木に空いた穴を「1日以内に完全修復」できるアリを発見!

アステカ・アント(パナマで撮影)
Credit: Bruno de Medeiros/iNaturalist/CC BY 4.0

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中南米パナマの熱帯雨林にて、アリの驚くべき能力が新たに発見されました。

セクロピア(Cecropia)という木に生息するアステカ・アルファリ(Azteca alfari)は、木の表面にあいた穴を1日以内に完全修復できることが判明したのです。

アリの子どもや卵など、巣内のコロニーが危険にさらされた時に、修復行動が最も頻繁に起こったとのこと。

研究は、昨年の12月30日付けで学術誌『Journal of Hymenoptera Research』に掲載されています。

目次 パチンコ玉が当たったことで偶然発見! パチンコ玉が当たったことで偶然発見! この修復現象は、地元のインターナショナルスクールに通う高校生のAl…

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参考文献

These Ants Can ‘Heal’ Wounded Trees in a Fascinating Symbiotic Relationship
https://www.sciencealert.com/these-ants-heal-wounded-trees-in-a-fascinating-symbiotic-relationship

元論文

Azteca ants repair damage to their Cecropia host plants
https://jhr.pensoft.net/article/75855/

史上最多、1306本脚の新種のヤスデを発見

この新種のヤスデは体幅約1mm、体長約10cmと糸のように細長く、多数の脚を操って地中を移動する。(PHOTOGRAPH COURTESY OF MAREK ET AL. 2021) オーストラリアで史上最多、1306本の脚をもつ新種のヤスデが発見され、12月16日付けの学術誌『Scientific Reports』に発表された。 研究チームはこのヤスデを、ギリシャ神話…

セイヨウミツバチ 実は「アジア出身」だったと明らかに

セイヨウミツバチはアジアで誕生した可能性が大
Credit: jp.depositphotos

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ミツバチの一種であるセイヨウミツバチ(学名: Apis mellifera)は、今日、ヨーロッパからアフリカ、中近東まで世界に広く分布しています。

一方、その起源の解明は、何十年にもわたって専門家の悩みの種となっています。

しかしこのほど、ヨーク大学(York University・カナダ)の研究により、セイヨウミツバチは、アジアで生まれた可能性が高いことが判明しました。

名前に”セイヨウ(西洋)”とあるからといって、生まれはヨーロッパのどこかではないようです。

研究は、12月3日付けで学術誌『Science Advances』に掲載されています。

目次 セイヨウミツバチが養蜂家に人気な理由とは セイヨウミツバチが養蜂家に人気な理由とは セイヨウミツバチは、養蜂家にとても人気があり、農作物の受粉…

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参考文献

Mysterious origins of western honey bees revealed
https://www.earth.com/news/mysterious-origins-of-western-honey-bees-revealed/
Where did western honey bees come from? New research finds the sweet spot
https://phys.org/news/2021-12-western-honey-bees-sweet.html

元論文

Thrice out of Asia and the adaptive radiation of the western honey bee
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj2151

害虫のレーザー駆除、実現へ 害虫の飛行パターンを予測する技術 農研機構が開発

農業と食品産業の研究開発を行う農研機構は、カメラで飛行する害虫の3次元位置を検出し、飛行パターンを予測できる方法を開発。 農業と食品産業の研究開発を行う農研機構は11月29日、飛行する害虫の位置をカメラで検出し、飛行パターンを予測する方法を開発したと発表した。害虫の位置を予測することで、レーザーで狙撃…

火山灰に50日間も埋まっていたミツバチが奇跡的に生存していた

火山灰に50日間埋もれていたハチの巣箱
Credit: H-H News/youtube(2021)

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今年9月19日、スペイン領カナリア諸島のラ・パルマ島で、クンブレ・ビエハ火山が噴火し、約5000人(総人口は約8万5000人)が避難を余儀なくされました。

同島での噴火は約50年ぶりであり、家屋や通りが大量の火山灰に覆われています。

現在も警察や消防隊による活動が続く中、驚きのニュースが飛び込んできました。

火山灰に50日間も埋もれていたハチの巣箱が発見され、しかも中のミツバチたちが生きていたというのです。

日光もエサ集めもできない中で、どうやって生き延びたのでしょうか。

目次 ミツバチが50日間、灰に埋もれて生き延びた方法 ミツバチが50日間、灰に埋もれて生き延びた方法 ハチの巣箱は今月6日、噴火した火山から600メ…

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参考文献

Beehives with Bees Recovered Alive 50 Days After Being Buried in Las Palma Volcanic Eruptions
https://www.sciencetimes.com/articles/34702/20211125/beehives-buzzing-residents-recovered-bees-discovered-still-alive-50-days.htm
Thousands of bees make it out alive after being buried by La Palma volcano ash for 50 days
https://nationalpost.com/news/world/thousands-of-bees-make-it-out-alive-after-being-buried-by-la-palma-volcano-ash-for-50-days

肉を食べる「ミツバチ」の腸内細菌はハゲタカ・ハイエナと同じだった!

肉を食べる「ミツバチ」は腸内細菌も特殊だったと判明!
Credit:Laura L. Figueroa et al . Why Did the Bee Eat the Chicken? Symbiont Gain, Loss, and Retention in the Vulture Bee Microbiome . ASM Journals (2021)

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肉食ミツバチの腸内細菌はハイエナやハゲタカに似ていたようです。

米国カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)で行われた研究によれば、主食に肉を食べるように進化した「肉食ミツバチ」の腸内細菌を調べたところ、腸内細菌が肉食動物化していたとのこと。

また肉が主食であるのに、巣には人間も食べられる甘い蜜があるようです。

研究内容の詳細は11月23日に『ASM Journals』で公開されています。

目次 肉を食べる「ミツバチ」は腸内細菌も特殊だったと判明!肉食化の原因は食糧不足だった 肉を食べる「ミツバチ」は腸内細菌も特殊だったと判明! ミツバ…

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参考文献

When bees get a taste for dead things: Meat-eating ‘vulture bees’ sport acidic guts
https://phys.org/news/2021-11-bees-dead-meat-eating-vulture-sport.html

元論文

Why Did the Bee Eat the Chicken? Symbiont Gain, Loss, and Retention in the Vulture Bee Microbiome
https://journals.asm.org/doi/10.1128/mBio.02317-21

アリは「口移し」で仕事に必要なタンパク質を交換していた

アリは唾液を通して「タンパク質」を交換している
Credit: jp.depositphotos

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フリブール大学(University of Fribourg・スイス)の研究により、オオアリは、口移しで唾液を交換することで、コロニーの社会システムを強化し、円滑にしていることが明らかになりました。

これまでの研究ですでに、ある種のアリが、情報共有のために唾液を交換することが分かっています。

しかし本研究では、単なる情報共有を超えて、採食係・世話係・女王など、それぞれの役割を果たすのに必要な分子を直接分け合っているとのことです。

研究は、11月2日付けで学術誌『eLife』に掲載されています。

目次 アリには自分用と社会用の「2つの胃」がある アリには自分用と社会用の「2つの胃」がある 研究主任で、進化生物学者のアドリア・ルボフ(Adria…

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参考文献

Ant Colonies Can Share a Single ‘Social’ Metabolism, All Thanks to The Way They Kiss
https://www.sciencealert.com/ant-colonies-can-share-a-single-social-metabolism-all-thanks-to-the-way-they-kiss

元論文

Biomarkers in a socially exchanged fluid reflect colony maturity, behavior and distributed metabolism
https://elifesciences.org/articles/74005

わざと猫に食べられに行く!? ネズミを大胆不敵にさせる「寄生虫」の正体【戦慄の寄生虫】

 ゴキブリを奴隷のように支配したり、泳げないカマキリを入水自殺させたり――、あなたはそんな恐ろしい生物をご存じだろうか。

「寄生生物」と呼ばれる彼らが、ある時は自分より大きな宿主を手玉に取り翻弄して死に至らしめ、またある時は相手を洗脳して自在に操る様は、まさに「えげつない!」。

 そんな寄生者たちの生存戦略を共生細菌、感染症、ワクチンの研究を行ってきた理学博士の成田聡子氏が執筆した『え……

ミツバチは、最強の敵・オオスズメバチにのみ発する「警報音」を持っていた

ミツバチは、オオスズメバチに特化した「警報音」と持っていた
Credit: jp.depositphotos

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ミツバチ「総員、決起せよ!」

アメリカ・カナダの最新研究により、ミツバチは、最強の天敵であるオオスズメバチに特化した「警報音」を持っていることが判明しました。

小型のスズメバチに対して発するよりも、明らかに音が鋭くて大きく、鳴りも激しいとのこと。

チームは、霊長類や鳥類が恐怖や危険を感じたときに放つ「パニックコール」に近い、と指摘しています。

ミツバチはこの警報音をきっかけに、コロニーの守りを固め、群れで応戦を開始するようです。

研究は、11月10日付けで学術誌『Royal Society Open Science』に掲載されました。

目次 オオスズメバチの出現で、音の総量が7倍に増加 オオスズメバチの出現で、音の総量が7倍に増加 オオスズメバチは、ミツバチにとって最も凶悪な天敵で…

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参考文献

When Murder Hornets Attack, Bees Start Heartbreaking ‘Shrieks’ to Warn The Colony
https://www.sciencealert.com/scientists-describe-a-new-honeybee-signal-that-warns-the-colony-of-murder-hornets
Bees ‘shriek’ when attacked by giant cousins of ‘murder hornets’
https://www.livescience.com/bees-shriek-when-hornets-attack

元論文

Giant hornet (Vespa soror) attacks trigger frenetic antipredator signalling in honeybee (Apis cerana) colonies
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.211215

胞子まみれになったメスの死体をオスに死姦させる真菌の媚薬成分を解明!

ゾンビ化して死姦させるヤバめの真菌の媚薬成分を解明!
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

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ゾンビ化に加えて死姦させる菌がいるようです。

スウェーデン農業科学大学(SLU)で行われた研究によれば、「E. muscae」と呼ばれる真菌は、ハエのメスをゾンビ化して殺した後に、オスに死姦させることで感染を広げていることが確認されました。

真菌は媚薬となる化学物質を分泌することで、オスを引き付け、胞子(分子生)まみれになったメスの死体との死姦を行わせていたようです。

研究内容の詳細は10月22日にプレプリントサーバーである『bioRxiv』に公開されています。

目次 ゾンビ化して死姦させるヤバめの真菌生きているオスの脳も操作して輪死姦を発生させる死姦を起こす媚薬は単一成分ではない ゾンビ化して死姦させるヤバ…

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元論文

A pathogenic fungus uses volatiles to entice male flies into fatal matings with infected female cadavers
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.10.21.465334v1.full