。刺激過多の脳と自然界に静けさがどれほど恩恵をもたらすか……。 昨年の3月から5月には世界中の都市が静まり返り、地震計が拾うノイズ、つまり人為的な地面の振動も消えた。地質学者たちによれば、これほど長くノイズが消えたのは観測史上初めてのことだ。 この時期、人間が姿を消した世界で野生動物は自由を満喫した。チリの首都サ…

密林で虐殺された遺体少なくとも10数体発見 軍と武装市民の戦闘激化するミャンマー

<突然のクーデターから半年、この国の状況はさらに混迷の度を深めている> クーデターで民主政権を崩壊させアウン・サン・スー・チー氏やウィン・ミン大統領ら民主政府要人を逮捕、訴追。その一方で反軍政を唱える市民への弾圧を強めているミャンマー軍事政権は8月1日にクーデターから半年を迎える。 実弾発砲を含めたあらゆる人権侵害が反軍政の市民に対して行われているなか、各地で「国民防衛隊(PDF)」という武装した市民による軍との衝突、戦闘が激化しており、サガイン地方では軍とPDFによる激しい戦闘が起きた。 この戦闘…

東京五輪、中国人バド選手が韓国ペアとの試合中に「罵倒」連発で騒動に

<東京五輪に出場している中国の女子バドミントン選手が、試合中に「罵倒」言葉を連発していたと騒動に。本人は「発音の悪さでそう聞こえた」と釈明> 東京五輪のバドミントン女子ダブルスに出場している世界ランキング3位の中国人ペアが、韓国人ペアとの試合中に罵倒の言葉を繰り返していたとしてネット上で騒ぎが広がっている。ただ、当の中国人選手は、「発音が悪かった」せいだと釈明している。 陳清晨選手(24)は7月27日に行われた韓国ペアとの1次リーグの試合で、英語にすると大まかに「f***」を意味する中国語を何度も叫…

「お尻がキラキラ光るクモ」ではなく、無数の赤ちゃんグモだった

<うっとりしてる場合ではない?> 家の中で珍しいクモを見つけた男性が興奮気味に実況した動画がTikTok上で話題になっている。 投稿主のBamshkiは、珍しいクモを見つけた多くの人が普通そうするように退治してしまうのではなく、撮影を始めた。さまざまな角度から大きな暗色のクモを捉えている。カメラを回す男性は興奮気味に女性を呼び寄せる。 「これはすごい。君も見るべきだ。ほら、見て! キラキラしてるよ」 次のシーンに切り替わると、クモは別の場所に移動している。そして、そのクモはもう1匹ではなかった。男性…

まるでクルマみたい! 視覚障がい者向け「靴用センサー」が歩行を変える

現代では、ものをスマート化させる取り組みがさまざまな業界で行われていますが、障がい者の生活をサポートするテクノロジーも例外ではありません。最近では目の不自由な人が靴に取り付けるインテリジェントなデバイスがヨーロッパで注目を集めています。このテクノロジーは、ユーザーの歩行先にある障害物を検知し、それを音や振動などを通して伝達できるのだとか。どんなものなのでしょうか?

小林賢太郎批判の「人権団体」、反差別の矛盾が酷い──日本のメディアにも課題

ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を揶揄するようなコントを過去に行っていたことで、東京五輪・パラリンピック開閉会式でのショーディレクターを解任された小林賢太郎氏。人類史上最悪の虐殺であるホロコーストを揶揄することは許されない、それは筆者も異論はない。ただし、本件についての報道のあり方については、いささか気になる点もある。それは、小林氏のコントへの反応に関して、「サイモン・ウィーゼンタール・センター」の声明を取り上げ、同団体を「人権団体」として紹介していることだ。 「人権団体」と紹介す…

米欧にも中露にも取り込まれない…ポーランド首相、独占インタビュー

<東西のはざまで翻弄される中欧米。バイデン政権やデジタル課税についてモラウィエツキ首相が語ったポーランド独自の視点とは> 西にはドイツを中核として西欧的価値観を共有するEU圏、東にはウラジーミル・プーチンの陣取る絶対主義的なロシア圏。その中間に位置する諸国はずっと両陣営の綱引きに翻弄されてきたが、中でも民族主義色を鮮明に打ち出しているのがポーランドだ。 右派政党「法と正義」が政権を握り、2017年12月からはマテウシュ・モラウィエツキが首相を務める。西側の右派勢力には受けがいいが、リベラル派からは批…

ドラァグクイーンと子供のふれあいイベントが抗議殺到で中止に、殺害予告も

<ドラァグクイーンが子供たちに絵本の読み聞かせをするイベントに、暴力的な脅迫が殺到。安全上の懸念から中止に> 米ネブラスカ州リンカーン市にある子供博物館は7月26日、予定されていた「ドラァグクイーン・ストーリー・アワー」を中止すると発表した。これはドラァグクイーンが、子供たちに絵本の読み聞かせをするイベントだが、中止の理由は「暴力的な脅迫が殺到したこと」だった。 子供博物館のインスタグラム投稿によれば、このイベントは数週間前から予定されていたもので、7月31日(土)の閉館後に参加希望者だけに向けたイ…

クラブ支配を盤石にしたUEFAだが、このままではいずれ破綻する運命だ

<欧州スーパーリーグを潰すことに成功した金満組織UEFAだが、自身の利益よりファンとクラブのために真剣に議論すべき時が来た> 欧州最強の文化的輸出品は何か。それはワインでもチーズでもない。世界で最も愛されるスポーツであるサッカーだ。 欧州のクラブチーム王者の座を争うチャンピオンズリーグ(CL)の決勝は、世界で約4億人がテレビ観戦する。アメリカンフットボール、NFLの優勝決定戦であるスーパーボウルの実に4倍だ。 ところが、これほどグローバルな成功を収めているのに、欧州サッカーは欧州経済と同様の問題に直…

アメリカで政府や企業のワクチン接種義務付け進む デルタ株感染拡大で

<すでに1億6000万人以上がワクチン接種済みのアメリカでもデルタ株の感染が急拡大。連邦政府もグーグルなどの大企業も、接種義務化を打ち出した> ジョー・バイデン米大統領は、感染力の強いデルタ型変異株の流行で感染者が再拡大していることから、ワクチン接種を促すための新たな施策を発表した。連邦政府職員にワクチン接種の証明を義務づけるなどの措置を導入し、州政府に対しては、ワクチン接種者に100ドルを支給するよう求めると発表した。費用は連邦政府が負担する。またグーグル、ツイッターなどのハイテク大手もオフィス再…