ついに動き出した政府と残る謎:ペンタゴンはUFOの存在にいかにして向き合ったか (4)

2004年に米西海岸沖でパイロットがUAP(未確認空中現象)を目撃した「ニミッツの遭遇」が17年暮れに映像と共に『ニューヨークタイムズ』で記事になると、もはやペンタゴンのUAP関連のプロジェクトは「公然の秘密」となった。軍は公式にガイドラインを改定し、上院軍事委員会が正式に調査を求めたことで、ついに米国家情報長官室がUAPの調査報告書を公開するに至ったのだ。科学者やUFO研究者たちとペンタゴンとの半世紀におよぶ駆け引きに迫ったシリーズ最終回。

UFO懐疑論者と不都合な事実:ペンタゴンはUFOの存在にいかにして向き合ったか (3)

おびただしい数の目撃情報をめぐって、科学者やUFO研究者とデバンカー(暴き屋)たちとの攻防が激しさを増すなか、調査研究ジャーナリストのレスリー・キーンが「UFO研究の金字塔」と言われる著書を刊行すると、「政府が保持している情報を公表していない」という機運が高まり、やがて政府や上院議員、そして国防総省(ペンタゴン)をも巻き込んだ駆け引きへと発展する。米国家情報長官室がこのほどついに公開した未確認空中現象(UAP)の調査報告書までの長い道のりに追ったシリ…

おびただしい数の目撃情報をめぐる攻防:ペンタゴンはUFOの存在にいかにして向き合ったか (2)

米国家情報長官室がこのほどついに、未確認空中現象(UAP)の調査報告書を公開した。そもそもUFOの「現代史」は1947年に目撃された「空飛ぶ円盤」から始まった。冷戦構造のパラノイアと政府の妨害主義、科学と非科学の境界線で、度重なる目撃情報はいかに取り上げられ(無視され)、調査され、忘却の彼方へと葬りさられたのか。科学者やUFO研究者たちとペンタゴンとの半世紀におよぶ駆け引きに迫ったシリーズの第2回。